スペイン・ポルトガル旅 #10|Fadoに魅せられたリスボン最後の夜
リスボンを歩いていて印象に残ったもの。
カラフルな建物に、おしゃれなタイル画、坂道、トラム。
そして、もうひとつ。
街のあちこちから聞こえてくる音楽。
特別なステージがあるわけでもないのに、街を歩いていると、いろいろな場所で音楽に出会いました。
今回は、そんなリスボンの街で出会った音楽と、旅の最終夜に初めて体験したFadoについて🇵🇹
街のあちこちに音楽がある
サンタ・ルジア展望台では、ギターとスネアドラムのデュオが演奏しながら歌っていました。
その生演奏を聴きながら、アルファマ地区の景色を眺める贅沢な時間が流れていて。

サン・ジョルジェ城の近くを歩いていると、今度は道端で3人組のお兄さんたちが生演奏。その前を孔雀のファミリー(?)が横切っていく。それだけで絵になる。

そして、街中のアパートから大音量の音楽が聞こえてきたと思ったら……
ベランダで、おじさまが熱唱中😂

しかも、ちょっと口ずさんでいるとかいうレベルではない。
そこがステージかと思わせるくらいの、堂々たるパフォーマンス(笑)
東京のマンションのベランダで突然誰かが歌い出したら、近所迷惑って言われちゃいそうだけど、リスボンだとそれすらひとつのエンターテインメントのようで、街の風景に馴染んでいるから不思議。
さらにFadoを楽しんだ帰り道には、開けた場所でコンテンポラリーダンスを踊るお兄さんにも遭遇。

本当に、いろんなところに音楽や表現がある。
その音楽も、人も、周りの街並みも全部ひっくるめて、ひとつの風景になっているような。
リスボンで出会った音楽は、街歩きをさらに楽しくしてくれました◎
きっかけは、友人の偶然の出会い
そんなリスボンで迎えた、旅の最終夜。
友人から、「Fadoを聴きに行かない?」と誘われました。
Fadoは観光ガイドで見ていて、名前だけは知っていたポルトガルの伝統音楽。興味はあったものの、今回の旅では特に予定には入れておらず。
そんな中、リスボン初日にひとりで街歩きをしていた友人が、たまたまトイレを借りたくて入ったレストランでFadoのショーに遭遇。
そのときに観たFadoがすごく良かったらしく、温度感高めに「最終日の夜も行こう!」と誘ってくれたので、私も一緒に行ってみることにしました。
こういう偶然から予定が決まっていくのも、今回のリスボン旅らしい◎
そもそもFadoって?
Fadoについて少しだけ。
Fadoは、19世紀前半のリスボンで生まれたとされるポルトガルの伝統音楽。初期には酒場や街中など、人々の暮らしに近い場所で歌われていたそうです。
現在ではポルトガルを代表する音楽文化のひとつとなり、2011年にはユネスコの無形文化遺産にも登録されています。
基本的なスタイルは、歌い手に、ポルトガルギターとクラシックギター。
今回私たちが観たFadoも、まさにこの編成でした。
リスボン最後の夜、Fadoのお店へ
ホテルからお店までは、歩いて25分ほど。
リスボン最後の夜ということもあり、街を歩けるのもこれが最後。
夕方の風が気持ちよく、坂道を歩きながらお店へ向かいました。
途中では、ビカのケーブルカーの線路にも遭遇。

このときは事故の影響で、リスボン市内を走る3つのケーブルカーがすべて運休中。それでもビカの線路には1台だけ車両が停められていて、観光客の撮影スポットになっていました。
事故についてはとても残念ですが、運休中ということもあり、もともと見に行く予定すらなかったケーブルカー。
思いがけず実物を見ることができたのは、ちょっと嬉しい偶然でした◎
第一候補にしていたFadoのお店は、残念ながら予約でいっぱい。
そこで別のお店を探して向かったのが、Solidó Live Fado Show。
こちらは予約なしでも、すんなり入ることができました◎
目の前で響く、Fadoの歌声
店内は落ち着いた雰囲気で、Fadoを目当てに来ている観光客が多そう。
そして印象的だったのが、店内のつくり。

洞窟の中にいるような雰囲気。
演奏者との距離も近く、マイクなしでも歌声がしっかりと響きます。
というか歌い手さんの声量が半端ない!!
演奏が始まる時間になると、店内のメインの照明が落とされ、一気に雰囲気が変わりました。
クラシックギターとポルトガルギターの演奏が始まり、そこに歌声が重なる。男性と女性の歌い手が、交代で歌います。

Fadoを生で聴いて、まず感じたのは、切ない。だけど、力強い。
ギターの音色にはどこか哀愁があって、歌声はとても情熱的。
正直、歌詞の意味はまったく分かりません😂
それでも、不思議なくらい聴き入ってしまう。
特に印象に残ったのが、女性の歌い手。
歌声はもちろん、表情での表現もすごく豊か。
何を歌っているのかは分からないのに、その表情と歌声を見ていると、そこに込められた感情が伝わってくるような感覚がありました。
魂を感じるような。
言葉が分からなくても、音楽ってこんなに伝わってくるものなんだなぁと。
力強くも心地よい歌声に、最後まで聴き入っていました。
ポートワインとFadoで、最後の晩餐
演奏の合間には、ポルトガル料理とポートワインを楽しみました。

スープ、いわしのブルスケッタ、タコのリゾットなど。
やっぱりポルトガルは料理がおいしい◎
ワインも2杯ずつ飲んで、2人で約12,000円。
普通のディナーとして考えると少し割高な気もするけれど、これだけ近い距離で生のFadoを楽しめたことを考えると、個人的には十分納得◎
何より、ポルトガル最後の夜に、ポートワインを飲みながらFado。
ポルトガルに浸り切った最後の夜、最高すぎました〜!!
旅の最後に、Fadoに出会えてよかった
事前に調べた時、「伝統民謡」と書かれていて、日本でいう演歌的なものを想像し、本当に申し訳ないけど、正直あまり期待していなかったFado。
でも実際に聴いてみると、その印象は大きく変わりました。
その土地で生まれ、受け継がれてきた音楽を、その土地で実際に聴く。それだけで、ほんの少し、その土地との距離が近くなったような気がしました。
街を歩けば、展望台や道端から音楽が聞こえてきて。
アパートのベランダでは、おじさまが堂々と歌っていて(笑)
そして旅の最後には、Fadoを目の前で聴く。
リスボンではいろいろな形で音楽に出会えたことも、旅のいい思い出になりました。
そして何より、このFado体験。
今回の旅の締めくくりとして最高のチョイスでした◎
