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第42話:上京して、サビオが通じなかった話

※ 実話です。


北海道出身だと、上京してから通じない言葉がいくつかある。

一番最初に気づいたのがサビオだった。絆創膏のことをサビオと呼んでいた。バンドエイドとも言わず、絆創膏とも言わず、サビオ。北海道では普通だった。


上京してサビオと言ったら通じなかった。そこで初めて、これが北海道の言葉だと知った。


釧路出身の友人と話していて気づいた言葉もある。


「TVなに入ってる?」という表現だ。今何のテレビを放送しているか、という意味だ。北海道はチャンネル数が少ない地域だったので、何が放送されているかを確認するニュアンスでこう言っていたらしい。本州では通じない。というより、チャンネルが多いのでそもそもそういう聞き方をしない。


言葉だけではない。文化も違う。

絆創膏がサビオと呼ばれていたのは、かつてサビオというブランドが北海道で広く普及していたからだ。商品名が一般名詞になった典型的なパターンだ。関東でいうセロテープ、九州でいうセロハンテープの違いに近いかもしれない。



上京して二十年以上経つ。今は絆創膏と言えるようになった。ただ頭の中では今でもサビオだ。子供が怪我をしたときも、一瞬サビオと言いそうになる。

北海道を出ても、言葉だけは残る。


前回の話はこちら


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