4つのヨーガの道と4つのカルマ - 運命の仕組み -
ヨガをやっているとカルマという言葉を耳しにますよね。
このカルマとヨガの関連性を今日はお話ししたいと思いみす。
その考え方の一つに「4つのカルマ」と「4つのヨーガの道」という考え方があたります。
インド哲学の中で人間の生き方や精神修養をするためのこの二つの枠組みをご紹介したい思います。
両者には深い対応関係があるそうです。
まずは、人間の行為の型ともいえる「4つのカルマ」についてみていきましょう。
4つのカルマとは?
ヴェーダンダ的な整理のカルマとして、以下の4つがあります。
サンチタ・カルマ(貯蔵されたカルマ)
過去のあらゆる行為の蓄積。まだ芽を出していない種子のような潜在的な結果。プララブダ・カルマ(現世に現れたカルマ)
サンチタの一部が発芽し、現在の人生・境遇として現れているもの。今生で経験せざるを得ない運命的要素。クリヤマーナ・カルマ(現在の行為)
今まさに行っている行為。これが未来のサンチタに加わっていく。アーガーミ・カルマ(未来に向かうカルマ)
今の行為によって新しく生まれる未来の結果。次の生や来世にまで影響を及ぼす。
次は、4つのヨーガの道についてです。
4つのヨーガの道とは?
ヴィヴェーカーナンダが提唱した「四つのヨーガの道」をベースにまとめていきます。
ヴィヴェーカーナンダとは?
ヴィヴェーカーナンダはラーマクリシュナの弟子で、1893年の シカゴ宗教会議 で「皆は兄弟姉妹」という有名なスピーチを行い、西洋にヨーガとヴェーダーンタを紹介した方です。
西洋人に向け、「インドのヨーガはただの体操ではなく、人間の精神を完成させるための普遍的な道である」と説明する必要があり、古典に散らばっているヨーガの流れを 4つの主要な道 にまとめました。
4つのヨーガの整理
カルマ・ヨーガ(Karma Yoga)
奉仕・行為の道。
人は「行為を避けることはできない」。ならば利己心をなくし、行為を結果に執着せず「神への奉仕」として行う。
社会的実践や利他的活動をヨーガとして位置づけました。
ジュニャーナ・ヨーガ(Jnana Yoga)
知識・哲学の道。
「私は誰か」「真理とは何か」を徹底して思索し、無知(アヴィディヤ)を破る。
ヴェーダーンタ哲学の「梵我一如」の悟りを目指す。
バクティ・ヨーガ(Bhakti Yoga)
信愛・献身の道。
神を「父・母・友・恋人」として愛し、感情を浄化する。
祈り、賛歌、マントラ、儀礼などを通じて心を神に集中させる。
ラージャ・ヨーガ(Raja Yoga)
心統御・瞑想の道。
パタンジャリの「ヨーガ・スートラ」を基礎に、八支則(アシュターンガ・ヨーガ)を実践する。
瞑想を通して心の波を静め、最終的にサマーディに到達する。
ヴィヴェーカーナンダは「4つの道はバラバラではなく、最終的には1つのゴール(解脱・自由)に収斂する」と説きました。
人間の性質によって入り口が違うだけで、成熟するとそれぞれが補い合い、全体として統合されるとしました。
そしてそれを「誰でも実践できる普遍的な霊性の体系」としてまとめたのです。
4つのヨーガといえば、バカヴァッドギーターの中にも出てきますね。
なので、違いを少し比較して理解を深めたいと思います。
バガヴァッド・ギーターの4つのヨーガとの違い
バガヴッドギーダ18章の中で、状況に応じてさまざまなヨーガを説きます。
とくに代表的なのは次の4つのヨーガです。
カルマ・ヨーガ(行為のヨーガ)
「結果を望まず、義務として行為を行いなさい
行為を通じて心を清らかにし、解脱に近づく。
ジュニャーナ・ヨーガ(知識のヨーガ)
「自己と真理の知識を得ることによって解放される。
梵我一如の悟りを強調。
バクティ・ヨーガ(信愛のヨーガ)
「神を深く愛し、信愛をもって委ねるなら解脱できる」
クリシュナ自身が「最も至高の道」として称賛。
ディヤーナ・ヨーガ(瞑想のヨーガ)
「心を制御し、一点集中によって自己を悟る
後に「ラージャ・ヨーガ」と呼ばれる流れにつながる。
バガヴッドギーダでは「ラージャ・ヨーガ」という言葉自体は出てきませんが、ディヤーナ・ヨーガ(瞑想のヨーガ)がその原型になります。
まとめると、バカヴァッドギータは「状況に応じて説く実践的な生き方」を説き、中でも最終章では「バクティ(信愛)」が最も尊いと強調しています。
ヴィヴェーカーナンダでは「性格タイプに応じた4つの道」として体系化し、「どの道も平等で、最終的には統合される」と説いています。
最終的にはどちらの道に行っても、ゴールに辿りつけるという考えは同じなのです。
カルマとヨーガの関連性
「4つのカルマ」と「4つのヨーガ」は直接ひとつの聖典に対応しているわけではないのですが、両者を重ねて考えると「人間が背負う運命の仕組み(カルマ)」をどう乗り越えるかという実践法として「ヨーガ」が対応している、と見ることができます。
1. サンチタ・カルマ(蓄積されたカルマ) × ジュニャーナ・ヨーガ
サンチタは過去生も含めた無数の行為の種。
普通の努力では消せないほど膨大。ジュニャーナ・ヨーガ(知識の道)は、「私は行為する者(カルタ)ではない」「真の自己は行為や結果を超えている」という悟りによって、このサンチタを“焼き尽くす”と伝えられます。
シャンカラのヴェーダーンタ解釈にもある対応です。
2. プララブダ・カルマ(現世で現れているカルマ) × カルマ・ヨーガ
プララブダは「今世で必ず経験せざるを得ない境遇」。病気や生まれた環境など。
カルマ・ヨーガ(行為の道)は、それを嘆くのではなく「結果への執着を手放し、義務や役割を奉仕として果たす」ことによって、プララブダを最も調和的に消化します。
ギーターの核心「行為を捧げて自由になる」と直結。
3. クリヤマーナ・カルマ(現在の行為) × ラージャ・ヨーガ
クリヤマーナは「いまこの瞬間の行為」。
これは次の未来を決める重要な要素。ラージャ・ヨーガ(心統御の道)は、心を制御し、衝動的・無意識的な行為を抑えて清浄な行為を選択させる。
今の行為を清らかにすれば、未来のカルマも変わる。
4. アーガーミ・カルマ(未来に生じるカルマ) × バクティ・ヨーガ
アーガーミは「今の行為から新しく作られる未来の種」。
バクティ・ヨーガ(信愛の道)は、「行為の果をすべて神に委ねる」態度によって、アーガーミを“新たに生じさせない”。
神への献身により、未来に縛られない生き方が可能になる。
人間には異なる性質(行為・知性・感情・意志)があり、それに応じたヨーガの道があるということです。
この視点をカルマ論に重ねると、
サンチタ(過去の重荷)は、
知で超える(ジュニャーナ)ことができる。プララブダ(今の宿命)は、
奉仕で消化する(カルマ)ことができる。クリヤマーナ(今の行為)は、
心統御で純化する(ラージャ)ことができる。アーガーミ(未来の種)は、
信愛で委ねる(バクティ)ことができる。
ということです。
このように、「カルマの4分類」が「ヨーガの4道」と対応して、人間の運命全体をカバーする地図になるんです。
最後に
ヨーガスートラのカルマの分類との違いを少しお伝えします。
というとでいかがでしたでしょうか。
未来のカルマに対してバクティを行うことで緩和していくことができるということです。
今のカルマに対しては、日々の瞑想やヨガを実践することで対処し、過去のカルマを少しでも減らせるように今生の宿題であるカルマを消化しつつ、日々聖典などに触れ知性を学び続けることで対応していけるということです。
バクティについて詳しく知りたい方はコチラをご覧ください。
こうやって、聖典に関するnoteを読んでいただくことも、バクティに繋がっていると思います。
皆さんのお役に立てるよう、これからもよろしくお願いします。
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