投資判断の処方箋①:他人の言葉を、自分の言葉で言いなおせるか
「この銘柄、良さそうなんですけど、どう思いますか」
投資の話をしていると、こういう聞かれ方をすることがあります。
「株探で人気だったんです」
「SNSで見かけました」
「業績も良さそうなんですよね」
きっかけとしては、よく分かります。
自分では気づかなかった銘柄を知ることもあります。
見るべき材料を教えてもらうこともあります。
ただ、この質問には二つの問いが混ざっています。
その銘柄を、自分の基準で評価できるのか。
そして、今、自分が買ってよいのか。
ここで戻るべきなのは、他人の評価ではありません。
自分の基準です。
自分の基準で評価できているなら、自分の言葉で説明できるはずです。
他人の言葉を、自分の言葉で言いなおせないなら、まだ自分の判断にはなっていません。
他人の評価を、そのまま持たない
人が良いと言っている銘柄を見ると、気になります。
自分だけが気づいていないのではないか。
今のうちに見ておいた方がよいのではないか。
乗り遅れるのではないか。
そう感じることはあります。
特に、株価が動いていたり、ランキングに出ていたりすると、なおさらです。
ただ、そこで焦ってはいけません。
身もふたもない言い方をすれば、
自分で評価できない銘柄は、買うべきではありません。
それは厳しいようですが、かなり大事な線引きです。
他人の意見を参考にすること自体は、悪くありません。
問題は、他人の評価を自分の評価に変えないまま、資金を置いてしまうことです。
「良さそう」を分解する
「良さそう」と思ったなら、まず分解する必要があります。
何が良さそうなのか。
業績なのか。
成長性なのか。
割安さなのか。
配当なのか。
チャートなのか。
材料なのか。
市場からの評価不足なのか。
ここを自分の言葉で言えないなら、まだ判断の入口に立っただけです。
自分の言葉で言いなおすとは、単に説明を言い換えることではありません。
自分の基準に照らして、何を評価しているのかを言える状態にすることです。
「この人が良いと言っていた」
「株探で人気だった」
「なんとなく強そうだった」
これでは、自分の判断にはなっていません。
他人の言葉を借りている状態です。
自分の基準で評価し、自分の言葉で言いなおせて初めて、検討対象になります。
「良さそう」から、「すぐ買う」に飛ばない
仮に、自分の言葉で理由を言えたとします。
それでも、すぐに買ってよいとは限りません。
ここで次の問いが出てきます。
今の価格で買ってよいのか。
どこまで下がれば買えるのか。
どの程度の資金を置くのか。
何が崩れたら見直すのか。
どこまで来たら売るのか。
つまり、銘柄の評価と、買う判断は別です。
良さそうな銘柄を見つけた。
だから買う。
この間には、本来もう一段あります。
自分の基準で評価できるか。
そのうえで、買う条件が整っているか。
この順番を飛ばすと、他人の評価に引っ張られた判断になります。
迷ったら、自分の言葉に戻す
最後に判断するのは、自分です。
だから、他人の言葉をそのまま持っていてはいけません。
なぜ、この銘柄が気になったのか。
何を見て、良いと思ったのか。
その良さを、自分の基準で説明できるのか。
ここまで言えないなら、まだ買う段階ではありません。
他人の言葉で迷ったら、自分の言葉に戻す。
他人の言葉は、判断の入口にはなります。
でも、自分の言葉に直せないなら、それはまだ自分の判断ではありません。
その銘柄は、まだ「自分で判断できる銘柄」ではないのです。
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今回の話は、次の記事ともつながっています。
・判断フレーム③:その銘柄を候補に入れた理由を、自分の言葉で言えるか
・判断フレーム①:「良い銘柄」と「今買う銘柄」は別である
