英語で苦労しなくていい。日本にいながら「気づいたらできてた」と笑う子に育った12年の記録。
SNSを見ていると、海外で子育てをする親御さんたちの切実な声をよく目にします。
「うちの子がバイリンガルなのは、帰国子女だからじゃありません!血の滲むような努力の結果です!」
「海外に住めば簡単に喋れるようになるなんて、絶対に思わないでほしい」
その言葉の裏にある、想像を絶するご苦労に、私は心から敬意を表します。
異国の地で、文化や人種の壁にぶつかり、時にアイデンティティを揺るがされるような思いをしながら言葉を習得していく過程は、間違いなく子供たちを強く、逞しく育てると思う。
その苦労があったからこそ得られる強靭なメンタリティや多文化理解、高い英語力は、何にも代え難い強みとなってその子たちの未来を支えるはず。
でも、親としては、そばで見守って支えるのは本当に大変だろうな…と思うんですよね。
どれほど胸が痛かったか。
どれほど心配だったか。
我が子が人知れず耐え、努力して、生き抜いた日々。
その代償があってこその結果を
「楽してバイリンガルになれていいな〜」
みたいな言い方されたら、そりゃあ反論したくなるよね。。。
海外で子育てをしたことのない私なんかには到底わからないってわかってる。
けど、なんかちょっと、その気持ちわかる気がするな。。。
なんて考えていた時、ふと思ったんです。
「日本で、日本人として暮らしながらバイリンガルになる道」には、
それとは全く別の、とても贅沢な価値があるのでは? と。
先日、SNSでの「海外組の苦労」の話を見て、
12年間おうち英語で育ち、
今では映画も分厚い洋書も英語のまま楽しむ
12歳と9歳の娘たちに直接聞いてみました。
「ねえ、君たちって英語で苦労したことあったっけ?」
すると、娘たちは笑ってこう答えました。
「苦労? いやいや、英語はいつのまにか分かってただけなんで!」
「私たちは何も苦労とかしてないよね〜!」
「たまたまこういう家に生まれてラッキーだっただけだよ」
「…やっぱりそうだよね?!」
「うん、だから楽した分は、他のことを頑張るね!」
そんな会話をして笑い合いながら、私は一つの確信を得ました。
英語習得や英語教育が語られる場面において、
「所詮、英語はただのツール」と言われがち。
それはある意味では合っていて、ある意味では間違っていると思う。
私がこの12年のおうち英語を通して強く感じるのは、
言語にはその言語特有の「性格」や「文化」が染み込んでる、ってこと。
新たな言語を取り入れるということは、その言語が持つ性格や文化も、自ずと取り入れるということになる。
それはまるで、「新しいOS」をインストールすることと同じ。
実際に3人をバイリンガルに育ててみて、幼児期から複数の言語があることで、その言語が子どもの「価値観」や「感覚」に与える影響はこちらが思ってるよりもずっと大きい、と感じています。
子どもが海外でバイリンガルになる過程では、
既存のOSから新OSへと強制的な切り替えが必要だったり、
アウェーな環境で自分を証明し続けたりする「戦い」や「痛み」を伴うことが多い。
それはなぜか。
海外生活における英語は「教育」でも「娯楽」でもない。
「生存戦略としての英語」だからなんですよね。
けれど、日本でのおうち英語は、その戦いや痛みとは無縁でいられる。
安心できる「日本」というホームの中で、アイデンティティの危機を感じることも、偏見と戦うこともなく、ただ純粋に「言語の果実」だけをじっくり育てて収穫できる。
脅かされるもののない「無風状態」の中で、のびのびと英語のある生活を送りながら、英語という言語がもたらす文化や価値観を、無理なく「日本人の自分」と融合させて行くことができる。
これは、もしかして、
ある意味で究極に恵まれた環境なのでは・・・?
『苦しみや痛みを伴わないバイリンガル教育』がおうち英語によって日本国内で成立する、ということは、もっと評価されるべき「おうち英語の大きなメリット」なのかもしれません。
・・・とはいえ、
子供たちに「苦労なんて一つもしてない」と笑って言わせるに至るまでには、私なりに考えてやってきた「親としての戦略」と、ある種の「哲学」がありました。
ここから先では、次の3つについて書いています。
ひとつ目は、子どもに「苦労した記憶がない」と言わせるために私が12年間、裏で徹底してきた具体的な方法。
ふたつ目は、中学生になった長女に今だから伝えている「おうち英語の最終章」の話。
みっつ目は、英語の苦労をスキップした子どもたちが今、その余白の時間を使ってどんな景色を見ているか、という話です。
2024年に出版した『一生モノの英語力の作り方』には書けなかった、
我が子が中学生になった今だから語れる内容です。
なんなの、その話! 聞かせてよ〜!!
って思ってくださる方だけ、お進みください。
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