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マタイ受難曲で鳴く鶏🐓を探せ【2026/4/3(金)聖金曜日もしくは受難日🐔今日のバッハのカンタータ】

今日は受難日です。マタイ受難曲は1727年の今日の日のために書かれた曲です。

同じくキリストの受難を題材にしたヨハネ受難曲をつい先日取り上げました。オンドリの鳴き声が2つの曲で登場していましたね。

ヨハネ受難曲の第12c曲にある,ペテロが「イエスのことを知らない」と答えた後,"alsobald krähete der Hahn."(するとすぐ雄鶏が鳴いた)とエヴァンゲリストが歌う部分をもう一度見ておきましょう。丸で囲っている部分が雄鶏の鳴き声と思しき音型です。詳しい解説は上の過去記事を見てください。

"Er leugnete aber und sprach" (12c) from St John Passion

マタイ受難曲で,同じ場面を描き,ほぼ同じ歌詞が登場するのが第38c曲です。重要部分の歌詞は以下の通りです。

Evangelist:
Da hub er an sich zu verfluchen und zu schwören 彼は呪わしい言葉で誓った
Petrus:
Ich kenne des Menschen nicht.  「私はその男は知らない」
Evangelis:
Und alsbald krähete der Hahn.         するとすぐに雄鶏は鳴いた。
Da dachte Petrus an die Worte Jesu,  ペテロはイエスの言葉を思い出した。
Ehe der Hahn krähen wird,     雄鶏が鳴く前に、
wirst du mich dreimal verleugnen     お前は三度私のことを否定するだろう。

38c from St. Matthiew Passion
38c from Matthiew Passion

「するとすぐに雄鶏は鳴いた」の直後を見ると,4度跳躍の通奏低音のシンプルな音型が鳴き声になっているようです。通奏低音担当の方にうまく鳴き声に仕立てて欲しいところです。

イエスの"Ehe der Hahn krähen wird" (おんどりが鳴く前に)のセリフの,まさに"krähen"(鳴く)の音型はかなり特徴的な音型で引き伸ばしコケコッコになっています。一つの音節に多くの音符を割り当てて強調する表現手法をメリスマ(Melisma)と言います。このコケコッコの部分とその前後で十字架音型を作って罪を表現しているようにも見えます。

上の楽譜の最後の段で長〜いメリスマを作っている単語は"Und ging heraus und weinete bitterlich" (そして外に出て傷ましく泣いた)と歌う "weinete" (泣いた)の部分です。もう大泣きですね。

早速この演奏を聞いてみましょう。通奏低音のオルガニストが少しアルペジオにして鳴き声っぽくしている気がします。(偶然か?)

このシーンの次の曲は,ヨハネ受難曲では上述の記事で紹介した通り,ペテロがオンドリの鳴き声を聞くたびに「えらいことしてもうた〜」と罪の意識に苛まれる様子を描写歌詞のテノール(ペテロ)のアリアです。

一方,マタイ受難曲では有名な"Erbarme dich, mein Gott" (憐れみたまえ,我が神よ)です。こちらもテノール(ペテロ)のアリアですが,タイトルの通り神の慈悲に祈りすがるような歌詞になっています。最後にこの曲を聴きましょう。

コメントにも多数書き込みがありますが,渡邉さとみさんのヴァイオリンが素晴らしいです。

扉絵はレンブラントによる「聖ペテロの否認 」。アムステルダム国立美術館にあるそうです。

レンブラントによる「聖ペテロの否認 」

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