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江戸・明治に学ぶ、旅の楽しみ(⑦時間をかけ、時間を楽しみ、心に刻む旅)

当時の人口の85%を占めた農山漁村に住む人たちも旅を楽しみました。
交通機関が徒歩の時代、彼ら彼女らの旅は時間をかけた旅でした。しかし、その時間を楽しみ、心に刻む旅でもありました。

この記事では、当時ような心に残る旅をできるかを考えてみます。
ヘッダーは外国人にも人気の長野県・上高地(2024年10月)



1.江戸・明治時代のような心に残る旅をできるか?

当時の人たちは、ほとんどがグループ旅行でした。旅行の主目的は社寺参詣か湯治でしたが、寄り道満載でした。
当時の旅には、世間を知り、困難を乗り越え、生命力を強くする効用もありました。
また、お金はかけず、時間をかけて一生の思い出をつくる旅でした。

私たちも当時のような心に残る旅をできるのでしょうか。
長くて1週間程度の休暇しかない現役世代でも、できるでしょうか。
私の答えは「できる」です。

当時の旅をそのままは真似られませんが、旅の楽しみ方を真似ることはできます
ただし、情報豊富で安全な現在では、世間を知る目的で旅することは非効率、また、国内の旅では生命力を高めることは不可能だと思います。
多くの人にとって、旅は楽しんでリフレッシュするものです。

江戸・明治時代のように一生の思い出になる旅にするには、
旅の前後にもう少し時間をかけること、
② 当時の人たちのように、旅の話を語れる仲間をもつこと
③ リモートワークを含め「働きながら旅をする」など現代ならではのスタイルで旅をすること、だと考えます。
そうすれば、旅はもっと特別な時間になり、心に刻めるようになるはず。



2.旅の前後に時間をかける

当時の人たちが私たちよりも格段に時間をかけたのは旅行前です。
旅先(参詣先・湯治場所)を決め、メンバーを募り、旅費を積み立てる集まり(講)を定期的に開きました。この間に旅への期待がふくらみます。
出発時は村を休日にして見送ってもらい、戻ると歓迎会。
旅の思い出は心に刻まれ、財産になりました。

一方、忙しく、ひとりでも安全かつ手軽に旅をできる私たちは、旅行前に集まりを重ねることはありません。
しかし、旅仲間がいれば(もちろん家族もOK)、希望する旅先の情報をもち寄り、計画を立て、旅に出ることができます。
旅行計画はお金がかからなくて楽しいシミュレーションであり、旅を心に刻むためのステップです。

また、旅から戻ったあとも旅を心に刻むための大切な時間
手間をかける必要はありません。食べ物や日用品など自分へのお土産を買うだけでも十分です。写真のSNSへのアップやアルバム化をしている人もいますね。

それぞれ旅を消耗品にせず、心に残る財産(思い出)にしています。

たまに行く海外旅行は思い出に残ります。
それは、事前に旅先への思いを馳せることで、気分を盛り上げ、帰国後も家族や知人に語るからだと思います。お土産もあり、思い出はいつまでも残ります。

旅は一生に渡って楽しめるもの、「〇〇へは行ったなあ」程度で記憶から薄れてしまったら残念です。



3.好みの方法で、心に刻む旅を

移動手段と宿泊手段が多彩な現代は、さまざまな方法で旅を楽しめます。
旅行期間と1日当たりの費用で旅の方法を位置づけてみました。

出典:自著『定年後を豊かにするシンプルライフ』ごきげんビジネス出版

旅行期間が長くなると、旅の楽しみである出会いが、他の旅行者や宿の人だけでなく、地元の人たちへと広がります。そして、旅先の景色とともに深く心に刻まれます。

また、旅行期間が長くなると仕事の時間が入ってくることもあります。
旅行費用を稼ぐ人もいますし、暮らし自体が旅になっている人もいます。

旅をしながら仕事、というとIT関係のノマドワーカーのイメージが強いですが、繁忙期の旅館や農家で短期的に働く人も多く、中高年にも人気です(人材紹介サイト「おてつたび」で旅先の仕事が紹介されています)。
ちなみに私の長期旅行では、普段通り、オンライン日本語教師をしています。

上図では、心に刻みやすい旅をより濃い緑色で示しました。短期でお金をかけた旅からみていきましょう。

・海外への弾丸旅行と外洋クルーズ
何れも、時間よりもお金をかける旅の代表格です。
特に、弾丸旅行は目的と果たしたら、すぐに帰る現代ならではの旅。本当の旅行好きかもしれませんね。
江戸・明治時代の人たちのように、一生一度の旅として出かけるのであれば心に刻まれる旅になりますね。

・旅館やホテルを利用する旅
圧倒的に多い旅行方法なのですが、『旅行年報2023』によると、国内旅行の平均宿泊数は1.7泊。1泊が60%、2泊が24%、5泊以上する人はわずか4%しかいません。
1、2泊の短い旅を繰り返すのが私たちの旅のスタイルで、記憶に残らない旅をしてしまう原因になっていると思います。

・キャンプ場を利用する旅
料理や宿泊などが手作りの旅で、思い出に残ります。ただし、旅行でキャンプ場に泊まる人は数%。
私は学生時代、自転車にテントを積んで数週間の旅を繰り返していました。
安上がりで心に刻まれる旅、ではあるのですが、疲れます。布団で眠りたくなります。

・キャンピングカーや車中泊の旅
手づくりの楽しみ、自然のなかで過ごす心地よさを残しながら、テント泊の疲労感を低減できるのがキャンピングカーを使った旅です。
また、高価なキャンピングカーではなく乗用車での車中泊、あるいは、車中泊と旅館泊を組み合わせて旅をしている人は、よく見かけます。
寒暖、晴雨、風を強く感じ、星空を見る。心に刻む旅になりやすいですね。

・ウイークリーマンションなどに滞在する旅
シニア世代になった私は、通過する旅よりも滞在する旅が好きで、実践しています。滞在地を拠点に旅をするのです。
1か月ぐらいならウイークリーマンションや同宿者との交流を楽しめるシェアハウスが選択肢。旅館や農家で仕事しながらの旅(おてつたび)なら、宿泊はオーナー宅です。
地元の方との会話が増え、旅先での体験とともに深く心に刻まれます

〔追記 10月10日〕本記事をアップした日の午後にNHKから下記の記事がアップされました。“観光以上 定住未満” との位置づけです。トレンドですね。
観光地でバイトする中高年が急増中 リゾートバイトに旅バイト 人生100年時代は地方とつながる!? | NHKニュース | 働き方、観光
(リンクが切れましたら、すみません)

・アパートなどに滞在する旅
自宅は残したままで、好きな町でアパートを借りる2拠点居住の旅です。
1間滞在すれば四季を味わえ、2年住めば年中行事、四季の食べ物を十分に楽しめ、地元の方とも深く付き合えます。
旅は心に刻まれ、決して忘れられない経験になるはずです。

私のおすすめは2年限定・2拠点居住の旅。3年以上だと旅ではなく移住だと思います。

さて、7つの旅のスタイルを示しましたが、あなたの好みの旅はあったでしょうか?

次の記事では、私が実践中の期間限定2拠点居住の旅を紹介します。


出典:『定年後を豊かにするシンプルライフ』ごきげんビジネス出版

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■私の書籍 2025年出版。本記事は「第5章 旅の楽しみ」の一部です。書籍では現代への応用に重きを置いて書いています。

電子書籍(Kindle版)https://amzn.to/3VysaEU ペーパーバック版 https://amzn.to/49zagrm 

Amazon(Kindle版)のサイトでは「はじめに」が、下の出版社のnoteでは「第1章 どうする定年後、あなたは何してる?」が公開されています。

■私のブログ (つたない英語に日本語を併記しています)



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