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エルフは川へ、ドワーフは山へ。水の音で動き出す村《シロクマ文芸部》 | ショートショート #02

※よければ音楽を聴きながら、本編をお読みください。


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水の音が、ハイランド奥地の村に静かに響き渡る。

村に住む人間やエルフ、ドワーフたちが、にわかに動き始める。

この村にある「Well of Calling(召命しょうめいの泉)」からは、毎日決まった時間に、このように水の音が流れ始めるのだった。

それは日々、そして種族ごとに、異なる水の音に聞こえた。


「ぽとり、ぽとり」と水滴が石を打つ音を聞いた人間たちは、ナイフを持ち出し、研ぎ始めた。


「さらさら」という細い水の流れを聞いたエルフたちは、静かに川に向かって移動を始めた。


「ごうごう」という滝の音を聞いたドワーフたちは、斧を持って山へ入った。


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夜になると、村の人間、エルフ、ドワーフたちが一堂に会した。

皆が席につくと、長老が前に立ち、高々と盃をかかげる。

召命しょうめいの泉による采配と、それによってもたらされた村の平和に―― To Well of Calling!」

村の者たちも盃をかかげ、声を揃えて高らかに言う。

「To Well of Calling!」

この村で、毎晩行われる儀式である。

そして皆は、テーブルの上にある食事を食べ始めた。

部屋の壁には、一枚の羊皮紙が貼られている。


【炊事当番表】

召命しょうめいの泉の令(水の音)に従い、各々速やかにその務めを果たすこと。

・ぽとり、ぽとり:調理・皿洗い
・さらさら:魚を獲る
・ごうごう:獣を狩り、木の実・きのこを採る


※サボり、無許可の役割交代は禁止。
※違反者は三日間、共同便所の清掃。


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おはようございます。

ファンタジーの設定にはまったく明るくない、ぽていとぽたあとです。
序盤から不自然だったらすみません。

前回の記事で紹介した『Echos of the Highlands』というアルバムに、ショートショートを掛け合わせるという荒技に挑戦してみました。

村を守るための厳かな風習?かと思いきや、人種間でケンカしないための炊事当番だった、というオチのつもりです。

コミュニティにおける役割分担や決め事は、大切ですよね。

以下のお題に参加しました。

  • お題:「水の音」からはじめるnote


冒頭で紹介した『Across Alba』を含む全10曲を収録した、『Echos of the Highlands』というアルバムのSpotifyリンクも掲載しておきます。

よければ聴いてみてくださいね。

※Apple MusicやAmazon Musicをはじめ、各種プラットフォームで配信中。


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