世田谷美術館→日本民藝館
久しぶりですね。随分前に行っていたのですが、忙しくて書く時間なかったです。
美術館に行き慣れてしまうと、自分の好きな展示しか見に行かなくなるのが、あまり良くないなーと思っている今日この頃。
世田谷美術館
ふたりのアフリカ、手仕事の宇宙













































感想
日本とは異なるアフリカの独自の民藝がたくさん見れて、とても面白かったです。
個人的には水草でできた装飾品やマリの泥染めが印象に残りましたね。生活に根付いた道具というものが最近好きになってきました。
抜粋
40年後(2010年)は土器づくりの伝統は消滅していた。
やはり近代化の影響は大きいのだあなと思いました。
近代化という現象は、工業化という側面もあり、お金の面や生活を楽にする面を重視すると、民藝だったり、近代化以前のカオスさ(それぞれの民族が異なること)がどうしても均質化しやすいのではないかと考えていました。
一度、電気、水道、ネットなどの近代的で楽な生活を味わってしまうと、元の生活には戻れないと思いますし、現代でアフリカの土地で暮らすにしても、生活する上で必要な物や行動、最適解が昔の時代とは異なってしまうため、どうしても昔のような民藝を作る生活は維持できないのだと思います。
このことは日本にも言えることだと思っていて、岡本太郎の日本再発見 芸術風土記に写真と文章で書かれています。
昔の日本はその土地の材料でその土地の用途に合わせた道具(民藝)を作ってきました。しかし、現代は安価で大量に材料が手に入り、その土地で民藝を作るよりも手間が無く安い服や道具が手に入ると、どうしてもその土地の民藝を作る行為は廃れていってしまうと思います。
ただ、現代の安価で高性能な服がすべて悪いかと言われるとそうでもなく、いかに民藝と現代の生活や道具を共存させるかが重要なのではないかと思います。
現代の民藝には、工業製品の方が便利だけれど、それでも使う理由があるから作る、といった「現代に合った合理性」が必要になる。
そして、たぶん最も現実的なのは「10〜20%民藝」。
茶碗 → 地元の焼物
籠 → 編組品
コップ → 吹きガラス
テーブル → 木工
布 → 地域染織
食器、コップ、籠、テーブル、椅子、照明、布、鞄、調理器具、花器など、触覚・視覚・経年変化・修理可能性が価値になる領域に手仕事を残す。
AIでも調べてみましたが、できる範囲の小さなところから、日常で使う道具を民藝に変えてみて、手触りや肌触り、質感を味わい、使って見ることが重要なのではないかと思います。
日本民藝館





感想
日本民藝館は2回目でした。だいぶ器が見れるようになってきました。特に黒、黄色の器が好きですね。以前、東京庭園美術館のルーシー・リー展で見たものとは別のルーシー・リーの器もあって良かったです。美術はこういう繋がりを感じられるところが好きですね。
企画展の方はぶっちゃけると何がいいのか、そこまでよく分からなかったです。柳宗悦という人物を詳しく知る必要がありそうでしたね。もう少し柳宗悦の本を読んで理解を深めようと思いました。そのうち、この本を読むと思います、たぶん。
抜粋
やはり、自分で民藝の器を買い、使って見ることこそ、重要なのではないかと考えていた。
これまで色々な美術を見てきましたが、民藝に関しては使うことを目的に作られているので、実際に買って使わなければ、民藝を深く知ることはできないのではないかと考えていました。
そこで、日本民藝館では、ミュージアムショップ(正式名称:推薦工芸品売店)があります。(なんかダイレクトマーケティングみたいになってるけど笑。)
全国から集められた新作工芸品を販売しています。
陶磁器では大分県の小鹿田に代表される九州の諸窯、山陰や益子、沖縄など伝統的な産地で作られたものや、個人で仕事をする作り手のものなど、またガラスのコップやあけびのかご、手織マフラーや和紙の製品など、毎年開催される日本民藝館展での入選作を中心に選ばれ、いずれも丈夫で使いやすく暮らしに役立つ品々です。
民藝について学び、より親しんでいただくための出会いの場所としてどうぞご利用ください。
https://mingeikan.or.jp/floormap/honkan/
ここには様々な民藝品が売られていて、素朴で味のあるいいデザインのものが売っています。(思ったより高いものもけっこうありますが笑)
ここで私は、鹿児島県の佐々木かおりさんのぐい吞みを購入しました。
いい艶と味のある茶色の器で、少し歪んでいるところが侘びを感じさせられて、とても良いと思いました。





佐々木かおりさん 解説
・概要
佐々木かおりさんは、沖縄・読谷山焼北窯で身につけた技術を、鹿児島の土・火山灰・鉄分の多い原料へ置き換えて発展させている陶工。
単純な「薩摩焼の伝統窯」でも「鹿児島で作るやちむん」でもありません。沖縄の造形、鹿児島の黒もん、朝鮮や日本各地の古陶磁を混ぜ合わせ、野はら屋独自の生活陶器にしていると捉えるのが適切。
・作品の特徴
1.沖縄の器に由来する、勢いのある形
北窯での修業を背景として、厚みのある胴、伸びやかな曲線、片口やピッチャー、鎬、釉薬を振り掛ける「フィーガキー」など、沖縄陶器の造形や技法が残っています。
一方で、沖縄の意匠をそのまま複製しているわけではありません。種子島でかつて作られた能野焼を参照した片口など、鹿児島の古い焼物も再構成しています。
2.鹿児島の土と灰による色
佐々木さんは、薩摩の赤土、入来や霧島の土を混ぜて使用しています。釉薬にも桜島の火山灰、木灰、藁灰、霧島周辺の鉄分を含む泥など、鹿児島で得られる材料を用いてきました。
そのため作品には、黒に近い鈍い光沢、赤褐色や飴色、緑や青みを帯びた流れ、鉄分による斑点、釉薬が厚く溜まった部分と薄い部分、といった、均一ではない表情が現れます。
3.「黒もん」が中心軸
本人は、鹿児島の生活陶器である黒もんを、自分の仕事の太い柱の一つと説明しています。ただし、黒もんだけに限定せず、沖縄、朝鮮、古い日本各地の器を混ぜ合わせることが「野はら屋らしさ」だと述べています。
他に民藝品が買える場所としては、日本民藝館の日本民藝館展―新作工藝公募展―、があるみたいです。2026年度は11月22日(日)~12月17日(木)に開催予定ですね。
鑑賞だけでなく実際に生活で使う工芸品を購入できる展覧会として設計されている。日本民藝館の公式説明でも、会期中は作品を展示・販売すると明記されている。
入選作:購入予約ができる。ただし会期中ずっと展示するため、基本的にその場で持ち帰る方式ではない。公式には「予約販売(展示のため)」とされている。
準入選作:展示即売。購入すれば即日頒布される。
扱われるものもかなり幅広く、陶磁器、織物、染物、木漆工、ガラス、紙、金工、竹工、藁工などがある。いわゆる「美術作品をコレクションする」というより、皿・鉢・布・籠・漆器など、実際に使える手仕事を選んで買う場という性格が強い。出品基準自体が「用に即し、繰り返しつくり得る製品」とされている。
といった感じみたいですね。私もこの時期になったら、実際に足を運んで、良い器や良い布を買いに行きたいです。
終わり。
