丁寧な接客だったのに、次の予約をしなかった理由
私は普段から、カフェやお店を利用したとき
そのお店の接客やサービスを、つい気にしてしまうタイプです。
先日、初めてフェイシャルエステへ行ったときに、
「お客様が次も利用したいと思うサービスとは、どういうものなのだろう」
と考えさせられる出来事がありました。
これは、お菓子を作って販売する人にも共通する話だと思ったので、皆さんにも共有したいと思います。
初めてフェイシャルエステへ
年齢とともに、鼻の毛穴や黒ずみが少し気になるようになり、
「プロにきれいにしてもらえたら」
と思って、フェイシャルエステを予約しました。
お店のサービスが悪かったわけではありません。
施術は丁寧でしたし、「フェイシャルエステは初めてです」と伝えると、きちんと対応していただきました。
施術後には、次回の案内もしていただきました。
それでも私は、その場で次の予約をする気持ちにはなれませんでした。
私の肌について、何も言われなかった
次の予約に踏み切れなかった理由は、ひとつです。
施術を担当してくれた方から、私の肌についての見解を一度も聞けなかったからです。
「どのようなお悩みがありますか?」
「何が気になりますか?」
という質問は、何度もされました。
私は、
「鼻の毛穴の黒ずみが気になります」
と答えました。
もちろん、自分が気になっている部分を伝えることはできます。
けれども、私は相手を肌の専門家だと思って、そのお店を訪れています。
私の肌を実際に見たうえで
「お客様の場合は、このような原因が考えられます」
「現在のお肌は、このような状態です」
「そのため、今日はこのような施術をしています」
という、その人なりの見解を聞きたかったのだと思います。
しかし、私の肌質や毛穴の状態について、具体的な説明はありませんでした。
欲しかったのは、一般的な説明ではなかった
私は、施術に不満があったわけではありません。
おそらく接客も、決められた手順に沿って丁寧に進めてくださったのだと思います。
それでも、心には響きませんでした。
なぜなら私が欲しかったのは、誰にでも当てはまる一般的な説明ではなく、
「私の肌を見たプロの意見」
だったからです。
たとえば、私の鼻をきちんと見て、
「岡本さんの場合は、このような状態ですね」
と一言伝えてもらうだけでも、受け取る印象は大きく変わったはずです。
「私のことを見てくれている」
「私の悩みを理解してくれている」
そう感じられたら、次もこの人にお願いしたいと思えたかもしれません。
丁寧なサービスだけでは、次につながらないこともある
今回の経験から感じたのは、
サービスを丁寧に提供することと、お客様に満足していただくことは、必ずしも同じではない
ということです。
もちろん、丁寧に施術することは大切です。
しかし、それだけではお客様の心が動かないこともあります。
お客様が求めているのは、サービスそのものだけではありません。
「自分の悩みを理解してもらえた」
「自分に必要な提案をしてもらえた」
という実感も含めて、サービスを受け取っているのだと思います。
お菓子の販売にも共通している
このことは、お菓子を作って販売するときにも共通しています。
SNSなどでたくさんの人へ発信するときは、ある程度、共通する悩みに向けた内容になります。
しかし、実際に目の前にお客様が来てくださったときは違います。
たとえば、
「甘いものは好きだけれど、たくさんは食べられなくて」
「家族へのお土産を探しています」
「このお菓子は、どのような人に人気ですか?」
とお客様が話してくださったとします。
そのときに、用意していた商品説明をそのまま繰り返すだけではなく、お客様の言葉を受け取って、
「でしたら、こちらがおすすめです」
「こちらは甘さが控えめで、少しずつ楽しめます」
「ご家族で召し上がるなら、こちらの詰め合わせが選ばれています」
と、その方に合った言葉を返す。
そのひと手間によって、単なる商品説明が「私のための提案」に変わります。
お客様は「自分を見てもらえた」と感じたときに心が動く
本当のサービスとは、マニュアルどおりに対応することだけではないのだと思います。
目の前のお客様が、
✔️何に悩んでいるのか
✔️何を求めているのか
✔️どのような言葉を必要としているのか
を感じ取り、自分が気づいたことを相手に返していく。
これは簡単なテクニックではなく、経験や観察力、そして目の前の人に関心を持つ姿勢から生まれるものかもしれません。
だからこそ、一言あるかないかで、お客様の受け取る印象が大きく変わります。
そして、その小さな違いが、
「また来たい」
「次もこの人から買いたい」
「誰かに紹介したい」
という気持ちにつながっていくのだと思います。
目の前の一人に、どんな言葉を返していますか?
お客様の満足度を高めるために必要なのは、特別なサービスを増やすことだけではありません。
目の前の人をよく見て、その人の言葉を受け取り、その人に必要な言葉を返すこと。
その小さな積み重ねが、お客様との信頼関係を作り、次の購入やリピートにつながっていきます。
ものづくりも、商品を販売することも、最後は人と人とのやり取りです。
商品をきちんと作ることは、もちろん大切です。
そのうえで、
目の前のお客様を、本当に見ているか。
その人のための言葉を、きちんと返しているか。
今回の出来事を通して、改めて考えさせられました。
「なぜ?」を説明できる作り手になるために
お客様から、
「なぜ、この材料を使っているのですか?」
「どうしてこの食感になるのですか?」
「うまく作れない原因は何でしょうか?」
と聞かれたとき、自分の言葉で答えられることも、作り手としての信頼につながります。
レシピどおりに作るだけではなく、材料の役割や工程の意味を理解すると、お菓子の状態を見ながら原因を考え、調整できるようになります。
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