【詩】東京発、午前零時の窓辺にて
東京発、最終の風が
ビルの隙間をすり抜けて
まだ誰にも話していない夢を
そっとポケットに忍ばせる
改札を抜けた足音が
昨日の自分を追い越して
ホームの端で立ち止まる
「行き先は未定です」と
言える勇気が少しだけ欲しかった
ネオンの海に沈む言葉たち
誰かのために選ばれなかった
優しさが、まだ灯っている
それを拾い集めて
次の街へ持っていこう
東京発、午前零時の窓辺にて
眠らない街に背を向けて
静かに、でも確かに
新しい自分を乗せて列車は動き出す

あとがき:
本日は二本立てで東西の詩をお届けしております。この詩は、「東京発」という言葉に込められた旅立ちの感情を描いています。東京は多くの人にとって夢の始まりであり、時にはその夢を手放す場所でもあります。そして過去の自分に別れを告げながら、まだ見ぬ未来へと向かう決意を静かに抱いています。午前零時という時間は、終わりと始まりが交差する魔法のような瞬間。誰にも見られずに涙を流せる時間でもあり、誰にも邪魔されずに希望を抱ける時間でもあります。
今日が皆様にとって
佳き一日でありますように。
