ChatGPTが禁止なのに、なぜCopilotは使ってよいのか?その理由を説明できますか?
「うちはChatGPTが禁止で。でもCopilotは使っていいって言われてるんです」
こう言う人に、月に何度か会う。使っていいと言われているのに起動できていない人は、意外と多い。怖いわけでも面倒なわけでもなく、なぜ使えるのかがわかっていないだけだ。
自分もしばらくそこで止まっていた。Copilotが使えると聞いて、とりあえず開いてみたが、「これって本当に大丈夫なのか?」を人に説明できなかった。
調べていくうちに、一言で言えるようになった。
判断の原則は1つだけ
ChatGPTを禁止してCopilotを許可しているポリシーは、たいてい同じ理由から来ている。
「情報が外に出るか出ないか」
これだけだった。
ChatGPTに文章を貼り付けると、その内容はOpenAIのサーバーに送られる。会社の外に出るため、外部サービスへの情報送信を禁じているポリシーでは引っかかる。
そこがCopilotと違う。
会社がMicrosoftと結んだ企業契約の中で動き、入力内容は自社のテナント内で処理されて外部には出ない。Microsoftは公式ドキュメントで、プロンプトや応答を基盤モデルの学習に使わないと明記している。2025年6月時点でMicrosoft Learnに詳細が載っている。
イメージとしては、会社の共有ドライブと個人のDropboxの違いに近い。
どちらもクラウドだが、保存先が会社の管理下にあるか外にあるかが決定的に違う。
Microsoftだから安全ではなく、行き先が会社の管理下にあるから使える——自分はそう理解した。この原則を持っていると、新しいAIツールが出てきたときも自分で判断できる。
【重要】自分がどのCopilotにいるかを確認する
ただ、原則を知っただけでは足りない部分があった。Copilotは一口に言っても3種類あり、どれを使っているかで話がまったく変わる。
①は個人のMicrosoftアカウントで使うものだ。企業向けの保護が適用されないため、業務情報を渡すのは原則NGになる。ChatGPTの個人利用と同じ扱いで考えた方がいい。
②は会社のアカウントでサインインして使うCopilot Chatだ。追加費用なしで使えて、商用データ保護が有効な状態なら入力・応答は学習に使われない。「会社でCopilotを使っていい」と言われている場合、ほとんどがこれを指している。
③はMicrosoft 365の有料ライセンスが必要なもので、②とは別物だ。WordやExcel、Outlook、Teamsの中に組み込まれていて、業務ファイルと連携して動く。
自分が②の状態にいるかどうかが、判断の出発点になる。
会社のアカウントでサインインした状態でCopilotを開いてみてほしい。画面下部に商用データ保護という表示が出ていれば、②の状態にいる。
プロンプトや応答は学習に使われない状態だ。表示が出ていない場合は個人アカウントでサインインしている可能性がある。その場合は一度サインアウトして、会社のメールアドレスでサインインし直してから再確認してみてほしい。
何を渡していいかを自分で判断する
②の状態にいると確認できたら、次の問いに進める。
何を渡していいか、だ。NG項目をリストで覚えようとすると、書いていない状況で詰まる。そこで自分が使うようになったのが、この問いだ。
その情報が外に出たとき、問題になるか?
Copilotは外に出ない。もし外に出たとしたら困るかと問う習慣を持つことで、渡していいかどうかが自分で判断できる。
取引先の担当者名や連絡先が入ったメールは、役職に置き換えてから渡す。
外に出たら相手の個人情報が漏れるためだ。
先月の会議の議事録なら、外に出ても問題ない情報がほとんどならそのまま渡せる。渡す前にこれが外に出たら困るかを5秒だけ考えればいい。
未発表の売上予測や契約金額は、概算に変えるか数字を省いてから渡す。採用評価や給与情報が混じっているメールは、その部分だけ除いてから渡す。どちらも同じ問いで判断できる。
こうして見ると、NGになるのは外に出たとき困る情報だけだ。実際に制約がかかる場面はそれほど多くない。会議の議事録、Excelの集計作業の説明、メールの下書き依頼。これらはほとんどそのまま渡せる。AはダメでBはOKを暗記するより、外に出たとき困るかを問う習慣の方がずっと使える。書いていない状況でも止まらなくなる。
この問いが、実際に人を動かした場面を一度見たことがある。
止まっていたのは怖いからではなかった
Copilotのアイコンを毎日デスクトップで見ながら、3ヶ月間一度も起動しなかった人がいた。怖いから使わなかったと言っていたが、話を聞いていくと少し違った。実は何かあったとき説明できないという不安だった。怖さの正体は、判断基準がないことだった。
なぜ使えるのかが言葉にできた。自分が使っているのが②だと確認できた。これなら渡せるという判断が自分でできた。その3つが揃ったとき、その人はアイコンをクリックした。
判断できる人と止まっている人の差は、使い方の上手さではなかった。外に出るか出ないかという原則を、持っているかどうかだけだった。
その第一歩は、思っているより小さい。
まず1つだけ試してみてほしい。会社のアカウントでサインインした状態でCopilotを開いて、「用データ保護の表示を確認してみてください。それだけで、使える根拠が手元に残ります。
Outlookのメールで実際に何を渡してどのプロンプトを使うか、具体的な手順は別の記事に書きました。
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