星天のカグヤ│星天記録
とある星では、木にこどもが成る。
とはいえ、正式に言い直せば、こどもの種ができる、という意味である。
原初的なアダムとイブのような存在もいるが、木の管理者として生存している。
種がある程度大きくなると、木はフルフルと震える。
そして、力を振り絞って、種を宇宙中に撒き散らすのだ。
飛散した種は、それぞれの星に根付く。
機が熟すと、孵化する。
孵化したものは、初めて目に入ったもの、とりわけヒトガタの形をしたものに恋をする。
恋をし、そしてその星を破滅させる。その後、自身も滅びる。
それが、彼らの本能であり、生態なのである。
その事態を重く見た宇宙連邦は、彼らを滅ぼすことにした。
厄介な種を振りまく木をまず燃やした。そして、危険思想惑星にいた残りの者たちを、根絶やしにした。
轟々と燃える木は、最後に一つだけ、種を放つ。
放った種は、はるか遠く、何億光年も向こうの星にたどり着いた。
それがあのET590なのである。
(星天記録ノートより抜粋)
星天の裏事情
