50代、介護疲れのサインは「泣けない時」だった
泣けない時って、強いんじゃなくて——麻痺してるだけかもしれません。
今日のセンサー
いつもはつらつとしていて、素直でかわいいママがいます。
9ヶ月の赤ちゃんを連れて、子育て支援施設に遊びに来てくれます。
でも今日、その赤ちゃんは来てからずっとぐずっていました。
ママの顔が一瞬でも見えなくなると、すぐにぐずぐず。
抱っこしても、下ろしても、気持ちが落ち着かない。
ママも困り顔で、ぽつり。
「最近こんなんで…」
私は心の中で思っていました。
この時期は、こんなこともあるよね。赤ちゃんもママも、どっちも悪くない。
けれど赤ちゃんは機嫌の悪いまま、うとうとし始めて。
ママは「今日は帰ります」と言いました。
その時、私のセンサーが反応しました。
(このママ、思ってるよりしんどいのかも)
ベビーカーに乗せる時、もう少しだけ話しました。
「パパにお任せしても泣いちゃう?」
そう聞くと、ママは少し考えてから言いました。
「それは大丈夫。なんだけど…最近、夫も体調悪くて。頼みにくくて」
わかる。夫だって疲れてる。休ませてあげたい。
そう思うほど、頼めなくなる。
じゃあ…と私は聞きました。
「ファミサポさんは?(預かってくれるシステム)」
するとママは、まっすぐな目で言いました。
「私が睡眠不足とかで限界なら頼みやすいけど…
何もない時に預けて、カフェ行くのはどうなの?って思っちゃって」
……これもわかる。わかりすぎる。つい最近までの私も、そうだった。
泣いている我が子を預けて、自分だけお茶する。
そんなこと、考えられなかった。
「母親なのに」って、どこかで自分を縛っていた。
だから私は、ママにこう言いました。
「ママの気持ちもすごくわかるよ。
でも、ママに“気持ちのスペース”がないと、
ご主人にも赤ちゃんにも優しくできなくなる気がする。
許せるなら、そんな時間を自分のために持ってあげて」
言いながら、思いました。
……これ、私に言ってるな。
そのママは話しながら、急に目がうるうるしてきて、こう言いました。
「泣きそう〜〜。
わたし、自分で思ってるほど大丈夫じゃなかったのかもしれない」
その言葉が胸に刺さりました。
でも同時に、私は思ったんです。ここまで気づけたなら、もう大丈夫だって。
いちばん危ないのは「我慢している時」
本当に危ないのは、我慢している時です。
自分が一杯一杯だと気づけないまま回して、ある日ふっと糸が切れる。
私もそれを何度もやりました。
だからこそ、今日の「うるうる」は弱さじゃなく、戻り始めたサインだと思ったんです。
介護は出口が見えにくい
そしてこれは、育児だけじゃなくて——介護も、同じだと思うんです。
育児には「いつか終わる」という希望があります。
でも介護は出口が見えにくい分、よりこのセンサーが麻痺しやすい。
介護はマラソン
介護はマラソンなのに、短距離走の根性で走ってしまう。
しかも「まだ走れる気がする」時ほど、休むことを後回しにしやすい。
だから給水所(外部サービスや休息)を素通りすると、完走前に倒れます。
休むのは甘えじゃなく戦略です。
「ショートステイ使うほどじゃない」
「もっと過酷な介護している人もいる」
「自分でできるからやらなきゃ」
「施設に入ってるんだから在宅より楽してる。こんなこと言っちゃいけない」
こう言って回している時ほど、実は余白がない。
余白がないと、助けを呼ぶ判断もできない。
しかも介護は、「しんどいかも」って言葉を受け止めてくれる場所が、少ない。
ズバッと言うと
“限界になってから頼る”は、だいたい遅い。
限界って、ただ疲れてる状態じゃない。
判断力も優しさも言葉も残ってない状態で来るからです。
だから私は、今日のママの「うるうる」に救われました。
泣けたのは弱さじゃない。センサーが戻ってきた証拠。
固くなっていた何かが、少しだけ溶けた感じがしました。
泣けない時期は、こわい
逆に言うと、泣けない時期って、こわい。
しんどいのに、しんどいと言えない。
自分がどれだけ削れているかもわからない。
もし今、介護でも育児でも、
「私、まだ大丈夫」って言いながら回しているなら。
それは元気だからじゃなくて、
“気持ちのスペース”がゼロなだけかもしれません。
そのことに、自分でさえ気づいていないのかもしれません。
我慢してる時って、一杯一杯になってることにすら気づけないから。
だから今日のあの一言が、私は嬉しかった。
「大丈夫じゃないかも」って言えたなら。
もう、ちゃんと戻り始めてる。
じゃあ、何から始めたらいい?
「じゃあ、何から始めたらいいか」と迷う人へ。
まず一つだけ。
担当のケアマネさんに、
「最近しんどいです」と伝えてみてください。
それだけでいいです。
介護には「レスパイト(介護者の休息)」があります。
休むのは逃げじゃない。続けるための補給です。
ショートステイ、デイサービスの追加、ヘルパーの時間を増やす。
使えるサービスは、ケアマネさんに聞けば一緒に考えてくれます。
「まだそこまでじゃない」と思っている時が、
実は一番相談しやすいタイミングです。
追伸|吐き出せる場所を置いています
介護のしんどさって、吐き出せる場所が本当に少ないですよね。
Threadsで「介護友スレ」を毎日立ち上げています。
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しんどい日に、センサーが鈍ってる日に、
ふらっと寄れる場所として置いています。
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