見出し画像

忘れ物を恐れすぎた私が、気づいた準備の本質


試験当日の朝。

私は、異様に重いバッグを肩にかけていた。
前日の夜、不安に負けたからだ。

「もし足りなかったら」
「もし忘れていたら」

そんな想像を打ち消すように、荷物を詰め込んだ。
気づけば、バッグは2kg近い重さになっていた。

会場は、階段移動が多かった。
しかも、手荷物は常に自分で持ち運ぶルール。
一段登るたびに、肩へ重みが食い込む。
本番前なのに、息が上がる。

集中力より先に、体力が削られていった。

私は、「忘れ物をしたくない」という一心で準備をしていた。なのに、安心するために増やしたはずの荷物が、いまの自分を一番苦しめていた

1. なぜ、実力が発揮できなかったのか

その日のパフォーマンスは、失敗だった。忘れ物は、一つもしなかったし、必要なものは、全部そろっていた。

でも、本来の力は出せなかった。理由は明白だった。
本番が始まる前に、心と体が消耗しきっていたからだ。
私はずっと、「準備」とは物を揃えることだと思っていた。
・不足をなくすこと。
・不安を潰すこと。
それが、正しい準備だと。

でも違った。
準備とは、単に持ち物を増やすことではない。
本番で、自分の力をちゃんと発揮できる状態を作ることだった。
物理的な重さは、思考のノイズになる。

荷物が増えるほど、
「落としていないか」
「置き忘れていないか」
「次は何を出すのか」

意識が分散していく。

私は、自分で自分の集中力を削っていた。

2. 二つの失敗の共通点

私は、二つの失敗を別物だと思っていた。

一つ目は、忘れ物による失敗。
必要なものが足りず、不安に意識を奪われる状態。

二つ目は、過剰な荷物による失敗。
重さや管理に体力を奪われる状態。

一見すると、逆の問題に見える。
でも、本質は同じだった。

どちらも、「本番に集中できていない」
それだけだった。

私は、「足りないかもしれない」という不安から荷物を増やしていた。
つまり、大量の荷物は、自分への不信感・不安感だった。

自分はきっと対応できない。
自分はきっと困る。

そんな前提で、準備をしていた。
だから、必要以上に抱え込んでいた。

3. 本番で「何も考えない」ために

それから、準備の目的を変えた。

「全部を持っていくこと」ではない。

「本番で、余計なことを考えなくていい状態」を作ること

そう定義し直した。
すると、持ち物の基準も変わった。

・迷ったら、持たない。
・現地で買えるものは、持たない。
・「軽さ」を、もっと重要視する。

特に、「重さ」というコストを甘く見ない。

肩にかかる負担。
移動で削られる体力。
管理するための集中力。

それらは全部、本番で使うはずのエネルギーだった。

以前の私は、完璧を目指していた。
あらゆる可能性に備えようとしていた。

でも今は違う。

多少の不足より、
自由に動けることを優先する。

完璧な装備より、
身軽な自分を選ぶ。

そう決めている。

4. 余白こそが、武器になる

今でも、不安で荷物を増やしたくなる日はある。

「念のため」が頭をよぎる。

でも、それ自体は悪いことではないと思っている。

慎重でありたい。
失敗したくない。

その気持ちは、真剣だからこそ生まれるものだから。

だから、不安を否定はしない。

ただ、一つだけ忘れないようにしている。

私を助けるのは、「物の多さ」ではない。
本番で自由に動けること。
必要なことだけに集中できること。

軽い体。
軽い心。

そのための「余白」こそが、何よりの準備だった。


このnoteでは、オーディションや進路の中で私が迷いながら言語化してきた思考や判断の軸を継続して書いています。

もし、「選択に自信が持てない」「評価の場が怖くて逃げてしまう」と感じることがある方は、フォローして読んでいただけたら嬉しいです。

次の記事

充電5%と容量不足の通知が、あなたの実力を奪っている。スマホに振り回されない「脳の余白」の作り方

関連記事


いいなと思ったら応援しよう!

アツヒメ|夢を叶えるダンサー&ミニマリスト🔹フォロバ100 最後まで読んでくださりありがとうございます。読んだよの一言代わりにスキを押してくださると嬉しいです!(ログインしなくてもスキ押せるようになりました!)