私がITの保守より得意なのは、一緒に考えることかもしれない
伊豆在住のITリアリスト、佐藤大偉@D-pointです。
私は長いこと、ITの仕事をしています。
パソコンの設定をしたり。
ネットワークを作ったり。
サーバーやクラウドを扱ったり。
トラブル対応をしたり。
いわゆる「ITの保守」と呼ばれる仕事も、かなり長くやってきました。
もちろん、今も大事な仕事です。
でも最近、
自分が本当に得意なのは、保守そのものではないのかもしれない。
そんなことを考えるようになりました。
たぶん私は、
一緒に考えること
の方が得意です。
答えを持って行く仕事ではない
ITの仕事というと、
詳しい人が答えを知っていて、
それをお客様に教える。
そんなイメージを持たれることがあります。
もちろん、そういう場面もあります。
でも実際の相談は、
そんなに単純ではありません。
「このソフトを入れたい」
「AIを使いたい」
「クラウドにしたい」
「今のシステムを何とかしたい」
そういう相談を受けても、
最初から答えが決まっているわけではありません。
むしろ、
その言葉の奥にあるものを探すところから始まります。
なぜ、それをやりたいのか。
今、何に困っているのか。
誰が困っているのか。
どこまで変えたいのか。
今のやり方の何を残したいのか。
そこを一緒に考えていきます。
最初の相談内容と、最後の答えが違うこともある
話を聞いていくと、
最初に出てきた相談と、
最後にたどり着く答えが違うことがあります。
「AIを入れたい」
という相談だったのに、
話を聞いてみたら、
AIを入れる前に業務の流れを整理した方が良かった。
「新しいソフトが欲しい」
という話だったのに、
今あるソフトの設定を変えれば済んだ。
「サーバーを入れ替えたい」
という話だったのに、
そもそも、そのサーバーが担っていた役割を残す必要がなかった。
そんなことは珍しくありません。
私はこういう時、
「最初の相談と違うじゃないか」
とは思いません。
むしろ、
ちゃんと考えた結果、問いが変わった。
それで良いと思っています。
すぐ答えないこともある
私は相談を受けた時、
すぐに答えを出さないことがあります。
「それならこれです」
と即答できる時でも、
少し確認します。
本当にそれで良いのか。
前提は合っているのか。
他に影響はないのか。
目的と手段が逆になっていないか。
たぶん相手からすると、
少し回りくどく見えることもあると思います。
でも、
早く答えることと、
正しく問題を捉えることは、
同じではありません。
むしろ、
最初に少し考えた方が、
後の手戻りが減ることが多いです。
保守は、壊れたものを直すだけではない
昔は、
保守という仕事を、
トラブルが起きたら直すもの。
そんなふうに考えていました。
でも今は少し違います。
壊れた機器を直す。
設定を直す。
止まったシステムを復旧する。
それも大切です。
でも、
同じことが何度も起きるなら、
なぜ起きるのかを考える必要があります。
毎回人が困るなら、
運用の方に問題があるかもしれません。
説明しても伝わらないなら、
仕組みそのものが難しすぎるのかもしれません。
ITだけ直しても、
問題が戻ってくることがあります。
だから私は、
だんだん機械よりも、
その周りの仕事の流れを見るようになりました。
ITを使わない答えでも良い
IT屋なので、
何かITを使った提案をしないといけない。
そんなことも思っていません。
紙のままの方が良いなら、
紙でも良い。
人が確認した方が早いなら、
無理に自動化しなくても良い。
AIを使わない方が安全なら、
使わなくても良い。
大事なのは、
ITを導入することではなく、困りごとが減ること。
そこが逆になると、
新しいシステムを入れたのに、
仕事が増えてしまうこともあります。
正解を教えるより、一緒に探す
最近、
AI活用の相談を受けることも増えてきました。
AIの世界は変化が速いです。
昨日までの正解が、
来月も正解とは限りません。
そんな世界で、
「これを使えば大丈夫です」
と言い切ることの方が、
むしろ危ないと思っています。
それより、
今の仕事はどうなっているのか。
何を変えたいのか。
何なら任せられるのか。
どこは人が判断すべきなのか。
一緒に試して、
一緒に考える。
その方が現実的です。
たぶん私は、
何でも知っている専門家になるより、
一緒に考え続けられる人
でありたいのだと思います。
これまでの仕事も、実はそうだった
振り返ると、
ネットワークの仕事でも、
サーバーの仕事でも、
パソコンの相談でも、
私は同じことをしていました。
機器を選ぶ前に、
何台使うのかを聞く。
構成を考える前に、
誰がどこで使うのかを聞く。
設定する前に、
なぜその設定が必要なのかを確認する。
ずっとITをやってきたつもりでしたが、
その中心にあったのは、
技術そのものではなく、
一緒に状況を整理して、一緒に答えを探すこと
だったのかもしれません。
保守の延長線上にある仕事
だから今、
これまでやってきた保守と、
これから増やしていきたい仕事は、
別物だとは思っていません。
突然コンサルタントになろうとしているわけでもありません。
今まで、
機器の設定やトラブル対応の中でやっていたことを、
もう少し手前から一緒にやる。
何かを買う前。
何かを入れる前。
困りごとが大きくなる前。
そこから関わる。
それだけなのだと思います。
たぶん、これが一番得意な仕事
ITの知識は、
これからも必要です。
知らなければ、
できない提案もあります。
でも、
知識そのものよりも、
相手の話を聞いて、
状況を整理して、
問いを作り直して、
一緒に考える。
最近は、
そこに自分の一番の強みがあるように感じています。
ITの保守よりも得意な仕事。
それはたぶん、
一緒に考えること。
これからは、
そんな仕事も、もう少し増やしていきたいと思っています。
