見出し画像

G検定|一度の不合格から、40時間の学習でAIの基礎を学び直すまで【合格体験記】

G検定へ挑戦するきっかけになったのは、別のAI関連試験での不合格でした。

社内の生成AI勉強会を通じてGenerative AI Testを知り、受験したものの、結果は不合格。

そこで学習をやめるのではなく、「どうせなら、より広いAIの知識を扱うG検定で学び直そう」と考えました。

当時、AIを直接業務で使っていたわけではありません。

それでも、AIに何ができ、どのような業務へ使えるのか、限界やリスクをどう考えるのかを判断するには、まず基礎知識が必要です。

公式テキストで全体像をつかみ、問題集を使って理解できていない部分を見つける。間違えた内容は237行のチートシートへ整理し、模擬問題では制限時間を意識して解く。

こうして約40時間の学習を重ね、G検定に合格しました。

一度の不合格は学習をやめる理由ではなく、自分が何を知らないのかを確かめ、学び直す範囲を決める入口になりました。

G検定は、AIの技術だけを問う試験ではない

G検定は、AIやディープラーニングに関する活用リテラシーを学ぶための検定です。

人工知能、機械学習、ディープラーニングといった技術分野だけでなく、応用例、社会実装、法律、契約、倫理、ガバナンスまで幅広く扱います。

AIを開発するエンジニアだけを対象にした試験ではありません。

AIを業務へ取り入れる側にも、何ができ、利用にはどのような条件が必要で、どのようなリスクを確認すべきかを判断する基礎が求められます。

今回受験した社員も、AI関連の業務を担当していたから学習を始めたわけではありませんでした。

AIを使う仕事に就いてから学ぶのではなく、何に使えるのかを判断する前提として、まず全体像を知っておきたい。

その入口として選んだのがG検定でした。

約40時間を、三つの学習段階へ分けた

学習時間は、合計で約40時間です。

一つの教材を繰り返し読むのではなく、学習の目的を三つの段階へ分けました。


約40時間は、今回の受験で実際に使った学習時間です。

必要な時間は、AIや統計に関する前提知識、読解速度、学習環境によって変わるため、参考にしたいのは時間の長さよりも学習の順番です。

最初に全体像を知り、問題を解いて理解できていない部分を見つける。その内容を自分の言葉で整理した後、制限時間内で解く練習へ進みました。

この流れによって、知識を読む段階から、問題の中で使う段階へ移していきました。

公式テキストは、試験範囲の地図として使う

最初に使ったのは、G検定の公式テキストです。

公式テキストには、AIの歴史、機械学習、ディープラーニング、応用例、法律、倫理など、幅広い内容が収録されています。

最初から細部まですべて覚えようとはせず、まず全体に目を通して、G検定がどこまでを出題範囲としているのかを把握しました。

自分が知っている分野はどこで、初めて見る用語はどの領域に多いのか。問題演習を始めた後、どの分野へ戻る必要がありそうか。

公式テキストは、一度ですべてを覚えるための教材ではなく、現在地と学習範囲を確認する地図として使いました。

学習時間の半分を、問題演習に使う

約40時間のうち、半分に当たる約20時間を問題演習へ使いました。

テキストを読んでいると、言葉を見たことがあるだけで、理解したように感じることがあります。

実際に問題を解くと、似た概念を区別できない、用語は知っていても使われる場面が分からない、説明を読めば理解できるのに自分では正しい選択肢を選べないといった、曖昧な部分が表に出ます。

問題演習では、正解数を増やすことだけを目的にしませんでした。

間違えた問題の解説を読み、分からなかった用語を調べ、似た概念との違いを確認する。その上で、理解できていなかった内容をチートシートへ追加します。

問題を、知識を確認するためだけでなく、自分が分かっていない場所を見つけるために使いました。

間違いを、237行のチートシートへ残した

今回の学習方法で中心になったのが、自作のチートシートです。

最終的には237行になりました。

記録したのは覚えたい用語だけではなく、間違えた問題、説明できなかった概念、似ていて区別しにくかった言葉、理解が不十分だった技術、法律や倫理に関する注意点です。

問題集や模擬問題で見つかった不足を、後から自分で読み直して理解できる形へ整理していきました。

チートシートの価値は、情報量の多さだけではありません。

分からなかった内容を自分の言葉で短く説明し、似た概念は違いが分かるように並べる。同じ間違いをしたら説明を追加し、一度書いた内容も問題演習の後に修正する。

この作成過程そのものが、理解の確認になりました。

教材の説明を集めるだけでは、自分がどこを理解できていないのかは見えにくいままです。

自分の言葉へ変えることで、説明できる部分と、まだ曖昧な部分を分けられます。

重要だったのは237行という数字そのものではなく、間違いや疑問を学習記録として残し、理解が変わるたびに更新し続けたことです。

問題数が多い試験では、時間配分も学習対象になる

学習の最後には、オンラインの模擬問題を使いました。

目的は知識を増やすことだけでなく、時間を測り、自分がどの速度で問題を進められるかを確認することです。

G検定は出題範囲が広く、問題数も多いため、一つの問題へ長く留まると、後半に使える時間が減っていきます。

今回の受験では、一例として「20分で30問」という途中の目安を置きました。

この数字がすべての受験者に適しているわけではなく、読む速度や得意分野によって必要な時間配分は変わります。

参考にできるのは、模擬問題の段階で自分の解答速度を測り、途中の通過目標を決めておくことです。

一問に長く留まりすぎず、後で見直す問題を分ける。途中で予定より遅れていないかを確認し、最後の見直し時間を残す。

模擬問題は、正答できるかを確かめるだけでなく、持っている知識を制限時間内に使う練習になりました。

技術だけでなく、社会実装や法律まで学ぶ

結果として、全八分野で86%以上の得点率となり、四分野では100%を取得しました。

技術分野だけでなく、社会実装、数理・統計、法律、倫理、ガバナンスまで広く学習した結果です。

G検定では、AIの仕組みを知るだけでなく、技術をどこへ使い、利用にはどのような条件があるのか、法律や倫理の面で何を確認し、社会へ実装する際にどのような課題が生じるのかまで扱います。

AIを業務で利用するには、技術と利用条件を切り離さずに考える必要があります。

これから受験する人が参考にできること

今回の学習方法から、受験準備へ取り入れやすい点を整理すると、次のようになります。

  1. 最初からテキストを完璧に覚えようとしない

  2. まず試験範囲の全体像をつかむ

  3. 学習時間の中心を問題演習へ置く

  4. 間違えた内容を自分の言葉で記録する

  5. 似た概念の違いを整理する

  6. 模擬問題では時間を測る

  7. 自分に合った途中の通過目標を作る

  8. 技術だけでなく、法律や倫理も学ぶ

重要なのは、教材の冊数を増やすことではありません。

全体像をつかみ、問題を通じて不足を見つけ、自分の言葉へ整理する。最後に、制限時間内でも使える知識へ変える。

今回の約40時間は、この流れに沿って配分されていました。

G検定の試験情報は、受験前に確認する

G検定の試験時間や問題数、受験方法は、開催時期によって変更されることがあります。

今回の受験時と現在では、試験仕様の一部が異なります。

そのため、受験を検討する場合は、過去の合格体験記だけを基準にせず、JDLAの公式サイトで最新情報を確認する必要があります。

確認したいのは、次のような項目です。

  • 試験日程

  • オンライン試験と会場試験の違い

  • 申込期限

  • 試験時間と問題数

  • 受験料

  • 最新のシラバス

  • 推奨環境

  • 操作方法

  • 試験当日に使用できるもの

  • 結果の確認方法

学習方法は参考にできますが、試験の条件は最新の案内を基準にします。

合格は、AIを考えるための出発点

今回の受験者は、G検定を「AIに関するビジネスチャンスを生み出すための第一歩」と捉えています。

G検定へ合格したからといって、AIシステムを開発できるようになるわけではなく、資格を取得しただけでAIを業務へ適切に導入できるとも限りません。

一方、体系的に学ぶことで、AIについて考えるための共通語彙を持てます。

機械学習とディープラーニングはどのような関係にあり、どの分野で利用されているのか。AIを導入するには、データや運用面で何が必要なのか。法律、契約、倫理にはどのような論点があり、AIにできることと難しいことをどう分けて考えるのか。

業務ですぐに使う予定がなくても、こうした基礎知識の有無によって、AIに関する情報の見え方は変わります。

ディーシステムでは、現在の業務に直結する知識だけでなく、これから仕事や提案へつながる可能性のある学習にも取り組む社員がいます。

今回のG検定受験も、AI案件を担当していたから始まったものではありません。

一度の不合格をきっかけに学習範囲を広げ、AIについて判断するための基礎を身につけようとした取り組みでした。

一度の不合格から始まった約40時間の学習は、資格を一つ増やすだけでなく、AIの可能性と限界を自分で考えるための基礎につながりました。


資格取得と学びを、4つの視点から考える

資格取得は、合格して終わるものではありません。

なぜ学ぶのか。会社はその行動をどのように支援し、評価するのか。個人が得た知識を、どのように周囲や現場へ広げるのか。そして、実際に社員はどのように学んでいるのか。

ディーシステムの資格取得と学習について、4つの記事で紹介しています。

1.なぜ、エンジニアは学び続けるのか

資格取得の意味は、資格欄を増やすことだけではありません。

学習を通じて自分が知らないことに気づき、顧客の課題を考えるための知識や選択肢を増やす。その先で、学んだ内容を仕事へどう戻すのかを考えます。

2.会社は、学びの何を支援・評価するのか

ディーシステムでは、資格取得だけでなく、知識共有、勉強会、業務改善、人材育成、担当領域の拡大なども成長として捉えています。

学んだ事実だけではなく、その知識が周囲や顧客の仕事をどう変えたのかを見る、スキルアップ支援制度を紹介します。

3.個人の知識は、どうすれば組織へ広がるのか

会社が学習環境を用意するだけでは、現場で必要とされる知識は十分に広がりません。

社員が自ら勉強会や学習の場をつくり、現場で生まれた疑問を持ち寄り、得た知識を仕事へ戻していく過程を紹介します。

4.実際に、社員はどう学んで資格を取ったのか

一度の不合格をきっかけに、AIの基礎を学び直した社員のG検定合格体験記です。

公式テキストで全体像をつかみ、問題演習で不足を見つけ、237行のチートシートへ整理する。約40時間の学習を通じて、資格取得だけでなく、AIの可能性や限界を自分で考えるための基礎を身につけた過程を紹介します。