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表に出ていない情報にこそ価値がある—民泊【中河原邸 紬】と地域をつなぐ体験づくり

私達は栃木県にて、5棟の一棟貸し切り型の民泊を運営していますが、中河原邸 紬だけは少し特別な立ち位置にあります。築150年以上の古民家というポテンシャルに加えて、「地域そのものを体験してもらう」という方向性を打ち出しているからです。

今回は、なぜ地域体験を組み込むことにしたのか、そしてその体験を提供してくれる地域の方たちとの出会いについて書いてみようと思います。

なぜ「体験」を組み込んだのか

ここでしか得られない時間で勝負する

私達が民泊を始めた当初(2020年)と比べて、ここ最近は地方においても民泊の数がかなり増えてきました。栃木県内、小山市周辺だけを見ても、選択肢は年々広がっています。古民家民泊自体も、かなりその数を増やしてきています。そうなると、当然「なぜこの宿を選ぶのか」という理由が必要になってきます。

もう一つ感じているのが、お客様の旅の目的そのものの変化です。少し前までは「観光地に行って、有名なものを見る」というスタイルが主流だったように思いますが、最近は「その土地の暮らしをリアルに体感したい」というニーズが強くなってきています。古民家という建物そのものが「暮らしの跡」を残しているからこそ、そこに地域の空気感まで重ねられれば、他の宿にはない体験となり、またこの宿を選ぶというリピーター獲得につながると考えました。

差別化の必要性を感じたきっかけ

中河原邸 紬をオープンしてから、コンスタントに予約が入るようになるまでには1カ月ほどかかりました。Airbnbには「口コミ3件の壁」とでも言うべきタイミングがあり、そこを超えるとビュー数が大きく伸びる一方で、口コミが増えるためにはまず予約が必要という堂々巡りに、かなりやきもきした記憶があります。

▼このあたりの経緯は以前の記事に詳しく書きました。

この時期を通じて実感したのは、古民家の趣や価格帯だけで選ばれる宿にはどうしても限界があるということでした。選んでいただく瞬間、あるいは選んでいただいた後の滞在の中で、この古民家ならではの物語を感じてもらい、「この宿は自分にとって唯一無二だ」と思っていただけるかどうかが重要なのだと考えるようになりました。だからこそ、「泊まる」だけでなく「+αの体験」を用意して、選ばれる理由をもう一段増やしたいと考えるようになったのが、地域体験に力を入れ始めたきっかけです。

中河原邸の周辺はとてものどかで、ゆっくりと散歩したくなる

体験ラインナップ

中河原邸 紬でご案内している体験は、現在リクエストベースで以下のようなものがあります(宿泊予約時にリクエスト下さい)。それぞれ簡単にご紹介します。


農作業・手作業体験(NPO連携)

地域のNPOと連携し、季節に応じた農作業・手作業を体験していただけます。都市部からのゲストにとっては、土に触れること自体が新鮮な体験になり得ます。
私も先日子供二人(5才&3才)を連れて田植えを体験してきました。子供たち二人も地域の中で楽しく過ごせました(体験内容によっては子供には難しいこともありますが、考慮してくれると思うのでお気兼ねなくご相談下さい^^)。

NPO法人FLYING KIWIさん提供。

結城紬体験

宿の名前にも入れている「紬」は、この地域を代表する伝統工芸・結城紬に由来しています。実際に結城紬を織っている店まで民泊施設から徒歩で行くことができます。実際に作業の一部を体験していただくことで、名前の由来そのものを体感してもらえます。

↑私が体験しています。笑

地元弁当

地域の方が作る手作り弁当も手配可能です。お弁当の内容は相談に応じて、合わせられます!とのことです。

上が1,000円、下が600円。家にあった割りばしと比べてみました。大きさが伝わるでしょうか

破格ともいえる価格設定にもかかわらず、インターネット上には情報が全く出てきません。こうした「知る人ぞ知る」情報にゲストがアクセスできるようになれば、それ自体が旅の価値になるのではないかと感じています。

※お弁当は絹ふれあいの郷でも購入できます。絹ふれあいの郷ではお野菜等も買えるので覗いてみて!

https://maps.app.goo.gl/oTQqwGqQfXrSmzM57

地域活動への参加

タイミングが合えば、地域のお祭りや行事など、実際の地域活動に参加していただくことも可能です。

詳細はお問い合わせ下さい^^

実はこのラインナップ、地域の方が「こんな体験ができますよ」とまとめて渡してくださったリストがベースになっています。季節や天候に左右されるものも多く、すべてを常時ご案内できるわけではありませんが、その分「今だけ」「その日だけ」の特別感があるものばかりです。

これらはすべて常設のプログラムにはせず、リクエストがあった際にご案内する形を取っています。


地域との関係づくりで大切にしたこと

体験ラインナップを形にする過程で印象的だったのは、地域の方たちの積極性です。

たとえば先ほど紹介した地域活動リストは、地域のある方が「地域としてこんな体験ができますよ」という内容をわざわざPDFにまとめて渡してくださったものを元にしています。こちらから細かく聞きに行く前に、向こうから情報を整理して届けてくれる。他の地域ではなかなか経験しなかったことで、正直かなり驚きました。

先ほど触れた地元弁当も、価格の破格さに加えて、インターネット上に一切情報が出ていないという点がとても印象的でした。結城紬の体験施設についても同じで、本物の職人が実際に織っている様子を間近で見られるにもかかわらず、その情報がほとんど表に出ていません。こうした「地域の中では当たり前だけれど、外からは見えていない」情報に、旅人がアクセスできるようになったら面白いのではないか。それが、体験ラインナップを整理していく中で強く感じたことでした。

関係づくりの進め方としては、特別なことをしたわけではありません。関係者一人ひとりになるべく直接会って話を聞くこと。そして今どきの手段として、LINEやDMも積極的に使いながら、必要な情報をこまめに把握していくこと。この両方を並行して進めました。

加えて意識しているのは、地域に「なるべく時間を割いて出入りする」ということです。用事がなくても顔を出す、車で通りかかるついでに寄る。そうしたことを重ねるうちに、少しずつ「顔」や「車」を覚えてもらえるようになりました。信頼関係というのは一度の打ち合わせで作れるものではなく、こうした地道な積み重ねの先にできていくものなのだと、あらためて感じています。

これから広げていきたいこと

撮影ロケ地としての展開

古民家という建物の持つ雰囲気は、宿泊以外の需要も引き出せる可能性があると考えています。撮影ロケ地を集めた栃木県フィルムコミッションのサイトへの登録を進め、実際に情報が公開されました。写真や映像の撮影場所として、地域の魅力ごと発信していけたらと考えています。

地域体験のさらなる拡張構想

地元弁当や結城紬体験施設のように、地域にはまだまだ「情報として表に出ていないけれど価値のあるもの」がたくさんあると感じています。こうした情報を少しずつ掘り起こし、ゲストがアクセスできる形にしていくことを、今後も続けていきたいと思っています。

おわりに

古民家×地域体験という組み合わせは、最初から明確な勝算があって選んだというより、「ここでしか得られない時間」を作ろうとした結果、自然とたどり着いた形でした。地域の方たちの積極性に助けられながら、少しずつ形にしてきたこの取り組みは、まだ発展途上です。

同じように地方で宿を運営されている方、これから地域と関わりながら何かを始めようとしている方にとって、何か参考になる部分があれば嬉しく思います。

▶中河原邸紬Airbnbはこちら

▶中河原邸紬Bookingはこちら

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▼中河原邸紬 弊社公式LINEからも予約可能です

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