サザンソウル「ガラパゴス進化論」
「サザンソウルって、結局どれも同じようなリズムじゃない?」 もし誰かにそう聞かれたら、私はこう答えるだろう。
「そう、その『似ていること』こそが、この巨大なムーブメントの鍵なんだ」と。
絶やされなかった「火」
かつてOtis ReddingやJohnnie Taylor、ZZ Hillといったレジェンドたちが耕した南部の土壌。
メジャーR&Bがキラキラしたデジタルな世界へ移り変わる中、その火を消さずに灯し続けたのは、Willie ClaytonやSir Charles Jonesといったベテランや中堅たちだった。
彼らが泥臭い「現場」を守り続けたからこそ、今の爆発がある。
R&B界、唯一の「地域性」というガラパゴス
音楽シーンを見渡してほしい。
Hip Hopの世界では、アトランタ、NY、LA、シカゴと、地域ごとに音も文化も明確に違う。
だがR&Bの世界で、これほどまでに地域に根ざし、独自の進化を遂げているのは、もはや「サザンソウル」だけではないだろうか。
メジャーの流行を完全に無視し、南部のコミュニティのためだけに進化を遂げたその姿は、まさに「ガラパゴス進化」。
そして今、その進化は若手たちの手によって、かつてないほど巨大なムーブメントへと膨れ上がっている。
「似ている曲」が作る、巨大な輪
現行のサザンソウルを掘れば掘るほど、新しいアーティストに出会う。
そして、驚くほど似たような曲やリズムが多いことに気づく。 だが、それは手抜きではない。
彼らは「皆で踊ること(ラインダンス)」を何よりも意識している。
同じリズム、同じテンポ。
それがあるからこそ、見ず知らずの他人が現場で一瞬にして一つの輪になれる。
似たような曲たちは、いわば巨大な祭りのための「共通言語」なのだ。
最後に勝つのは「声」の塊
しかし、サザンソウルはそこだけでは終わらない。 どれだけリズムが似ていても、一瞬で誰の曲かわかる「超越した個性」がある。
それが、歌であり、声だ。
似たような曲でムーブメントとしての土台(輪)を作り、その上に、代えのきかない個性の塊である「声」を乗せる。
この「標準化されたリズム」と「剥き出しの個性」の共存こそが、現行サザンソウルの正体。
掘れば掘るほど、新しい声に出会える。この宝探しのようなおもしろさは、一度ハマるともう抜け出せない。
AIには出せない魂
最近は時代の流れかAIアーティストがいる。
それはサザンソウルも同じだ。
Youtubeを見ているとMVの無い曲がいっぱいでてくる。
聴いてみると今どきのサザンソウルっぽい音と声。
悪くはない。
悪くはないが、熱さが足りない気がする。
おそらくAIだろう。
もし本物のアーティストだったら申し訳ないが、何かが足りない。
やはり声の魂が感じられて初めてサザンソウルなんだと思う。
魂=熱さ
これぞ先人たちが守り、進化を遂げたサザンソウル。
そして私が沼るサザンソウル。
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「このガラパゴス進化の延長線上で、今のサザンソウルを新たなジャンルとして捉え直す試みも書いています。よかったらこちらもどうぞ。
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