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銀河英雄伝説クラシック音楽一覧 │ (27)第20話「流血の宇宙」

OVA「銀河英雄伝説」で使われているクラシック曲をGoogleスプレッドシートにリスト化し、Webサイトで公開しています。
🔗 銀河英雄伝説クラシック音楽一覧 Musik und Szenen – ein Strauß gelber Rosen

このnoteではBGMを軸に、曲のことや物語のこと、ミッターマイヤーのこと、そのほか銀英伝に関するいろいろを書いていきたいと思います。
⚠️ネタバレを含みます。

今回は第20話「流血の宇宙」
ワーグナー多め、ミッターマイヤー多めです。


あらすじ

帝国ではリップシュタット戦役が開始。ラインハルトは「賊軍」の艦隊を率いるのが、ミッターマイヤーの士官学校時代の師シュターデンと知り、ミッターマイヤーを差し向ける。シュターデンは、若手士官の暴走もあり敗北、レンテンベルク要塞へ退却。そこには白兵戦の猛者、オフレッサー上級大将が待ち構えていた。


曲について

⬜オープニング「Skies of Love」

歌・作詞・作曲 秋吉満ちる / 編曲 風戸慎介


01:33 ワーグナー《「さまよえるオランダ人」第1幕「何度も海の底深く」》
――ガイエスブルグ要塞に集結する貴族たち

R. Wagner – Der fliegende Holländer, Akt I Die Frist ist um
映画「新たなる戦いの序曲」では「さまよえるオランダ人」の序曲がテーマ曲のように使われていました。

序曲とは、オペラやバレエで幕が開く前に流れる曲です。よってそのあとから本編がはじまるわけですが、この「何度も海の底深く」は第1幕で序曲のあと最初に流れる曲、主役であるオランダ人のモノローグです。
低音楽器が静かに鳴り、不気味な雰囲気を醸し出しています。
🎧曲を聴く19:38
※歌詞つき

実は私は、この曲に個人的に縁があります。
銀英伝がアニメ化されたころ、YouTubeどころかネットなんてありませんでしたから、音楽が聴きたければCDやレコード(!)を買うかレンタルするかラジオやテレビで聴くかでした。ラジオやテレビでお目当ての曲を聴くことを「エアチェック」といいまして、あらかじめ雑誌(FM専門誌があった)などの番組表で調べておきます。私はそれを見つけるとカセットテープに録音していました。その中にこの「何度も海の底深く」があり、かっこいいなー!と思いながら何度も聴いていたのです。
ここでは出だしの前奏部分しか流れませんが、その先、歌が始まると、オランダ人が苦悩を吐き出すような、激しくドラマティックな展開になっていきます。

そんなわけで、ここで流れたときに私はすぐにこの曲だと分かりました。たぶん使われている音源も同じなように思います…たぶん。今はCDで持っています。

テオ・アダム「ワーグナー・オペラ名曲集」
ドイツシャルプラッテンレコード 株式会社徳間ジャパン

ところで「さまよえるオランダ人」とは、神を冒涜したため呪われ海を彷徨い続けていたところを、少女の自己犠牲により救われるというお話です。「呪われている」というのであれば、ロイエンタールが思い浮かびませんか? 銀英伝の中でいちばんオランダ人に近いといえば、ロイエンタールと言えなくもないと思うんですけど…ちょっと違うか。
とはいえ彼は結局、救われたんでしょうか? 無念のまま終わったのではなく…えーと、まだここで書くべきことではないですね。ごめんなさい。

この曲が流れるのは、あとは
▻第023話「黄金樹は倒れた」8:42シュタインメッツの報告
▻「千億の星、千億の光」第1話「ヴァンフリート星域の会戦」18:20苛立つラインハルト
です。別にロイエンタールと関係ないシーンですね。


04:49 ワーグナー《交響曲 ハ長調 第2楽章》
――🐺ミッターマイヤー出撃

R. Wagner – Sinfonie C-Dur, WWV 29, II. Andante ma non troppo, un poco maestoso
ミッターマイヤーに、士官学校時代の教官「理屈だおれの」シュターデンと相対するよう指令がくだり、出撃します。
🎧曲を聴く19:07
おなじみのワーグナーの交響曲、今回は2楽章。最初の暗く不安げなパートが終わり、管楽器が誇らしげに鳴る第2部から、ここでは流れます。ミッターマイヤーがかっこよすぎます。

08:32 ワーグナー《交響曲 ハ長調 第3楽章》
――🐺ミッターマイヤーの開戦

R. Wagner – Sinfonie C-Dur, WWV 29, III. Allegro assai
ミッターマイヤーが「これだから貴族のバカ息子はどしがたいのだ」とおっしゃっています。かっこよすぎます。
3楽章の頭から。
🎧曲を聴く 27:27
「Allegro assai」となっていますが、スケルツォともいえるような3拍子で、スタッカートの軽いメロディーが続きます。
そしてこの「どしがたいのだ」のあとから、今度はレガートのメロディーが転調しながら上っていきます。ワーグナーのこういうところが、私は好きです。


10:56 ブルックナー《交響曲第7番 第4楽章》
――🐺ラインハルトから労いを受けるミッターマイヤー

A. Bruckner – Sinfonie Nr. 7 E-Dur, WAB 107, IV. Finale: Bewegt, doch nicht schnell
この7番4楽章は、前回の第19話「ヤン艦隊出動」の衝撃的な場面で出てきました。その前、頭から1分半ぐらいの穏やかな部分です。
🎧曲を聴く 54:55

16分音符のところが、私にはワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」に聴こえます。そっくり。

出典:Anton Bruckner 《Symphony No. 7 in E major, WAB 107》
Leipzig: Musikwissenschaftlicher Verlag (Alte Gesamtausgabe, Band 7), 1944. Plate (該当版)
IMSLP #978918 / PMLP 7929 / Public Domain
https://imslp.org/wiki/Symphony_No.7_in_E_major%2C_WAB_107_(Bruckner%2C_Anton)


11:45(曲なし)
――🐺レンテンベルグ要塞攻略の指令をうける

双璧にオフレッサーがいるレンテンベルグ要塞を攻略するよう指令が下ります。


12:16 マーラー《交響曲第6番「悲劇的」第3楽章》
――レンテンベルグ要塞へ

G. Mahler – Symphonie Nr. 6 a-Moll „Tragische“, III. Scherzo: Wuchtig
いつもの、憂国騎士団のシーンや、薔薇の騎士連隊のシーンで流れていたあの曲の3拍子のほう。…ってつまり、装甲服を着ている場面の曲…?
🎧曲を聴く43:38


12:40(曲続き)
――🐺レンテンベルグ要塞着陸

ロイエンタール「もし一対一でオフレッサーに出会ったら、卿ならどうする?」
ミッターマイヤー「すっ飛んで逃げるね」


14:40(曲なし)
――🐺ラインハルトに報告

オーベルシュタインの提案により、また、オフレッサーに姉君のことをなじられ怒ったラインハルトは、双璧に、オフレッサーを生け捕りにするよう命じます。やれやれ。

16:40 マーラー《交響曲第6番「悲劇的」第3楽章》
――🐺オフレッサーと対峙する双璧

G. Mahler – Symphonie Nr. 6 a-Moll „Tragische“, III. Scherzo: Wuchtig
オフレッサーを罠にかけるべく、双璧自身が装甲服を着て迎え討つシーン。かっこいいー
12:16と同じ曲です。
🎧曲を聴く43:38


18:25(曲なし)
――🐺ラインハルトに報告

オーベルシュタインの提案により、オフレッサーは殺さないことに。

19:25(曲なし)
――🐺オフレッサーを帰らせる

オフレッサーを乗せた船が出ていくのを眺める双璧。


21:42 ワーグナー《「パルジファル」第1幕より「 わが身に負わされたこの苦しい世襲の役目」》
――オフレッサーの死

R. Wagner – Parsifal, WWV 111, Akt I: „Wehvolles Erbe, dem ich verfallen“
最初に流れた「さまよえるオランダ人」のモノローグのように、こちらもワーグナーのオペラのアリアです。今度は最初ではなく、歌が終わって静かに伴奏楽器が終わる、最後の箇所です。
「次回へ続く」という予感のする曲です。
🎧曲を聴く 6:59
オフレッサーがちょっとかわいそうよね…。

こちらは
▻第024話「誰がための勝利」21:52メルカッツの亡命
でも使われています。


⬜エンディング「光の橋を越えて」

歌・作詞・作曲 小椋佳 / 編曲 風戸慎介



BGMリストについて

BGM全曲をスプレッドシートでリスト化し、該当曲がアニメで流れる箇所からYouTubeで聴けるようにリンクを張っています。
今回ご紹介した第20話「流血の宇宙」のリストが見られるのは  こちら です。
各曲のどの部分がどこで流れるかは、スプレッドシートのリストをご確認ください。

このnoteをお読みになって曲に興味を持たれた方や、アニメを見て「聞き覚えはあるけれど曲名が思い出せない」「この曲をフルで聴いてみたい」と思ったとき、ぜひご活用ください。


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