ピアノ講師のための「その曲、楽譜がない」問題/市販にない曲を生徒に弾かせる方法
前回の記事の続きです。
前回は、「弾きたい」という気持ちこそが、大切な音楽の入り口だというお話をしました。
今日は、その「弾きたい曲から始める」ときに、多くの先生がいちばん最初にぶつかる壁——「その曲、ちょうどいい楽譜がない」問題について、私の向き合い方をお話しします。
♪1. 「楽譜がない」には、3つのパターンがあります
生徒さんが「これ弾きたい!」と持ってくる曲。
いざ楽譜を探そうとすると、だいたい次の3つのどれかにぶつかります。
・そもそも楽譜が出版されていない……新しい曲や、ゲーム・配信などの曲は、楽譜自体が世に出ていないことが多い。
・市販の楽譜があっても、難しすぎる……出版されていても上級者向けばかりで、習い始めの生徒さんには到底弾けない。
・アレンジが、その子の希望に合わない……簡単な楽譜はあるけれど、原曲のかっこいい部分が削られていて、「これじゃない…」となってしまう。
どれも、現場の先生なら「あるある」と頷いてくださるのではないでしょうか。
♪2. 私の答えは、「ないなら、作る」でした
前回お話しした通り、私も当初は市販の楽譜を探しました。
でも、生徒さんにぴったりの楽譜は、なかなか見つからないのです。
今でこそ1曲ずつ買える時代ですが、昔は、弾きたい曲がそのテキストに1曲しか載っていなくても、1冊まるごと買うしかありませんでした。
しかも、難しすぎて弾けなかったり、反対に簡単すぎて生徒さんのレベルに合わなかったり。
ないなら、作るしかない。
そこで私は、自分で譜面を作ることにしたのです。
その子のレベルに合わせて、耳コピーして、アレンジする。
もちろんレッスン以外に時間を作らなくてはいけませんが、私にとっては、そんなに大変な作業ではありませんでした。
やることは、いつもこんな流れです。
・まず、元の音源を聴いて、メインのフレーズはどこかを聴き取る。
・次に、生徒さんのレベルに合わせて譜面を書く(譜面入力をする)。
弾きやすいように、簡単な調へ移調することもあります。
不思議なもので、自分が「弾きたい」と思った曲なら、生徒さんのモチベーションはまるで違います。
「弾けた!」という手応えもあって、本当によく練習してくれるんです。
指導する側も、ストレスがなくなります。
♪3. 先生にも試してほしい、私のアレンジのコツ
「自分で作るなんて難しそう」と思われるかもしれません。
でも、いくつかコツを押さえれば、ぐっとハードルは下がります。
私がいつも大切にしているのは、この4つです。
・原曲の「おいしいところ」は残す……サビや、印象的なキメのフレーズ。ここを残すと、生徒さんは一気にやる気になります。
・メロディー+シンプルな伴奏から始める……まずは右手の旋律と、左手の和音(単音)だけ。物足りなければ後から足せばいいのです。
・弾きやすい調に変える……原曲のキーにこだわらず、その子の手に優しい調へ。
・「簡単すぎ」にしない……やさしくしつつ、ちょっとだけ背伸び。「がんばったら弾けた!」が、いちばん続く秘訣です。
実際には、まず少し簡単めの譜面をお渡しします。
それをサクサク弾けるようになったら、続きの譜面を作ってお渡しする。
少しずつ前に進めていくイメージです。
♪4. でも、毎回ゼロから作るのは、大変ですよね
——とはいえ、です。
レッスンも、準備も、ご家庭の用事もある中で、生徒さん一人ひとりに譜面を一から作るのは、正直、とても大変なこと。
ですから私は、これまで作ってきた譜面を、同じように悩んでいる先生方にも使っていただけるのではないかと思うようになりました。
私が作った楽譜は、下記で公開しています。
「探しても見つからない」「作る時間がない」。
そんなとき、先生と生徒さんの助けになればと思っています。
♪Stores: https://dolce-originalscores.stores.jp/
♪Piascore: https://store.piascore.com/search?c=3582
♪Kokomu: https://m.kokomu.jp/artist/dolceofmusic-originalscores
☆「弾きたい曲に楽しく取り組める」「だから楽しく続けられる」
楽譜に対応するピアノロール動画もこちらからご覧いただけます。
それでは、この続きはまた次回に。
読んでくださりありがとうございました♪

