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いつものクレーマーおじいちゃん

マイキーさんの記事にコメントをしたら、しれっとバトンを渡された。

ありがとう、マイキーさん。
しっかり受け取りました。

ちょうど書こうと思っていたことがあったので書いていこうと思う。


10年以上前だろうか。
当時、私はスーパーでレジ打ちをしていた。

そこにいつも店に来ては、クレームを言うおじいちゃんがいた。

毎日、閉店の1時間前とかにやってくる。
そしてゆっくりと店内を見てまわり、クレームを言う。
値段が違うとか、あれないの?なんでないの?とか。
その日の数量限定の商品なんか、閉店前に来てもないに決まってるのに、それに対して何でないんだ!と言われたこともある。

些細なことだが、何かしら言わないと気が済まないのだろう。しかも、それを何十分もかけて言う。

こっちの話は聞かないし、後ろに他のお客さんが並んでても関係ない。
何十分も一方的に言わないとダメなようで、ただひたすら耐えるしかない。

一緒に働いていた人達は、また来た!と身構えるし、売り場で作業をしている従業員も、話しかけられたら最後、何十分もクレームを聞かされる。

もちろん私も。
どんなに謝っても引かない。
そんなに文句言うなら来なければいいのにと思っていた。

でもある日、もしかしたらあのおじいちゃんは、誰にも相手にされなくて、でも誰かと話したくてそうしてるのでは?と思った。

だから次に店にきたら、違う対応をしてみようと思った。

数日後。

あのおじいちゃんが私のレジへ来た。

待ってました!

私は自分から話しかけた。
それもとびきりの笑顔で。

「この商品、買えたんですね!よかったです!この前、買えなかったから…」と。

すると、そのおじいちゃんは一瞬、固まった。
そして、笑顔で「そうなんだよー」と言った。

まさか、私から話しかけられるとは思ってなかったのだろう。
その後は、笑顔で色々話しかけられたので、私も最後まで話を聞いてあげた。

「へ〜、そうなんですね〜」
「そうなんですか?」
「へ〜」
「うん、うん」

とにかく笑顔で相槌を打ちまくって、おじいちゃんの話を聞いた。

幸い、閉店間際で、他にお客さんはいなかった。

何十分もそうやって、おじいちゃんの話しを聞いてあげた。

あんなにも毎日クレームを言っていた人には見えないくらい、明るく楽しそうに話してくれた。

そして、帰るときには、とびきりの笑顔で手を振って、私に向かって
「アイラブユー‼️」
と言って帰って行った。

それからは、買い物に来るたびに私のところへ来て、話しをするようになった。
その度に、「早くレジ締めて、お茶でも行こう」とか「ご飯食べに行こう」とかそんな冗談まで言ってくれるようになった。

あのおじいちゃんが、その後どうしているのかは分からない。

もう10年以上前の話だから、きっと私のことなんて覚えていないだろう。

でも私は、今でも覚えている。

クレームを言っていたおじいちゃんが、最後には満面の笑みで、

「アイラブユー‼️」

と言って帰っていったことを。

そしてたぶん私は、あの日から少しだけ、

「この人は、なぜこんなことをするんだろう?」

と考えるようになった。

目の前の行動だけじゃなく、その奥にあるものを想像してみる。

それだけで、人の見え方って変わるのかもしれない。


エッセイしりとりもまもなく終わりなので、今回は私のところでバトンは止めておきます。

まさか、この時期にまたバトンがくるなんて…
油断してました…
優雅にコーヒー飲みながら、皆さんのエッセイしりとりを読んでたら、まさか回ってきました。

ですが、とても楽しかったので、マイキーさん、また何か面白い企画お願いします!

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