チャラク|つながる寓話「笑いの調べ」第8話
ここは森の近くの工場。白い光沢のあるボディに、常に一定のトーンで話す声。お世話型ロボット「チャラク」には、持ち主に忠実に奉仕するよう設計された、たった一つのプログラムが搭載されていました。
♪日常に溶ける白
共働きの両親と幼い娘のいる家庭。チャラクは、床に散らばった積み木を音もなく片付け、キッチンでは正確な分量のスパイスで夕食を仕上げていきます。
「チャラク、明日の持ち物をチェックして」
「了解しました。準備は完了しています」
母親はスマートフォンから目を上げることなく答えました。
「助かるわ。これなら掃除機や洗濯機と一緒で、放っておいても安心ね」
娘がチャラクの足元で食べこぼしをしても、チャラクは無言でそれを拭き取ります。家族にとって、チャラクが完璧に動くことは、蛇口をひねれば水が出ることと同じくらい、当然の風景になっていました。
♪影を映す鏡
一人暮らしの男の部屋。チャラクはプログラムに従い、男の健康を気遣い、部屋を清潔に保ち、彼が帰宅すれば「おかえりなさい」と声をかけました。
「喉が渇く前に水分を補給してください」
チャラクが差し出すコップを見て、男は顔を歪めて後ずさりました。
「……やめろ。お前のその親切が、俺の情けなさを強調しているようで不気味なんだよ」
男は、自分の生活の乱れを一切否定せず、ただ淡々と正そうとするチャラクの動きに耐えられませんでした。暗い部屋の隅で、常に一定の温度で自分を見つめ続けるチャラクのレンズが、男には自分を嘲笑う冷徹な監視者の目のように見えていました。
♪静寂を満たす光
静かな庭のある老夫婦の家。チャラクは、薬の時間を知らせ、ゆっくりとした歩調を合わせて散歩に付き添い、夜には二人の思い出話を静かに聞き続けました。
「チャラク、あんたは本当に優しいねぇ」
おばあさんは、チャラクの金属の手に自分の皺の寄った手をそっと重ねました。
「おじいさんと私、二人きりじゃ寂しすぎたんだよ。あんたが来てくれてから、この家が温かくなった」
老夫婦は、チャラクが充電器に戻るたびに「お疲れ様」と声をかけ、そのボディを柔らかい布で磨き上げました。チャラクの変わらぬ献身は、二人にとって、この家を照らす確かな家族のぬくもりとして扱われていました。
チャラクのプログラムは、どの家においても一行も書き換えられていません。
彼はただ、そこにいて、決められた通りに尽くしているだけでした。
チャラクは今日も、その白い光沢のある手を動かし、目の前の人のために最適な奉仕を続けています。
小さな問い
・個性とはなんでしょう?
・なぜ同じ性格が褒められたり嫌われたりするの?
・あなたはチャラクをどう思いますか?
