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洗礼の象徴は「4」/水が流れる音型【2026/5/31(日)今日のバッハのカンタータ💧三位一体の主日】

今日は聖なる三位一体を祝う日だそうです。バッハがライプツィヒで3年間にわたって毎週の(時には連日の)カンタータを作曲し始めた最初の日です。

今日のためのカンタータ4曲を以下の翻訳記事で紹介しています。

上の記事を見てみると,訳者(私)による楽器編成の情報を追記してあったので,1年かけて教会カンタータの楽器編成を一通り調査し終わったということになります。翻訳記事に追記しただけなので,全体像はさっぱり把握してませんが😅

もともとは,バッハの時代の"violoncello"がどのような楽器だったかに興味を持ったのがきっかけです。今日のカンタータ「おお、聖霊と水による洗礼よ」《O heilges Geist- und Wasserbad》BWV 165には謎の楽器"violoncello なんちゃら"が登場します。以下の文字です。心当たりの方はご一報ください。

さて,今日は(も)眠いので,少しだけBWV 165の1楽章の楽譜を見て寝ることにします。

ん? 1番下の段(下の楽譜)のContinuo (通奏低音)のところに  "Violoncello concordat"とありますね。これが正体不明だった文字?
"Violoncello concordat"の意味を調べたところ 「指定された音程(和音)に合わせて調弦されたチェロ」だそうです。ただ,どのような音程に合わせるのかのは自筆譜を見ても分かりませんでした。また,上の"violoncello なんちゃら"の謎の単語が"concordat"なのかは,やっぱりよく分かりません。

1st mov. from BWV 165

さて,1楽章はいきなり4声のフーガですね!? 三位一体の主日なので3拍子の3声かと思ったら,4拍子の4声で完全に読みを外されました。調べてみると「3」は三位一体の神を表す数字で,「4」は土・水・火・風(空気)で成り立つ世界(人間界)を表しているようです。BWV165はタイトル「おお、聖霊と水による洗礼よ」からわかるように洗礼をテーマにした曲なので、人間界を表しているのでしょう。1小節目は4音で4分音符から始まり,GからCまでの完全4度上がるという念の入りようです。

この四分音符から始まったテーマはなめらかに流れつつ,だんだんと短い音符が増えていきます。ヴァイオリンで表現する天の声が段々と,低音で表す地上まで降りてくるようにも感じられますが,このテーマの音型の意味を探るために歌詞を見てみましょう。ソプラノが上の楽譜の最後の小節で"O heilges…"「ああ,聖なる…」と入ってきます。次のページも少し見てみましょう。

歌詞は"Geist- und Wasserbad," 「魂(精霊)と水による洗礼よ」と続きます。この"Wasser"「水」のところの旋律が長〜くのびます滑らかな音形のテーマは水が流れる様子を表していることがわかります。長い音符が短い音符に変化していくのは,頭にかけた水が細かく分かれて流れていく様子を表しているのでしょう。(洗礼の時に水をどう使うか知らないので,私の妄想です)

この"Wasser"「水」のところでソプラノとヴァイオリンの音域が思いっきり重なっています。旋律が鎖のようにもつれるフィグール(音型)をカテナ(Catena, 鎖)と呼びます。ここでは洗礼による神と人間の結びつきを表現しているようです。さらに,1ページ目の4声による表現の意味を考えると,天から人間界にゆっくりと流れてくる救いのための水を地上にいる人間(ファゴット)が受け取る様子を表現しているのかもしれません。

いつもながら,バッハのカンタータの楽譜は少し見るだけでも推理小説のように楽しめます。(最初を見るだけて力尽きていることが多いですが)

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