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「好き」が凶器に変わる時 - 中学時代の苦すぎる片思い その2


この記事は前回の続きになります。
まだ前回の記事を読んでいない場合はここから読んでみてください。


僕の小学生時代について書いている記事もあるので
良ければそちらも読んでみてください。


耐えかねた僕は、
数人の友達に強く抗議した。

彼らの顔には、
いつものからかいの色ではなく、
一瞬の驚きと、
そしてすぐに困惑が浮かんだ。

まさか僕が言い返すなんて思ってもいなかったのだろう。

しかし、
その小さな抵抗は、
予期せぬ方向へと波紋を広げていく。

数日後、担任の先生に呼び出されたのだ。

「〇〇君、最近何か悩んでいることはないか?」

温かい眼差しと優しい声。

それは、
心配してくれているのだと頭では理解できた。

けれど、
当時の僕には、
その優しさが重くのしかかった。

まるで、
僕の抱える秘密

――あの子への淡い恋心――


が、既に先生に知られているようで、
問い詰められているような錯覚に陥ったのだ。

好きな人がいること自体が、
何か問題のあることとして捉えられているのではないか?

そんな疑念が頭をよぎり、
心臓が締め付けられる。

(先生は、どこまで知っているんだろう…?誰が話したんだ…?)

言葉を探すうちに、
口はますます重くなった。

本当のことを話せば、
さらに事態が悪化するかもしれない。
周りの嘲笑はまだ耐えられる。
けれど、先生にまで失望されたら、
僕はどうなってしまうのだろう?

優しい言葉とは裏腹に、
先生の存在は、僕にとって見えない壁となった。

それは、自分の気持ちを誰にも打ち明けられず、
孤独の淵に沈んでいく始まりの合図だった――。

学年中に僕の気持ちが知れ渡ってしまったことで、
予期せぬ変化も訪れた。

親切な女子たちが、
まるで応援団のように、
僕と彼女をさりげなく近づけようとしてくれるのだ。

休み時間に偶然を装って隣の席に座らせたり、
二人きりになるような状況をそっと作ってくれたり。

今思えば、
彼女たちの行動は、ぎこちなくて、
でも温かい、
微笑ましいものだった。

けれど、当時の僕にとって、
それはまるで拷問に近かった。

「また始まったよ」

とでも言いたげな、
周囲の冷ややかな視線が、
針のように突き刺さる。

彼女たちの好意は、
僕にとって、
さらに馬鹿にされるための格好の材料にしかならなかったのだ。

心臓が早鐘のように打ち、
顔が熱くなるのを感じながら、
僕は必死にその状況から逃げようとした。

彼女と二人きりになる機会は、
何としても避けなければならない。

廊下でばったり会ってしまいそうな時は、
わざと遠回りをした。

話しかけられても、平静を装うことに必死で、
精一杯のそっけない態度をとってしまう。

彼女の戸惑ったような、
少し傷ついたような表情を見るたびに、
胸が痛んだ。

せっかくの、
彼女たちの純粋な好意を、
僕は自分の臆病さゆえに、
拒絶し、
遠ざけてしまった。

まるで、
周りの視線から身を守るための、
頑丈な殻を自ら作り上げ、
その中に閉じこもってしまうように。

彼女たちの差し伸べてくれた温かい手を、
僕は、
自分の殻を閉じるための盾にしてしまったのだ。

そして、
その行動が、
後にどれほどの後悔となって押し寄せるのか、
当時の僕はまだ知る由もなかった。


今、大人になって、
あの頃の自分を遠い日の記憶のようにぼんやりと見つめ返す。

もし、
あの時、
もっと幼いながらも自分の心に正直でいられたなら、

周りの嘲笑や好奇の目に臆することなく、
もっと自分の気持ちを大切にしてあげられていれば、

きっと今の僕は、
全く違う景色を見ていたのかもしれないと思う。

周りの雑音に耳を塞ぎ、
たった一度でも、
勇気を出して自分の奥底にある感情と向き合えていたら、

あの春の日の片思いは、
もしかしたら、
想像もしていなかったような、
温かい何かに変わっていたかもしれない。

成就していたなら、それはきっと、
人生を彩る最高の宝物になっただろう。

たとえ、結果として実らなかったとしても、
あの時、精一杯自分の気持ちを伝えていれば、

一時期は、
まるで世界が終わったかのように、
この世からいなくなってしまいたくなるような
耐え難い感情に囚われたかもしれない。

それでも、最後に残ったのは、
自分の感情に嘘をつかず、
ありのままの自分をさらけ出したという、
誇らしい気持ちだったのではないだろうか。

そう思うと、
あの時、殻に閉じこもってしまった自分への後悔の念が、
今も胸の奥にじんわりと広がる。

あの時の一歩を踏み出す勇気が、
今の僕には、
何よりも眩しく見えるのだ。


片思いは、
振り返れば、
恋愛という名の迷宮で、
出口の見えない一本道をひたすら彷徨うような時間だったのかもしれない。


特に、まだ世界を知らない学生時代は、
学校という名の小さな箱庭が、
僕たちの宇宙の全てだった。

教室の空気、
廊下のざわめき、
友達の些細な一言、
先生の評価、

そして何よりも、
気になるあの人の一挙手一投足。

それら全てが、
僕たちの感情を揺さぶり、
価値観を形作る絶対的なものとして存在していた。

あの頃の僕にとって、
学年中の噂は、
まるで全宇宙の意思のように感じられた。

たった一つの秘密が、
瞬く間に広がり、
僕の日常を灰色に染めていく。

周りの視線は、
まるで無数の監視カメラのように感じられ、
どこにいても、
誰かに見られているような息苦しさに苛まれた。

自分の気持ちを押し殺し、
周囲の期待に応えることだけが、
その小さな社会で生き残るための
唯一の術だと信じていた。

でも、今は違う。
パソコンを開けば、
指先一つで無限の広がりを持つ
インターネットの世界にアクセスできる。

自分の興味のあるコミュニティに身を置くことも、
遠く離れた場所に住む人と繋がることも、
昔に比べれば、
ずっと容易になった。

学校という狭い檻の中から解放され、
多様な価値観に触れることで、
あの頃の僕が囚われていた小さな世界が、

いかに狭く、
息苦しいものだったかを
痛感する。

あの時、もしインターネットという逃げ道を知っていたら、
もっと違う選択ができていたかもしれない。

自分の気持ちを理解してくれる誰かが、
世界のどこかにいると知っていれば、
あんなにも孤独を感じずに済んだかもしれない。

片思いの苦しみは変わらないとしても、
その苦しみを分かち合い、
支え合える場所があったなら――。


そう思うと、
あの頃の自分に、
そっと語りかけてやりたくなる。


「君の世界は、もっと広いんだよ」と。


だからこそ、
まだ10代の、
あの頃の僕と同じように、

誰かに心を奪われ、
でもその気持ちを持て余している君に伝えたい。


どうか、その大切な、
生まれたばかりの光のような感情を、
軽はずみに誰にでも晒さないでほしい。


本当に、
心の底から信頼できると信じられる人にだけ、
そっと打ち明けてほしいんだ。

そして、何よりも大切なのは、
君自身の世界を、
できる限り広げていくこと。

学校という小さな箱庭だけが、
君の全てじゃない。

本を開けば、
まだ見ぬ世界が広がり、

インターネットの海には、
君と同じように悩み、
笑い、
生きている無数の人々がいる。


様々な価値観に触れ、
多様な考え方を知ることで、
君はきっと、
一つの場所に囚われない、
もっと自由な自分を見つけられるはずだ。

もし、
今いる場所が息苦しいと感じたら、
無理にそこに留まる必要はない。

広い世界には、

君が安らげる場所、
君の個性を輝かせられる場所が、
きっと見つかる。

たくさんの選択肢を持つこと、

そして、

いざという時に逃げ込める場所を持つことは、

君が自分自身を守るための、
何よりも強い武器になる。

あの頃の僕は、
それが分からなかった。
狭い世界の中で、
たった一つの感情に囚われ、
もがき苦しんだ。

だから、
君には同じ思いをしてほしくない。

自分の心の声に耳を澄ませ、
広い世界に目を向けて、

君だけの物語を、
後悔のないように紡いでいってほしいと、
心から願っているんだ。


僕にとって、
中学時代の恋愛は、
今振り返れば、
心の奥底に深く刻まれた、
癒えることのない傷跡のようなものだ。

30を過ぎ、
大人になった今でも時々夢に見る。

当時の僕は、
その感情に押しつぶされ、
まるで暗闇の中に閉じ込められたように、
ただ苦しみもがいていた。

周りの何気ない言葉や視線が、
鋭い刃物のように心に突き刺さり、
生きていることさえ辛く感じた日々だった。

でも、
時が経ち、
様々な経験を重ねるうちに、
ようやく気づいたんだ。


あの時の出来事は、
確かに痛みを伴うものだったけれど、
それは決して、
僕の人生を決定づける呪いのようなものではなかったのだと。

それは、
若さゆえの未熟さや、
周囲の無理解、
そして何よりも、
自分自身の弱さが生み出した、
ただの一つの経験に過ぎなかったのだ。

中学生という、ほんの3年間。


それは、
人生という長い旅路の中では、
ほんの一瞬の出来事かもしれない。

けれど、
その短い時間の中で、
僕たちの周りの環境は目まぐるしく変化し、
僕たち自身も、
心も体も、
大きく成長していく。

昨日まで子供だった僕たちが、
明日にはもう、
大人の階段を一段上っている。

そんな不安定な時期だからこそ、
周りの声に惑わされず、
自分の心の奥底から聞こえる小さな声に、
しっかりと耳を傾けることが大切だったのだ。

あの頃の僕は、
周りの評価ばかりを気にして、
本当の自分の気持ちを置き去りにしてしまった。


もし、
あの時、
もっと自分の心の声に素直になれていたら、
違う選択をし、
違う道を歩んでいたかもしれない。

後悔先に立たずとは言うけれど、
あの経験があったからこそ、
今の僕があるのだとも思える。

だから、
今、青春の真っただ中にいる君には、
どうか同じような後悔をしてほしくない。

周りの声に流されることなく、
自分の心の羅針盤を信じて、
後悔のない、
きらめくような学生生活を送ってほしいと、
心から願っている。

君の未来は、
君自身の選択で、
無限に広がっているのだから。

だから、
どうか、
今、
誰かを想い、
悩んでいる君よ。

恐れないで、
君自身の心に耳を澄ませてほしい。

周りの声に惑わされず、
本当に大切なものを見失わないでほしい。

そして、
一歩踏み出す勇気を。

たとえそれが小さな一歩だとしても、
きっと未来を変える力になるはずだ。

君の勇気が、
いつか、
温かい光となって、
君自身を照らしてくれることを信じている。

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