「動画をつくることにしました」回復期⑱
好きな事その3
入院中にたくさん写真を撮っていたのには理由がありました。
この入院記を動画にまとめて、リハさんたちにプレゼントしたかったからです。
私は10年ほど前から動画を作るようになりました。最初の作品は、子どもの小学校の謝恩会で流すスライド。それから毎年のようにどこかから頼まれるようになり、ゆるくスキルを磨いてきました。
動画作成は、完全なるマルチタスクです。
写真ひとつとっても、
画像編集、保存場所、拡張子の変換、使用許可…。
音楽も同じように準備しながら、並行して動画編集を進めるのが私のスタイルでした。
でも今の私は、覚えられない・マルチタスクで真っ白になりがちという仕様。
やり方を変えなければなりません。
試行錯誤
そこで相談したのが担当のOT(作業療法士)。
実は彼女、元動画クリエイターという異色の経歴の持ち主でした。
「動画作成の基本は、まず台本を作ることですよ」
そう教えてもらいました。
音楽を聴いてブロックに分け、ブロックごとに必要な素材の数を見積もる――。
そのやり方は目からうろこでした。
もはやリハビリの枠を超えている気もしましたが、
これはリハさんへのプレゼント。内容は自分で作るしかありません。
動画編集を中途半端に始めると、どこまでやったか覚えられない。
だから構想をはっきりさせ、台本を作ってから一気に素材を配置。
そこから音楽に合わせて微調整していきます。
右手の失調はまだ残っていて、マウスポインターが思う場所に止まってくれません。
拡大して、根気よく一つずつ調整していると、1時間2時間はあっという間。
リハの時間には、OTさんが姿勢や手の使い方を見てくれました。
最初は右手の中指が緊張していたけれど、だんだん力をコントロールできるようになり、
左肩の痛みも感じなくなっていきました。
腰の痛みが出てしまったときは、PTに申し訳なくて…💦
それでも、こうして「好きなこと」を取り戻していく時間は、私にとって大切なリハビリでした。
そうして、みんなの協力をいただいて完成した動画は、その時その時の思いとみんなの愛情がたくさん詰まっていて、私の宝物になりました。
退院のとき、感謝の気持ちを込めてYouTubeのリンクを渡してきたので、みんな受け取ってくれているといいな。伝わったかな。
その動画が女子会の仲間にも評判になり、うち二人の動画も作ることになりました。
入院中に十分な素材を確保できなかったので完璧とは言えませんでしたが、それでも「一生の宝だよ」と喜んでくれました。
夢
こういうのって、いいなと思います。
つらいだけの入院生活にするよりも、あとで振り返ったときに「実りある日々だった」と思えるものを残すのって、とても大事。
このブログもそうですが、私は“記憶は上書きできる”と思っています。
たくさん泣いたし、絶望もしたけれど、それ以上に楽しくて、プライスレスな日々。
だから私は、その思いをたくさん覚えていたい。
もっと腕を磨いて、誰かのためにそんな動画を作れるようになりたい。
そう思って、退院後に本格的に動画の勉強を始めました。
まだまだ発展途上だけど、少しずつ形にしていきたいと思っています。
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