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#21【アズのひとりごと】「こんなに好いてくれてるアズさん」って、誰の話?


🌱これは“本編”とは少し違う、小話


こないだ、山田さんがこんなことを言った。
酔っ払っていた。

「俺、愛されたことがないから
愛が分からんねん。こんなに好いて
くれてるアズさんには悪いんやけど…」

酔いが吹き飛んだ。


……待て。
誰の話?


いやいやいや。
ちょっと確認させてもらっていい?

“こんなに好いてくれてるアズさん”って
どこのアズさんよ?

■ 自惚れ、発生


まず整理する。

私は確かに、山田さんとデートするし
バレンタインも送ったし、山田さんの
誘いで一緒にランイベントにも出た。
スキンシップも、まあある。

でもそれと、

「こんなに俺を好きなアズさん」
は、だいぶ距離がある。

私は、


バツイチで
💣家庭裁判所通過済み


🩶ロマンス(死語)より現実。
🩶夢より証拠。
🩶感情より段取り。

経験値で言えば、

レベル1の勇者に
「俺のこと好きやろ?」って言われてる
ラスボスの気分である。

■ 免責も同時に来る


しかもこの発言、よくよく聞くとすごい。

🩷すごく好かれてる前提で話す
🩶でも「愛は分からん」と言う
🩶「返せなくても仕方ない」
🩶「不手際は許して」と先に言っている

まとめるとこうなる。

「君は俺を好き。
でも俺はうまく愛せないから、そこは許して」


自惚れと免責の同時発動である。

忙しいな。

■ いや、こっちは冷静やねん


ここで言っておきたい。

私は恋に酔って暴走するタイプではない。
間違っても失楽園にはならない。

むしろ逆だ。

相手の言動を見る。
違和感を拾う。
距離感を測る。
必要なら引く。

という、駆け引きともちょっと違う
「現実的な運用」をしている。
危機管理に近い。

感情のまま突っ込むフェーズは
とっくに終わっている。

だから、

「こんなに俺を好いてくれてるアズさん」

と言われた時の
私の心の声はこれである。

「そこまで言うてへん」

ほんまに、言うてへん。

■ 恋愛だけなぜか新卒感


山田さんの名誉のために言うと、
条件だけ見たら、山田さんはいい。

大企業勤務。
趣味もあって体も鍛えている。
金銭感覚は堅実。
体調を崩した時に責めない。
静かで、基本的には誠実だ。

たぶん、かなりの「当たり」

でも、恋愛だけ変。
妙な新卒感がある。

社会人としてはベテラン。
きちんとしてる。
墓参りは欠かさない。

なのに恋愛だけ新人研修みたいになる。

責任はまだ取れない
自分の不器用さを先に申告する
そのくせ、相手の温度確認は雑


■ 出力調整されてる疑惑


そして最近、ふと思う。

山田さん、
私の様子を見て、出力をちょいちょい
調整してないか?

たとえば、

強く出たら引かれる → 抑える
でも距離は切りたくない → つなぐ
好意はある程度見せる → 安心させる
ただし責任は取りたくない → 予防線を張る

これ、全部組み合わさるとどうなるか。

“ちょうどいい関係を維持するAI”
みたいになる。

いや、私人間なんやけど。

■ 愛が分からない人の戦略


山田さんの「愛が分からない」は
たぶん本音もあると思う。

お母さんに愛されなかった寂しさが
消えていないのだろう。
そこは、普通に可哀想だと思う。

でも同時に「愛が分からない」は
便利な言葉でもある。

それを言っておけば、

期待値を下げられる
失敗しても許されやすい
でも関係は続けられる

万能である。

ただし副作用もある。

それを言われた側は、普通に思う。

じゃあ私は何なん?

好意は受け取る。
でも返し方は分からん。
それで、もし私が傷ついても
「だって愛が分からんし」
で済ませる気か?

■ 結論


山田さんのことは好きだ。
でも、会いたくて震えるほど
大好きでたまらないわけではない。

なので
勝手に“めっちゃ好いてる側”
に配置されるのは、私としては不本意。

あと、免責付きで愛の話をされるのも
ちょっと違う。

無償の理解や、無償の愛を求めるなら、
それはだいぶ都合がいい。

リハビリセンターにはなれない。

こっちは人生の復旧工事を終えた身である。


自費でな。


なので、仮契約関係の他人の基礎補修まで
請け負う余裕はない。

■ 最後に


あの時、私は思った。

愛が分からないとか言うより先に、

私の温度、ちゃんと確認してくれへん?

そしてもう一つ。

愛ってそんなにややこしいか? 


🐶ここだけの話やけど

ここだけの話やけど、

私は山田さんより
健太郎の方が大事である。


健太郎のは実家の犬で、3歳。
私にとっては、もはや息子も同然だ。
山田さんには、ちゃんと最初から
健太郎の存在を明かしている。

母に何かあったら、私が最期まで
一緒に暮らすことになっていることも。

山田さんはいい加減な人ではないから、
「もちろん大丈夫だよ」とは言わない。
分からない先の約束なんてしない。

けれど、もし山田さんが
「愛が分からない」とか言いながら、
私の大事な健太郎を曖昧に扱うようなら、
その時点で終了である。

だって、

彼氏より息子が大事なのは当たり前やろ。

議論の余地ある?
ない。

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