言い訳の先にあるもの はじめに
「言い訳するな」
子どもの頃から、何度この言葉を聞いただろう。
仕事で失敗したときも、
「時間がなかったから」
「相手の返事が遅かったから」
「上司の指示が悪かったから」
「自分だけの責任じゃない」
そんな言葉が、つい口から出てしまう。
もちろん、
本当に自分だけの責任ではないこともある。
世の中には、
自分ではどうにもできないことがたくさんある。
だから、
何でも「自分が悪い」と考える必要はない。
では、「言い訳をしない」とは、
どういうことなのだろう。
自分を責め続けることだろうか。
失敗したら、
「全部、自分のせいだ」と思うことだろうか。
私は、そうではないと思う。
大切なのは、
「自分に変えられることはなかったか」
と考えることではないだろうか。
誰かのせいにして終わってしまえば、
自分は何も変わらない。
環境が悪い。
会社が悪い。
相手が悪い。
上司が悪い。
たとえ、それが本当だったとしても、
「だから自分には何もできない」
と思った瞬間、
自分の未来まで周りに預けてしまう。
反対に、
「確かに相手にも原因はある。
でも、自分には何ができたんだろう」
と考えてみる。
すると、ほんの少しだけ、
自分の手で動かせるものが見えてくる。
それが「自責」という考え方なのかもしれない。
自分を責めるのではなく、
自分の人生のハンドルを、自分の手に戻すこと。
この物語の主人公も、
最初から立派な人間ではありません。
失敗すれば言い訳をする。
誰かのせいにする。
「仕方なかった」と自分を納得させる。
そんな、ごく普通の会社員です。
けれど、ある出来事をきっかけに、
少しずつ考え方が変わっていきます。
言い訳したくなる自分を否定するのではなく、
その先にあるものを見つめるようになります。
もし今、
「自分ばかりが悪いことになっている」
「どうして自分だけ責められるんだ」
「もう、やってられない」
そんな気持ちを抱えている人がいたら、
この物語を読んでほしいと思います。
あなたが悪いとは限りません。
でも、
あなたに変えられるものが、
何か一つくらいあるかもしれない。
その一つを見つけるだけで、
明日は少し変わる。
この物語が、そのきっかけになればと思います。
次は
第一話 「俺のせいじゃない」
です。
谷中万世(やなかまんせい)
通称 やなまん
