お金は“安心”に変えていく──50代からの、お金とのちょうどいいつき合い方
通帳の数字より、穏やかな夜を
通帳の数字より、ぐっすり眠れる夜のほうが価値がある。
そう思うようになったのは、50代に入ってからだ。
お金は、夢を叶えるチケットみたいに語られることもあるし、
ときには自分の評価のように感じてしまうこともある。
でも、わたしにとっていちばん大きな役割は、
たぶん「不安を小さくすること」。
いくらあっても足りない気がするのは、
きっと、不安の影を追いかけているから。
「安心」を受け取った時間
両親を見送ったとき、
ふたりが医療保険に入っていたことの意味を、身をもって知った。
治療費を気にせず、
希望どおりに最期まで寄り添えた時間。
あれは、お金そのものというより、
「安心」を受け取っていた時間だったのだと思う。
保険は不要、という人もいる。
それもひとつの考え方。
でもわたしは、不安を少しでも小さくしておきたい。
備えがあると思えるだけで、
夜中に目が覚めたときの心拍数が、ほんの少し落ち着く気がする。
保険や貯金は、いわば“心のお守り”。
効き目があるかどうかより、
持っていることで気が休まるなら、それでいい。
お金で安心をつくる、わたしの小さな習慣
安心のつくり方は、だいたい地味だ。
節目ごとに保険を見直す。
正直、少し面倒。
でも、いまの自分に合っているかを確かめるだけで、
心のざわつきが減る。
目的別の口座をつくって、
お金に小さな名札をつけておくのも好き。
「旅行用」
「医療費用」
「リフォーム用」
名前があるだけで、
“なんとなく不安”は、具体的な数字に変わる。
そして、少額でも積み立てを続ける。
忘れてしまうくらいの金額でも、
気づけば安心は少しずつ育っている。
NISAで毎日100円ずつ投資信託を買う。
しかもポイントで、なんて時代だ。
「お金に働いてもらう」という考え方を知っただけでも、
肩の力が少し抜けた。
「とりあえず、なんとかなりそう」
未来を完全にコントロールすることはできない。
でも、
「とりあえず、なんとかなりそう」
そう思えるくらいの安心があれば、
人は案外、穏やかに生きていける。
わたしにとってお金は、
夜を静かにしてくれるもの。
通帳の数字そのものより、
その向こうにある、穏やかな眠りのほうが、
いまはずっと大切。
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