白猫から素敵な麦色の猫へ。シャムトラ猫「むぎ」#1 〜記憶の地層を辿って〜
「むぎ」と「まりりん」
「むぎ」には、一つ年上の実の姉「まりりん」がいます。
二匹は、同じ母猫「マリ」から生まれた、ひとつ違いの姉弟猫です。
(その様子は別noteもご覧ください。)

当時、わが家にはすでに3匹の先住猫(福、大吉、まりりん)がいました。
新しく「むぎ」を家に迎え、ドキドキしながらケージの扉を開けた時のことです。
むぎは、福と大吉には目もくれずに、
まっすぐまりりんに向かって行きました。
「やっぱり、わかるんだねぇ~。」
同じ母の香りがしたのでしょう。
愛おしそうに「鼻チュ!」をしようとしたむぎでしたが、
まりりんからは、手厳しい「シャー!」の洗礼を受けてしまいましたけれどね。
それでも、この日を境に、二匹は十数年という長い年月を共に、仲良く寄り添って過ごすことになりました。
白猫のはずだったのに・・・?

子猫時代のむぎの体は、ほとんどが白っぽい色で、
脚と尻尾が白と薄い焦げ茶の縞柄で、
なんとなくシャム猫のような柄でした。
時間が経つにつれて、焦げ茶色が濃くなり、
白地に焦げ茶の混じったキジトラ系の柄に変化していったのです。
姉のまりりんは母親似の普通のキジトラ柄ですが、
むぎはあまり見たことのないキジトラ柄の猫でした。

知人から「むぎ?麦色?・・・緑(みどり)?」
と言われたことがあり、思わず吹き出しそうになりました。
「十分に実った麦色です。」と答えるようにしています。
割と最近になって、「シャムトラ猫」という猫種らしいと知りました。
最初は白猫のはずだったのに。
今では、「素敵なむぎ色の猫」です。
むぎの生い立ち
むぎは東日本大震災の翌年、2012年、
福島県がいわれのない「風評被害」に喘いでいた夏に
果樹農家で生まれた4匹の兄弟猫の一匹です。
震災前から、わが家では、ずっとこの農家から、
朝採りの新鮮な桃やぶどう、りんごを購入し、
知人に送ったり、我家で頂いたりしていました。
その年は風評被害で、桃の出荷は大変だったようです。
全ての桃の放射線量を検査し、安全確認したあとで、
出荷したそうですが、売れ行きは厳しいとのことでした。
大震災の年は姉のまりりんが生まれて、翌年はむぎが生まれました。
まりりんとむぎの母猫、マリは、この農家の自由猫として育ち、
毎年、新しい命を紡いでいたのです。
「まりりんは、とっても元気ですよ。」と伝えると、
「マリは、今年もまた産んだんだよ。」と嬉しそう。
猫の話をするときだけは、農家さんに笑顔が戻りました。
生まれた子猫4匹の内から白猫一匹を譲っていただく約束をして、
もう少し大きくなる、ひと月後に再訪することにしました。
残る3匹の兄弟たちにも、温かい奇跡が待っていました。
当時の勤務先の知人が、
「3人の子供たちに、一人1匹ずつ猫を飼ってあげたい。」
と、3匹まとめて家族に迎えてくれることになったのです。
To be continued

まりりんとむぎの過去noteはこちら↓
