『七福神、課金制でした。』|1円
『七福神、課金制でした。』
朝起きると、神棚から声がした。
「ルーレットを回せ」
何の話だ。
枕元のスマホを見る。
見覚えのないアプリが入っていた。
開くと七福神が円になって並んでいる。
絵は、下手だった。
妙に雑なデジタル絵。
「で? これ何?」
「今日のお前のバフだ」
「は?」
「回せ」
「今からパチンコ屋に並びに行くんだが」
「うむ」
それなら話は早い。
画面を見る。
《一回 100円》
「課金かよ!」
「回せ」
催促された。
仕方なく課金ボタンをダブルタップする。
反応しない。
もう一度。
......
反応しない。
「おい。課金しねーぞ」
「それは、ここに置け」
「ここ?」
「ここだ」
声の先を見た。
「神棚かよ!」
財布から百円玉を出して置くと、スマホが勝手に震えルーレットが回り始める。
シャラララララ。
音まで安っぽい。
「これ、ハズレあるのか?」
返事はなかった。
ルーレットが止まる。
寿老人。
「……」
「……」
「俺、パチンコ行くって言ったじゃん?」
「うむ」
「寿老人って何よ」
「長寿だ」
「関係あんのかよ」
俺は財布をポケットに入れた。
「長生きして帰ってこいってことか?」
「物は捉えようだ」
「都合いい事言うてんな、おい」
パチンコ屋に着いた。
適当に空いているスロットへ座る。
千円。
二千円。
三千円。
......何も起きない。
神棚の方角をなんとなく見る。
「まさか長寿って、閉店まで付き合わせるつもりか?」
返事はない。
「おい」
しばらくして声がした。
「物は捉えようだ」
「またそれか」
追加で千円入れた。
しばらくして......当たった。
「ん?」
続いた。
また続いた。
「んんん?」
終わらない。
画面を見る。
継続。また継続。
「……まさかお前」
声がした。
「そう捉えればよろし」
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