形態による有利不利が顕著なコース
皆様、こんにちは。まぐです。
前回は「“ペース”を決める要素について考える」というテーマでお話しました。
今回は中でも特に先行有利になったり、差し有利になったりするコースを取り扱い、その特徴や注目すべきポイントについて語りたいと思います。
まずは中山芝1800m。
前回、芝1800mの中でも中山は初角までが短く(205m)、コーナー角のキツい1.2コーナーを通過するため、3F通過は非常に遅くなりやすいと書きました。
古馬戦における3F通過平均値は36.52秒。
同じ中山でも芝1600mが35.06秒、芝2000mが36.09秒なので、ひときわ、スローペースになりやすいコースだと言えるでしょう。
2022-2024年における脚質別・枠順別成績は以下の通りになっています。


逃げ・先行の複勝率が高く、枠も内が優勢。つまり中山芝1800mは「前+内」が噛み合ったときに、最も結果が出やすいコースだと言えます。
予想では内枠の先行馬をまず探します。ただこのコースは、それと同じくらい「不利を受けた馬」も見つけやすいと言えます。
典型が、外枠の先行馬が初角で外を回され、位置を下げてしまう形です。外枠から先行しようとすると、内の先行馬と雁行状態になり、ロスを背負いやすい。能力ではなく、コース形態で負ける馬が混ざります。
だから中山芝1800mで「外枠から先行して、外を回すロスで負けた馬」は、次走の条件替わりで狙い目です。
今年の中山記念は開幕週の超高速馬場で開催されました。レコードが出るような全く緩みのないラップになったため、外を回すと、その分だけ最後に止まりやすいレースだったと言えます。
大外16番枠を引いたクルゼイロドスルは初角で内から6頭分の外を回されてしまいました。2角でも内から5頭分の外。3.4角も内から3頭分の外を回されるというあまりにも高い負荷を受けることになったのです。
にもかかわらず、クルゼイロドスルは0.5秒差の5着まで伸びてきました。
しかし、この馬に関しては不利が明確すぎて、次走は穴になりませんでした。次走・エプソムカップは穴になると思って本命を打ったのに4番人気に。
その結果は4着。
超ハイペースの展開のなか、それなりに走っていますが、やはり今のトレンドは「レース回顧」なんだなと強く実感した出来事になります。
この「外枠先行の外々ロス」は見つけやすく、パッと調べただけでも今年いくつも見つかりました。
9月6日中山9R・古作特別のレイヤードレッド。
4月18日中山6R・3歳1勝クラスのギフテッド。
1月19日中山8R・4歳以上2勝クラスのキョウエイブリッサ。
中山牝馬ステークスのシランケドもこのパターン。
本命を打っていただけに、初角では「嫌だな……」と思って観ていましたが、結果、差し切り。内が完全に良かった訳ではありませんが、馬の力だけで勝ったと高く評価していたため、次走・ヴィクトリアマイルで本命を打つことができたのです。
続いては差し有利な中京芝2200mを取り上げます。


中京芝2200mの古馬戦における3F通過平均値は35.72秒。
近い距離でこれより速いコースは、
京都芝2400m:35.49秒
阪神芝2200mが35.38秒
新潟2200m:35.67秒
福島芝2000m:35.34秒
などがありますが、この中で逃げ馬の単勝回収率・複勝回収率が100%を切るのは、中京芝2200と京都芝2400mのみです。
京都芝2400mは先行馬の複勝回収率が100%を超えていますが、中京芝2200mは先行馬の回収率も低く、JRA屈指の差し有利なコースだと言えます。
この原因は、中京芝2200mが非常に起伏に富んだコースだからでしょう。
基本的に競走馬も人間(マラソンは一定のペースを守るのが原則です)も、一定の速度で走り続ける方が消耗が少ないですが、中京芝2200mは加減速の激しいレースになりやすいのです。
その典型例で、かつ、私が驚いたレースを1つ挙げたいと思います。
2024年の揖斐川ステークスです。
2024年8月24日中京9R 揖斐川ステークス
12.8-10.8-10.9-12.8-13.1-12.6-13.0-12.3-11.9-11.2-11.6
このレースは3F通過だと34.5秒、1000m通過だと60.4秒で中緩みしましたが、後半3F目からまた11秒台に突入しているのです。
最速ラップが10.8秒で、最遅ラップが13.1秒ですから加減速が激しいレースだったと言えるでしょう。
このラップを刻んで逃げて残したタガノデュードは驚くべきスタミナを秘めています。ただ、折り合い難のため、そのせっかくのスタミナを生かすための長距離に使えていない現状。豊富なスタミナを備えているのは間違いないので、折り合いを付けるのが上手い騎手が乗って長距離に出てくれば、迷わず買っていいと思います。
マイル戦における中緩みは先行馬がスタミナを持たせるのに効果的ですが、中距離以上の中緩み戦は逃げ・先行馬が不利になりやすいと言えます。
「前半速い→中盤中緩み→直線再加速」というラップ構成は加減速が激しく、逃げ・先行馬がバテやすいため、差し馬が届きやすくなるのです。また、序盤でせっかくリードを築いたのに、中緩みによって馬群が凝縮しやすくなります。
この事実に気付いたのは、ミッキースワローの勝った2020年日経賞を観て疑問を抱いたからです。
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