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ダンジョン第120階層【実録】『罪悪感を断ち斬る過去遺物!老舗ギルドの渇望を撃ち抜く泥臭き遠隔詠唱』

前回の物語はこちら👇️👇️👇️

01:ギルト・イレイザー〈罪悪感の払拭〉


俺の「協力してほしい」という真摯な言葉に、何かを感じ取った水谷さんと斉藤さんは静かに耳を傾けていた。

水谷さんが戸惑いを隠せない表情で、控えめに尋ねてくる。

「それで、私たちは何を始めればいいんですか」

俺は何も言わず、二人の目の前にある長机に数冊の分厚い情報の巻物(求人誌)をドサッと並べた。

2人がきょとんとした表情を浮かべる。

無理もない。今までの魔導指導(教務)の改善や信徒(生徒)の心のケアの話とこの情報の巻物(求人誌)がどう結びつくのか、彼女たちの思考回路では全く理解が追いつかない様子だった。

たまらず、水谷さんは身を乗り出して質問を続ける。

「この情報の巻物(求人誌)が、私たちの罪悪感と何の関係があるんですか」

俺は彼女の目を真っ直ぐに見据え、確かな自信を持って答える。

「大いに関係がある」

「君たちにはまず、ここにある構造の刻印や魔導錬成(製図やCAD)に関連したクエスト(求人)を一つ残らず切り抜きしてほしいんだ。そして、それをこの魔導録(ノート)に綺麗に貼っていってほしい」

斉藤さんも首を傾げ、深い疑問を感じて質問をする。

「この魔導錬成(作業)と信徒(生徒)に新たな修練会(講座)をおすすめすることに一体どんな意味があるんですか」

俺はしばらく重い沈黙を守った。

彼女たちが自ら思考を巡らせる余白を作るためだ。そして、静寂の空間でゆっくりと口を開いた。

俺は心の中で一つ目の物理刃(自分軸)を詠唱した!

「発動せよ……!」

ギルト・イレイザー〈罪悪感の払拭〉ッ!!

「君たちの心に深く根付いた、罪悪感を取り除くんだよ」

2人ともまだその真意にはピンと来ていないようだった。


02:マーケット・リサーチ・ミッション〈市場調査指令〉


「つまり、信徒(生徒)たちの血と汗の努力を真の生還の地平(ゴール)に直結させるんだよ」

「先ほども言ったように、良い情報は我々から積極的に発信する。そして、彼らが迷わぬように全力で加護(サポート)していく」

「結論を言うと、彼らが喉から手が出るほど欲している異世界転生(就職)の情報を信徒(生徒)に発信し、その道を切り拓くための強力な支援体制を構築するんだ」

俺はさらに具体的なマーケット・リサーチ・ミッション〈市場調査指令〉を出し始める。

「2人にやってほしいのは大きく分けて2つある」

「1つは、切り抜いた情報の中からうちで学んだ信徒(生徒)でも異世界転生(就職)できそうなギルド(企業)をピックアップすること」

「そして、そのギルド(企業)に念話(連絡)を取り、彼らが求める真のスキルを丁寧に深層聴取(ヒアリング)する。最終的には、うちの魔導指導学校(資格学校)の掲示板に、無料でクエスト(求人)を掲載する了承を得ることだ」

二人の表情が、驚きから徐々に理解へと変わり始める。

希望的…!

「もう1つは、多くのギルド(企業)が求めている必須の技能を理解した上で、今我々が提供している修練の道筋(カリキュラム)に足りない技術や技能及び不足している情報を検討する情報の巻物(資料)を作ること」

「つまり、2人に担ってもらう重大な使命は、魔境調査(市場調査)と社会で実践的かつ競争力のある修練の道筋(カリキュラム)の改訂案の検討だ」

「この現場の生々しいリアルな情報を私が取りまとめて、大魔女(現場責任者)に対して魔導設計書(企画書)として提出したいと思う」

「では、早速手分けして、情報の巻物(求人誌)からの切り抜き作業から始めよう」

「そして、念話(電話)での深層聴取(ヒアリング)は事前に聞くべき項目をしっかりと決めておき、私がまず手本を見せる。それを聞いて真似していってほしい」

2人も俺が描いた壮大な設計図の内容を深く理解したことで、過去の罪悪感が少しずつ溶け出し、信徒(生徒)を救済できるという希望の光が見えたのだろう。

やる気と活力が自然と生まれてきたようだった。

だが、この魔導錬成(作業)を進めるためには絶対的な魔力(時間)の確保が必要不可欠だ。 俺は魔女(女性リーダー)の機嫌を損なわないように、信徒(生徒)の少ない昼間の時間帯を中心に、水谷さんと斉藤さんの2人を借り出す戦略を立てた。

その伝達は俺から直接行うのではなく、魔女(女性リーダー)に対して強い要望を通すことができる魔導指導団の前団長の山本を巧みに利用することにしたのだ。

魔女(女性リーダー)は以前もそうだったように、山本の命令には決して逆らうことはできない。

ここには明らかに、以前からの強固な階級制度(ヒエラルキー)が根強く存在しているのだ。 俺は己の目的を達成するため、この組織の力学を最大限に利用した。


03:コールド・コーリング・イグニッション〈新規開拓の着火〉


時間的猶予は確保された。

俺は早速、2人が精力的に行ってくれた100個の切り抜きの中から、条件に合いそうなギルド(企業)をピックアップし、通信魔導具(携帯電話)で連絡を取り始めた。

ここで俺は極度の緊張とプレッシャーをごまかすため、無駄に気合いを入れようとする痛々しいルーティンに走った。

深呼吸をしようと大きく息を吸い込んだ瞬間、背後にあった白板(ホワイトボード)の粉を大量に吸引してしまう。

「ぶっふぇっ!」

激しくむせ返り、その勢いで椅子ごと後方にひっくり返って後頭部を強打。白目を剥いて床を転げ回った。

『おい、おっさん!』

『気合いを入れるために粉塵を吸引して自爆するとか、ただの気管支テロだ ワン!』

『一人で勝手にむせ返って、真面目な作戦会議の空気を完全にホラーコメディに変えてる ワン!』

魔犬ツン(相棒)の容赦なきジャッジメント・サタン〈魔犬の正論〉が、俺の心臓を物理的に抉る!

痛恨的…!

俺は頭の痛みを堪えながら立ち上がり、二つ目の物理刃(自分軸)を心の中で強く詠唱した!

「放て……!」

コールド・コーリング・イグニッション〈新規開拓の着火〉ッ!!

通信魔導具(携帯電話)のコール音が鳴る。

「もしもし、クエスト(求人)を見て念話(連絡)したんですけど、専任執行官(担当者)の方いらっしゃいますか」

無愛想な声が返ってくる。

「担当の酒井ですけど」

「私、魔導指導学校(資格学校)で魔導指導団の団長(教務主任)をしております、異次元おじさんと申します」

俺は滑らかな口調で続ける。

「貴ギルド(御社)のクエスト(求人)を拝見しまして、念話(連絡)させていただきました」

「募集内容を確認していただいて、要件が合えば無料でうちの学校の掲示板に、クエスト票(求人票)を掲示させていただければと思っております」

まずは相手のメリットを提示する。

「つきましては、具体的にどんな傭兵(人材)をお求めか教えていただいてもよろしいでしょうか」

酒井は面倒そうに答えた。

「ああ、うちは経験者を募集してるんで、魔道指導学校で勉強したぐらいでは仕事にならないんだよね」

拒絶的…!


04:ソリューション・プロポーザル・スペル〈解決策の提示〉


だが、俺はめげずに丁寧に紐解いていく。

「酒井さん。少しお尋ねしますが、このクエスト(求人)はいつ頃から出されているのですか」

「3ヶ月前からかな」

俺は現在の厳しいクエスト(求人)状況を完全に理解した上で、相手の痛いところへさらに質問を重ねる。

「その3ヶ月の中で、いい傭兵(人材)はいらっしゃいましたか」

酒井も困った声で質問に答えていた。

「まあ、それがなかなかいい傭兵(人材)は見つからないよね」

俺も質問の手を緩めない。

「貴ギルド(御社)のいい傭兵(人材)とは、具体的にはどんな方なんですか」

酒井も率直に答える。

「できれば、3年以上の実務経験があって、社会人としてある程度の常識がある人が理想だよね」

俺はズバリ、酒井に核心を突く疑問を投げる。

「実際には、そのような優秀な傭兵(人材)は、最強ギルド(大企業)に取られてしまうのではないですか」

「それに、3ヶ月以上も情報の巻物(求人誌)に載せているお代(費用)も、かなりかかっていますよね」

図星を突かれた酒井は、困ったように愚痴をこぼし始めた。

「そうなんだよね。実際にはなかなか実務経験者なんか、うちみたいな30人足らずのギルド(会社)には見つからないんだよね」

閉塞的…!

俺は口角を上げ、三つ目の物理刃(自分軸)を心の中で強く詠唱した!

「いでよ……!」

ソリューション・プロポーザル・スペル〈解決策の提示〉ッ!!

確かな自信を持って酒井に放った。

「その深刻な人材不足、私どもが完全に解消します」

圧倒的…!!

その横で遠隔詠唱(電話営業)を聞いていた水谷さんと斉藤さんも、俺の放った言葉に驚きの表情を隠せずにいた。

泥臭い物理刃(アナログスキル)が、停滞していた老舗ギルド(企業)の扉を完全にこじ開けた瞬間だった。 俺たちの反撃のシナリオが、ついに本格的な駆動を始める。 いざ、次なる階層へ。


【次回予告:ダンジョン第121階層】


ついに始まった泥臭き遠隔詠唱(電話調査)! おじさんの自信に満ちた宣言に、中小ギルド(企業)の専任執行官(担当者)の反応は!? そして、それを目の当たりにした水谷と斉藤の心に新たなる魔導の火が力強く灯る! 俺たちの生還の地平(ゴール)への道筋は無事に切り拓かれるのか!? 休む間もなく続く極限のクエストに、おじさんのMPは再び削り取られていく! 次なる死闘が今、幕を開ける! 次階層を見逃すな!

最後までお付き合いありがとうございます。


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