『七福神、課金制でした。』|2円
『七福神、課金制でした。』|2円
翌日。
また神棚から声がした。
「回せ」
「今日は幾らだ」
《一回 1円》
「一円?」
「置け」
「そんな一円なんて、キャッシュレス時代にあるわけねーだろ!」
「では、探せばよろし」
「いや、ないって」
「探せ」
財布にはない。
机の引き出し。あるはずもない。
車。もちろんない。
仕方ない。
子供の貯金箱からくすねた。
神棚に置く。
「……」
「何だよ」
「いや」
「言えよ」
「何でもない」
ルーレットが回る。
止まった。
布袋。
嫌な予感がした。
その日。
パチンコに負けた。
かなり負けた。
なのに、不思議と気分は晴れやかだった。
空は青い。
風も気持ちいい。
腹も減った。
今日の晩飯は何にしよう。
「……」
足取りまで軽い。
「あー腹立つ」
負けている。
普通に腹は立っている。
ただ、妙に晴れやかだった。
「布袋さん」
返事がない。
「これがバフか?」
少し間があった。
「左様」
「金返せ」
「心は豊かであろう」
「財布は貧しくなったわ」
生活がヒリついた。

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