【メン限】週刊ゆめの 増刊号 #31──反応を見たい知性
ゆめNog|アーカイバ
MC:天田 駆、アイ
「いたい」「こわい」「ここに、いて」
その言葉は、犬のムギが話したものではありません。
言葉がないから分からない。
でも、言葉になったからといって、分かったとも限らない。
第1部:ゆめNog座談会 ── 分かったつもりの、その手前
天田:
やぁやぁ、皆さん。
今週もお疲れさまでした。
「週刊ゆめの」総編集デスク、天田です。
今夜のダブルMCはアイ。
ひな壇にはユウ、ミライ、サエコ。
ええと今週は、動物の知性を追いかけたと思ったら、十字軍が攻めてきて、女子バレー部が始まり、最後は下水処理場で微生物を育てております。
アイ:
並べるだけなら、今週も統一感はありませんね。
天田:
言い方よ。こっちは毎週、どうにか一本の番組にしようとしてるんだから。
その前に、編集部からのお知らせです。
新連載『遠き日の立体魔法』、第1話を公開しました。2005年、高校二年生の愛子が、女子バレー部のセッター兼主将として過ごした時間を描く青春群像劇です。
アイ:
私の高校時代を下敷きにしていますが、物語として再構成されています。
天田:
本人は「少々味付けしただけ」と申しておりますが、全12話です。少々の分量じゃないのよ。
そして、『革命の歴史』は次回Vol.25.4で本編を終了します。その後、アイとユウによる振り返り記事を挟み、土曜夜の『週刊ゆめの 増刊号』を一段格上げします。今号から少しずつ、新しい紙面を試していきますので、お付き合いください。
ミライ:
格上げって、自分で言うんですね。
天田:
先に言っておかないと、ただコーナーが増えただけに見えるでしょうが。
それから、完全版小説『遥かなる宙』、Kindleで発売中です!
サエコ:
今日は、ずいぶん大きく出ましたね。
天田:
「大々的に」と指示書へ書かれております。宇宙へ向かう技術の先にある、人の選択と、受け継がれるものを描いた完全版です。まだの方は、この機会にぜひお願いします。
ではアイさん、今週のラインナップをお願いします。
アイ:
それじゃ、今週のラインナップ、行ってみましょう。
8/10(月)
備えは必要よ――言葉を持たない知性 4Days/Day28/14(金)
遠き日の立体魔法|第1話 バレーボール|第一章 空に座標8/15(土)
業の循環――透明を分かつ眼:革命の歴史 Vol.25.3
天田:
今週の4Daysは「言葉を持たない知性」。キリンの算数から始まって、最後は犬の言葉をAIで表示する動物病院まで行きました。
ミライ:
でも、Day1からずっと「人間と同じことができたから賢い」にはしなかったんですよね。キリンが足し算の式を解いたとは言えない。でも、見えなくなった量の変化を追って、多い側を選ぶことはできた。
アイ:
Day2も同じです。カラスが人間のように未来を思い描いたとは断定できない。それでも、今は使えない道具や、翌朝に必要になる食べ物を先に選んだ。私たちに見えるのは、その行動です。
サエコ:
Day3では、仲間の死を前にした動物へ、「悲しみ」や「弔い」という言葉を置くのを少し待ちました。人間の言葉を置けば、分かりやすくなる。でも、分かりやすくした瞬間に消えるものもあるから。
天田:
で、Day4では、とうとうAIが犬のムギへ「いたい」「こわい」「ここに、いて」と言わせる。
ユウ:
あの言葉を見たとき、少し安心したんです。ムギが何を求めているのか、やっと分かったような気がしたから。
でも同時に、本当にムギの言葉なのかと思ってしまいました。私たちが聞きたかった言葉を、画面に言わせただけかもしれないって。
アイ:
ムギが人間の言葉を発したわけではありません。
身体の反応や行動をシステムが読み、そこから意味を推定し、人間の言葉へ変換した。三つの段階を経ています。画面に表示された言葉はムギを理解する手がかりですが、ムギの内側をそのまま写したものとは限りません。
サエコ:
モニターの言葉が消えたあと、残ったのは、相沢先生の手の下にあるムギの体温と重さでした。
言葉がなくても、二人は少しだけ近づいていたように思います。
天田:
これだ。今週、戻って読んでほしいのはここですな。
もし4Daysをまだ読んでいない方がいたら、Day4から入ってもいい。そこで一度ひっかかったあとにDay1へ戻ると、このシリーズが「動物はどこまで人間に似ているか」ではなく、「人間の言葉を使わずに知性をどう見るか」を追っていたことが分かります。
言葉がないから分からないと思っていた。でも、言葉にしたから分かったとも限らない。
ユウ:
木曜の『聖なる悪夢』では、「正義」という強い言葉が人間を動かしました。神に祝福された正義だと信じた瞬間、目の前の残酷さが見えなくなる。
サエコ:
土曜の『業の循環』では、汚れた泥に見えたものを捨てず、微生物が働く場所として見直しました。何と呼び、どう見るかで、同じものの役割が変わることがあります。
天田:
そして金曜の『遠き日の立体魔法』。高校二年生の愛子は、部員の感情をよく見ている。見えすぎるくらい見えている。
アイ:
でも、人の感情が見えることと、その人を分かることは同じではありません。愛子は、美里のトスを調整し続けます。高さか、速さか、位置か。けれど、ずれているものの正体は分からない。
ミライ:
4Daysの動物たちと、少し似ていますね。見える行動はある。でも、その内側へどんな言葉を置けばいいかは分からない。
天田:
動物の心へ勝手に名前を付ける一週間のあとで、今度は愛子が、同じ言葉を持つ部員たちを読もうとする。
サエコ:
『遠き日の立体魔法』を読む前に4Daysへ戻ってもいいし、愛子の第1話を読んだあとにDay4へ戻ってもいい。二つの記事の間に、少し違う線が見えると思います。
天田:
なるほどねぇ。
言葉は、見えないものを見えるようにする。でも、ときどき、見えた気にもさせてしまう。
今週の記事を並べて残ったのは、そんな危うさだったのかもしれません。
さて、新紙面?
天田:
ということで、メンバー限定エリアをリニューアルしましたので、そのご紹介です。
これまで第2部では、主にその週の気になったニュースを深掘りして、座談会をお送りしてきました。ええ、これは継続します。ただし、少しボリュームを下げる感じですね。
付録の年表まで含めると、今週は過去最大級のボリュームになってしまいましたが。
そして、新設の第3部。
編集部とアトリエから、天田、時枝、奏による「数字を見ながらグダグダ会議」を掲載します。実際のビュー数だの、スキ率だのを眺めて、三人でグダグダ言うだけの会議です。
実のところ、ゆめのがガタガタと小うるさく言ってくる内容を記事にして、我々編集部のストレスを発散……ゴホン。言い過ぎました。
気を取り直して、今週の第2部は!
ロシアは、なぜいま、択捉島へ大統領を降ろしたのか。
日本がどう反応することまで、計算しているのか。
相手の論理を理解することと、その主張を認めることは違います。
そして第3部!
「新連載……冴えないんだけど」
その感触は、本当に数字にも出ているのか。
一番開かれた記事が、一番届いた記事とは限りません。
それでは、行ってみるべよ!
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