【長編小説】 第11話:一番確実な方法 【転生したら、私が監修していた世界の神様でした】
転生したら、私が監修していた世界の神様でした
あらすじ
ゲームの監修者だった私が目を覚ますと、そこは自分が作り上げた世界だった。
しかも、私が世界を管理する神様?!
しかし、世界は知らないところで、勝手に成長していた。
崩壊まで残りわずか。そして秘書には、何百回も繰り返してきた記憶があった。
第11話 一番確実な方法
「一緒に止めよう」
そう言った翌日、秘書は何かを見つけたような顔で、板を差し出してきた。
「崩壊を防ぐ方法が、見つかりました」
「本当に?」
「はい。この世界の管理規定を、一から読み直していて、見つけました」
板には、堅苦しい言い回しの、契約書みたいな文章が並んでいた。。
「何が書いてあったの?」
「崩壊の原因は、自由意思の増加による情報過多。
よって、回避には、自由意思の消去が最も有効、だそうです」
耳を疑った。
「住民の選択を、規定の通りに戻すということです。魔王は魔王らしく、勇者は勇者らしく。決められた役割の通りに」
「消去って…、つまり、元のNPCに戻す、ということ?」
「はい、そういうことになります」
背筋が、すっと冷たくなった。
「勇者は?」
「勇者としての役割に、戻ります。結婚したい、という願いも、当然、記録から消えます」
昨日、井戸のそばでうずくまっていた勇者の顔が浮かんだ。
「それ、勇者からしたら」
「本人は、何も覚えていない状態になります。苦しむこともありません」
「そういう問題じゃなくない?」
思わず声が大きくなった。
秘書は、少し傷ついたような顔をした。
「……これは、最も確実で、最も被害の少ない方法です」
「秘書さんの言う被害って何?記憶を消すことが被害が少ないって言えないよ…」
「しかし、世界そのものが消滅するよりは…現状でできる最善の選択かと思います」
正論だった。分かっている。分かっているけど、納得できない。
「秘書さん、昨日、一緒に止めようって言ったよね」
「はい。そのつもりです」
「この方法で?」
秘書は、しばらく黙った。
「秘書さんは、それでいいの?」
「感情で判断するべきではありません」
その言い方、いつもの秘書に戻っていた。昨日、少しだけ見えた揺らぎが、また奥にしまわれてしまったみたいだった。
秘書が、板の隅を指差した。
昨日まで987あったはずの数字が、900を切っていた。
「容量崩壊が一気に加速しています。このペースで進めば、もう長くはもちません」
「具体的には?」
秘書は、数字の推移を見つめながら、静かに言った。
「このまま減り続ければ、持って一週間です」
その一言が、やけに冷たく響いた。
あとがき
秘書さん、言ってることはめちゃくちゃ正しいんですよね。
世界を確実に救えて、住民たちも苦しまない。
何かを選ぶことは、何かを選ばないことなんですよね…
秘書さんの方法はたぶん一番確実。
でも、それで本当に世界を救ったことになるの???
続きもぜひ読んでみてね📚
次の話↓
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作者のやる気ゲージが超回復します🥰