Silent Journey 25
Silent Journey – Chapter 25: The Light of Forgetting ( 忘却の光 )

――せめてこの幻想のひと欠片だけは、ここでそっと輝いていてほしい。
光は、まばゆくもやさしかった。
Lyreliaがその中心に触れたとき、
なにもかもが静かにほどけはじめた。
森の音が消え、
空気の重さがやわらかくなり、
足元の感覚さえ遠のいていく。
「……なにも、こわくない」
そう思えたのは、
それが“失われる”ことではなく、“ゆるされる”ことのように感じたから。
名前。
過去。
記憶。
歩いてきた道のすべて。
それらがまるで、花びらのように舞い上がり、
光の中でひとつずつ、溶けていく。
「これが、忘却──?」
でもそれは悲しみではなかった。
涙も流れなかった。
代わりに、胸の中にぽつりと空いた“なにか”が、
やさしく温かく、光で満たされていくのを感じた。
「……また、ここから歩けるように」
Lyreliaは、そっと目を閉じた。
名前すら忘れても、心の奥には、なにかがちゃんと残っていた。
それは名前ではなかった。記憶でもなかった。
けれど、それはLyreliaそのものだった。
📖 次回; Chapter 26: 白の記憶 ( The Memory of White )
🚫 ご利用について
この作品と挿絵は、ここだけで静かに輝いていてほしいと願っています。
無断転載や画像の再配布はご遠慮ください。
🚫 Usage Notice
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Please do not repost or redistribute its images and story.
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