【開催レポ】CVC運用データを言語化。満期10年目の突破法とは?
こんにちは、 COLLIZE 広報の宮澤です。
COLLIZE は、大企業とスタートアップの境界線で「新しい事業を創る」プロフェッショナル集団です。その主要事業の一つとして、大企業の事業開発や投資活動を一気通貫で支援する「CVC Studio 事業」を展開しています。
先日、大企業の CVC ・新規事業担当者の皆さまをお招きし、CVC 運用の本質に迫るクローズドな勉強会「CVCのモヤモヤデータをみながら言語化する会」を開催いたしました。
2016年頃から急増した日本の CVC ですが、今までに多くの企業が「ファンドの10年満期」という大きな節目を迎えつつあります。
本来は参加者しか得られない非公開の講義内容ですが、このレポートを読んでくださっている皆さまにだけ、大企業が直面する「CVC 運用のリアルと構造的課題」のエッセンスをこっそり一部だけ公開いたします。
なぜ CVC は満期直前に「成果」を激しく追求されてしまうのか?
講師を務めたのは、CVC ファンドの立ち上げや大型 M&A など、大企業側から数々のオープンイノベーションを主導してきた当社 CVC Studio 事業のリードを務める川村です。
日本の CVC の8割以上が2016年以降に設立されており、これから続々と10年の満期を迎えます。
しかし、立ち上げ当初は「年間何件投資するか」といった入り口の指標ばかりが注目され、出口(イグジット)戦略や本体へのシナジー貢献の定義が明確にされないまま運用されてきたケースが少なくありません。
その結果、途中で担当者の人事異動が挟まることで「爆弾の渡し合い」のような状態になり、満期を迎えたタイミングで最後の担当者が上層部から「何も成果が出ていないじゃないか」と詰められて苦しむ——川村は自身が立ち上げた経験や、数々の現場で見てきたこの構造的課題を指摘しました。
こうした構造的な行き詰まりを回避し、CVCを「経営の真の武器」へ昇華させるための実践的なアプローチが提示されました。

当日の主要アジェンダ:CVC 活動を再定義する4つの問い
当日は単なる座学にとどまらず、実際の数値データや構造パターンを紐解きながら、以下のアジェンダに沿ってリアルなセッションが繰り広げられました。
1. 財務リターン「2倍」の現実味
一般的な VC 水準やハードルレート(資本コスト/ WACC)から見ると「2.2倍」が求められるが、過去10年の国内スタートアップで IPO ・ M&A に至るのは約8%。
年間1〜2件程度の投資規模で財務リターン2倍(ユニコーン級)を引き当てるのは現実的に極めて難しく、財務リターンだけに頼る運用の限界を解説。
2. 戦略リターンをどう「定量化・可視化」するか
財務リターンだけで説明がつかない分、本体の既存事業へのシナジー(売上増・コスト削減)や将来の新規事業創出を、ハードルレート(8%)や PER 等の指標を用いて経営陣に説明可能な形へ落とし込むロジック。
3. ファンド型 vs 非ファンド型(スキームごとのリアル)
グループ内 GP 、2人組合、投資子会社、本体直接投資などのメリット・デメリット。
投資子会社型は投資件数が増えるほど運営コストや管理が重くなり(10件を超えると苦しくなる)、一方で2人組合型や本体投資を組み合わせるハイブリッド運用の有効性を整理。
4. CVC の「組織上の立ち位置」とコンフリクト
なぜ新規事業部配下の CVC は、自社のゼロイチ事業とバッティング(「なぜ外部のスタートアップと組むのか」という反発)して苦しむのか?
経営陣や経営企画に近いポジションで、インオーガニック(M&A / 提携)を含めて動かす方が機能しやすい理由。

参加者の声:既存事業部との「シナジーと成果配分」の生々しいリアル
講義後の質疑応答の時間では、参加者の皆さまから大企業側ならではの生々しい質問が寄せられました。
特に盛り上がったのが、「スタートアップと既存事業部が協業して成果(売上・利益)が出た際、その貢献度をどう測り、どう評価として整理すべきか」という課題感です。
これに対し川村は、協業で生み出される成果の整理ロジックとして、以下の2つのアプローチを明かしました。
スタートアップの製品を自社顧客に展開・販路提供することで、自社の売上・手数料(レベニューシェア等)として計上する切り口
大企業側が持つアセットや販路を投下してスタートアップの成長を加速させ、結果として得られる企業価値向上(バリュー向上)や含み益への貢献分として整理する切り口
自社の事業部を巻き込むインセンティブ設計や、経営陣へ説明可能な成果整理の考え方について、当日は参加者との間で具体的な議論が交わされました。
参加者からは「定性と定量の両面から整理されていて、学びが多かった」といった声が上がり、講義後の質疑応答や意見交換も時間を忘れて盛り上がる、熱量の高い勉強会となりました。
COLLIZE CVC Studio では、大企業の事業開発・投資支援を行っています
CVC は単なる「情報収集の観光客(ツーリスト)」であってはなりません。全社経営戦略と連動し、社内にナレッジとイノベーター人材を残す「経営の武器」にしていく必要があります。
COLLIZE CVC Studio では、 CVC の立ち上げ・見直しから、スタートアップとの共同事業化(ハンズオン支援)、 M&A などのインオーガニック戦略まで、大企業とスタートアップ双方の現場を知り尽くしたメンバーが一気通貫で伴走・支援しています。
「自社の CVC 活動が行き詰まっている」「投資先との具体的なシナジー(戦略リターン)が生み出せていない」とお悩みの新規事業・ CVC 担当者の皆さま、ぜひお気軽に COLLIZE までご相談ください。
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