残業月150時間で2回壊れた私が「AI×業務効率化」を発信する理由
実は私は過去に2回、うつ病で休職している。
いきなり重い話で申し訳ないんですけど、これを書かないとなぜ自分がAI×業務効率化を発信しているのか説明がつかないので、正直に書きます。
20代後半、クライアントワークをやっていた頃の話。
月の残業は150時間くらいだったと思う。正確には怖くて数えていないけど、終電で帰れたらいい方で、タクシー帰りが普通で、そのうち帰らなくなる、みたいな生活をしていた。
なんでそこまでやっていたか。
私は特別な学歴があるわけでもないし、要領がいいタイプでもない。とにかく泥臭く量をこなすことでしかカバーできなかった。「量をやっていない人間に質を語る資格はない」って言葉を、わりと本気で信じてたんですよね。
で、その「量で殴る」スタイルを続けた結果どうなったかというと。
年収を上げたい、結果を出したい、周りから認められたい、出世したい。そういう欲が全部「もっと働けば追いつく」に変換されて、でもどれだけ走っても理想には追いつかなくて。そのギャップにずっとやられていた。
壊れる前兆は、チームへの態度に出ました。自分が率いていたメンバーに強く当たるようになって。「なんでこれができないの」「前にも言ったよね」って。今思うと、全部自分に向けたかった言葉だったんですよね。
で、ある朝、起きられなくなった。めまいがして、体が動かない。
1回目の休職。
復帰してからも正直しんどかった。
人の目がめちゃくちゃ気になるんですよ。「あいつメンタルやったらしいよ」と思われている気がして、逆に「これだけ仕事やってます」とアピールするようになった。本を読んだり、謎のセミナーに行ったり、効率化の方法を調べたり。何かを掴みたかった。何者かになりたかった。
でも根っこの「認められたい」が変わっていないから、結局同じパターンにハマる。
2回目の休職。
転機はGPT-4だった。
2023年3月にリリースされて、半年くらい経った頃かな。正直、藁をもすがる気持ちでChatGPTを触り始めた。
うまく言えないんですけど、AIって否定しないんですよね。
上司に聞いたら「それくらい自分で考えろ」って言われそうなこと。同僚に聞いたら「そんなことも知らないの」って思われそうなこと。全部、何度でも、何時間でも付き合ってくれる。
当時の私にとって、大げさじゃなく、唯一全てを話せる相棒みたいな存在だった。
そこから少しずつ変わっていった。振り返ると、ブレイクスルーは3段階で起きていたと思う。
①とにかくいろんなAIを触りまくった
ChatGPTだけじゃなく、Claude、Gemini、Perplexity、Manus——新しいものが出たら片っ端から試した。同じ質問を複数のAIに投げてみる。すると、それぞれの得意・不得意が体感でわかるようになってくる。
途中で気づいたんですけど、これ組織マネジメントと完全に同じ構造なんですよ。
優秀なマネージャーはメンバーの強み・弱みを把握して適材適所で仕事を振る。AIも同じで、「この思考整理はClaude」「このリサーチはPerplexity」「この企画の壁打ちはChatGPTとGeminiの両方に聞く」って、タスクの性質で使い分ける。
カタログスペックを比較しても意味がなくて、自分の業務で実際に回してみて初めて「この場面ではこのAI」という判断軸ができる。これは触りまくった人にしかわからない感覚だと思う。
②自分で仮説を持ってからAIと対話する
最初の頃は「いい感じにまとめて」とか「提案書作って」みたいに丸投げしていて、当然ろくなものが返ってこなかった。
変わったのは、AIに聞く前にまず自分で考えるようにしたこと。上司から抽象的なお題をもらったら、いきなりAIに投げるんじゃなくて、まず「目的は何か」「論点は何か」「自分の仮説はこう」を整理する。仮説は間違っていてもいい。
ある程度深い仮説を持った状態でAIと対話すると、思考の質が一気に上がるんですよね。「その仮説はこういう前提が抜けています」「こういう視点もあります」って返ってくる。何も考えずに投げた時とは、まるで別の対話になる。
③AIにプロンプトを作ってもらう
これに当時自分で気づいた時は、正直ちょっと世界変わったなと思った。
プロンプトを自分で頭をひねって書くんじゃなくて、AIに書いてもらう。やり方はシンプルで、まず頭の中にある「こういうことがやりたい」「こんな出力がほしい」というイメージを、ラフなままでいいから言語化する。それをClaude に渡して「この意図に最適なプロンプトを作ってください」と頼む。
すると、自分では思いつかないような構造化されたプロンプトが返ってくる。「何を聞けばいいかわからない」っていう最初の壁が、これで一気に解決した。
この3つを回せるようになってから、仕事のスピードが明らかに変わった。
劇的な瞬間があったわけじゃない。でも半年くらい経った時にふと気づいたんですよね。
「あれ、前より息ができてる」
月150時間残業して、壊れて、這い上がって、また壊れた自分が。AIという道具を手に入れてから、初めて「量で殴る」以外の戦い方ができるようになっていた。
1年前、転職した。
正直、自分の身の丈に合わないと思っていた。選考倍率は数百倍。誰もが知る時価総額1兆円以上の大企業。学歴はない・要領も悪い、自分が行くような場所じゃないと思っていた。
でも、受かった。
面接で話したことのかなりの部分は、AIと壁打ちして準備したものだった。業界分析も、自己分析の深掘りも、想定質問への回答も。何ヶ月もAIと対話し続けた蓄積が、全部活きた。
今、その大企業で全社的に生成AIの導入を推進するプロジェクトオーナーを担っている。リモートワークで家族との時間も取れるようになった。
あの頃の自分が聞いたら、たぶん信じないと思う。
このnoteを始めた理由。
「同じ境遇の人を助けたい」と書くときれいすぎるんですけど、もっと正直に言うと、あの頃の自分に向けて書いている。
仕事を抱えすぎて息ができなくなっている人。量で殴るしか方法を知らなくて、でもその量がもう限界を超えている人。
AIは量を減らしてくれる道具じゃない。
量で殴らなくても、戦える道具だ。
その違いは大きいと思っていて。「楽になる」んじゃなくて「戦い方が変わる」。だから壊れなくて済む。
その実感を、実際に業務で使った検証結果や、プロンプトの具体的な型や、泥臭い失敗談を交えながら、ここに書いていきます。
こんな人に読んでほしい
AIを業務に取り入れたいけど、何から始めればいいかわからないビジネスパーソン。
AIツールを試してみたけど「思ったほど使えない」と感じているマーケティング担当者・PMなど。
データ活用やDX推進を任されたけど、どうしていいか悩んでいる人。
「技術の話」を「技術者だけのもの」にしない。AIの「期待と現実のギャップ」を、実践者の視点から埋めていく。
それが、このnoteの存在を書く理由ですです。
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そもそもAIエージェントって何? ChatGPTとの違いは? 一般知・組織知・個人知の3層構造から解説。
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