第41話:映画オタクだったのに、今はモルカーしか観ていない話
※ 実話です。
結婚前、映画をよく観ていた。ノンフィクション以外はなんでも観た。アクション、ホラー、SF、ラブストーリー。ジャンルは問わなかった。ストーリーのある話が好きだった。
飯田橋にあるギンレイホールの年会員だった。名画座で、2本立ての上映が2週間ごとに変わる。それを定期的に観に行っていた。1本だけでも元が取れるような会員費だったが、2本観て帰るのが習慣だった。
当時付き合っていた彼女と一緒に観に行くことも多かった。観た後にああだこうだと話すのが楽しかった。お互いキツめの批判をしないので、話していて心地よかった。バタフライ・エフェクトも一緒に観た。あの映画はネタが尽きなかった。

映画そのものと同じくらい、観た後の会話が楽しかった時期だった。
結婚して子供ができてから、映画をほとんど観なくなった。時間がない、というより気力がない。子供が寝てからの時間は、別のことに使ってしまう。

先日、長男のためにモルカーの映画を観た。
テレビでやっていたストップモーションアニメが好きだったので、映画版も同じだと思っていた。違った。普通のアニメだった。そこそこ面白くなくはなかったが、期待していたものとは違った。
ただ大塚明夫さんの声だけはやたら良かった。自分にとってはメタルギアソリッドのスネークの声だ。モルカーの映画で大塚明夫を聴くことになるとは思っていなかった。
ギンレイホールは閉館した。調べたら2022年に閉館していた。知らなかった。
映画オタクだったころの自分が今の自分を見たら、何と言うかわからない。モルカーの映画で大塚明夫に感動している場合じゃないと言うかもしれない。

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