ドビュッシー「夢想:Rêverie」リズムと浮遊感が大事だよね:アラン・プラネス
作曲者:ドビュッシー
曲名 :夢想 Rêverie
演奏者:アラン・プラネス
この曲もドビュッシーの中では人気のある曲だけども、
どういう演奏が良い演奏になるのかを考察してみようと思う。
Rêverie, L. 68
この曲はドビュッシーの初期の作品になる。
だからと言って立体的あるいは平面的な表現が使われていないと思って、
旋律だけ奇麗に整えようとすると良い演奏にはならないのではないかと思う。この曲での良い演奏を探す時に気を付けるのはなんだろうか。
それはタイトルが示す通り、聴いていて夢想の世界にちゃんと入れるかだと思う。特にリズムで精神的な穏やかさを作るのが大事だと思う。
つまりこの曲はジムノペディに構造的に近いものがある。年代からもサティとドビュッシーの関係から言っても何も影響を受けずに作りましたではないかと思う。
確かにこの曲は旋律を整えることに集中して演奏すると美しい曲になる。
だけども実際には、夢想の世界を平面的に作る演奏の腕が必要になると思う。難しいのはリズムで精神世界を作りながら旋律で夢の中での感情の揺れ動きというか浮遊感を表現する必要があるのが難しいのだと思う。
以上の条件を踏まえた上でこの演奏を選んだが、再生数で言えばもっと多い演奏はあるんだけども、私の考えた条件に合わなかった。
特にリズムは良く表現できてるのに旋律での夢の浮遊感が惜しいなと思う演奏が多かった。
プラネスの演奏はリズムでの精神性と旋律での夢の世界を壊さないように上手に両立している点がとても納得できるものがあった。
ドビュッシーはこの曲を余り気に入ってはいなかったかもしれないけども、現代での人気から言っても中々にして名曲と言えるのではないかと思う。
特にこの精神的な空間を表現できるという構造になっているのはベルガマスクと比べても先進的だったと言えるのではないだろうか。
ドビュッシーやラヴェルの曲で思うのは、この人だという特定の演奏者をなかなか固定できない点だ。それだけ曲に対しての専門性が高いという事ではないだろうか。それに1曲の解釈では掴み切れない構造の複雑さとか広がりの深さとかがあるのではないだろうか。
