007 | 風に乗せて届けなおす【夜ふかしアトリエ】
前回(06|詰め込みすぎた森のキット)では、 ずきんちゃんが『はじめの一歩を応援するキット』を広場に出品したお話でした。
けれど、「優しさ」のつもりでたくさんのパーツを詰め込んだキットは、かえって相手の一歩を重くしてしまったのです。
大切な気づきを経て、ずきんちゃんは少し立ち止まり、風に乗せてもう一度、想いを届ける方法を探してみることにしました。
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数日後。 森の広場に再び現れた、ずきんちゃんのちいさな露店。 今日は前とは少し違う風景が広がっています。
【はじめの一歩を応援する、“問いカード”セット】
大きなキットボックスは姿を消し、代わりに小さなカード束が丁寧に並べられています。
「こんにちは。今日の“問いカード”は、これです。」
そう言って、ずきんちゃんはこぐまたちに1枚ずつカードを手渡す。
『あなたが最近、ちいさくうれしかったことは?』
『もしも森のどこかにひとつだけ家を建てるなら、どんな場所がいい?』
カードの問いはどれも軽やかで、だけど心にやさしく灯をともすような内容。モカとココは大喜びで、自分なりの答えを語り合いながら楽しそう。
「わたし、これならできる!」
「また別の問いもやってみたいな〜」
ずきんちゃんは、その声を聞きホッとした微笑みをこぼしました。
「きっとそれで、いいんだよね。
焦らなくても、形にしすぎなくても。」
あの日、自分が詰め込みすぎたことで相手の手が止まったこと。 その経験があったからこそ、“届けたい想い”のかたちを見つめ直すことができた。
そして今、その想いは風に乗って届きはじめている。
それは、
『やってみたい』という芽をそっと育てる、
小さなきっかけのひとしずく。
今日もまた、誰かが一歩を踏み出せるように。
森の風に乗せて、カードが届けられていく──。
©Chocodori / ©Yofukashi Atelier
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