閉店後、やっと自分に戻れるひとりご飯🍚
閉店後の店内は、さっきまでの慌ただしさが嘘のように静かになる。
忙しい日は決まって、短時間にお客さんが一気に入ってくる。
あれは流れじゃなくて、波みたいなものだ。
ホールは一人。
席に案内してお水を出す間に、次のお客さんがやってくる。
数秒後にはさらに二組、いや三組。
満席の場合は名前を書いて待ってもらうこともしばしばだ。
お水を出す前に注文をする人、なかなか決まらずに
料理を運ぶ最中に呼び止める人、
会計をしている間に料理が出来上がることもある。
片付けが終わらないうちに、また新しいお客さんが入ってくる。
お水のおかわりで呼ばれ、常連さんにはサービスでコーヒーを出す。
気づけばずっと動き続けていて、思わず「よくやっ
てるな」と、どこか他人事のように思う瞬間もある。
一人ホールは、段取りじゃなくて判断力なんだと思う。
そんな一日が終わったあと、やっと座って食べる賄いは、私のひとりご飯だ。
忙しかった日は、材料もほとんど残っていない。
賄いはシンプルなものになる。
豪華でもないし、特別でもない。
それでも、最初の一口を口にした瞬間、
ずっと後回しにしていた“自分”に、やっと戻れた気がする。
誰かと話すわけでもなく、ただ黙って食べているだけなのに、
不思議と心が満たされていく。
忙しさの中では、自分のことは後回しで、気づけば
ずっと誰かのために動いている。
だからこそ、この時間だけは、ようやく自分に戻れる。
シンプルな賄いでも、十分すぎるくらいありがたいと思えるのは、
きっとその一日をやりきった証拠だ。
特別な料理じゃなくてもいい。
たった一人で、静かに食べるこの時間が、
私の心をちゃんと満たしてくれる。
明日もまた忙しくなるかもしれない。
それでも、このひとりご飯があるから、また頑張れる。
🍎人見知りなのに、なぜか接客の仕事は嫌いじゃなかった。人と関わるのが得意じゃない私が、接客の仕事を続けてきて気づいたことを書いています。「人見知り=人が苦手」ではなかったのかもしれません。
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