バーチャロイド・コンセプト「一号機」篇
今回は、バーチャロイドの機体コンセプト、特に初代バーチャロンにおける一号機(後のテムジン)のそれについてお話したいと思います(他の機体についても追々やっていきます)。

製品版でここに至るまでには紆余曲折がありました。
©SEGA CHARACTER DESIGN:KATOKI HAJIME
ここでいう機体コンセプトとは、ゲームとしてのものです。バーチャロンというゲームで、どういう遊び方や楽しみ方をしてもらうキャラにするか、といったあたりをまとめたものだと思ってください。この機体コンセプトが定まると、それに沿った形でデザインを発注したり、ゲーム内での仕様をまとめたりすることができるようになります。
対戦ゲームの場合、ゲームコンセプトをまとめた後、次に考え始めるのがこのあたりになるでしょうか。そのくらい、プランニング関係では始原の作業ということになります。
▼前回のコラムもあわせてご覧ください!
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一号機と二号機
テムジンとライデンは、おそらく、セガで初めてゲーム内キャラのデザインを社外発注することになった二体です(※1)。当初は各々一号機、二号機としか呼ばれておらず、その後も長く名無しの状態が続きました。
発注内容については、ゲームの方向性がかなり柔らかい時期だったこともあって絞りこまれたものになっておらず、たとえば一号機(後のテムジン)は「フロントマン、主役っぽい立ち位置」、二号機(後のライデン)は「そのライバル機」ぐらいのところからスタートしました。さすがにこれだけでは一体一体を煮詰めるのが難しく、かわりに登場機体の全体を統括するシルエット上のフォーマットを決めていく作業を先行して進めました。
全体統括フォーマットというのは、バーチャロイドというメカキャラクター全機に共通するデザイン面でのルールのようなものです。これが定まるまで、一号機と二号機は、そのテストベッドとしてデザインの上書きが続けられました。
最終的に定まったフォーマットは、製品版でも明らかな通り、ヘッドマウントディスプレー(HMD)型の頭部、及び背部のセガサターンを模したVコンバータの二点です。当時のセガは「ハイテク」なイメージで売っていましたから、そのあたりを象徴するよさげな意匠をピックアップしようということで落とし所を探っていきました。
HMD型の頭部は、前方のスリット(シアン色に発光している部分です)がある種のセンサー的な「目」の印象を持ちつつ、しかし我々は元ネタが被りものであることを知っているが故に、HMDの内側に「真の目」があることを無意識のうちに想像します。この「目」の二重性が、「ゲームキャラ」を操る「プレイヤー」という二人羽織的な関係性と共鳴するようで面白く思われ、意匠採用の後押しとなりました(※2)。
一方、TPS系の画面ではゲーム中に自機の前部は見えなくなるので、顔面に特徴が集中するHMDの意匠だけではインパクトが弱くなる懸念がありました。このため背面にもそれとわかる要素が求められ、当時開発中だったシャンパンゴールドのセガサターン試作機をモチーフとすることにしました(※3)。
一号機:外観形状をめぐって
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