銀河英雄伝説クラシック音楽一覧 │ (96)第84話「失意の凱旋」
OVA「銀河英雄伝説」で使われているクラシック曲をGoogleスプレッドシートにリスト化し、Webサイトで公開しています。
🔗 銀河英雄伝説クラシック音楽一覧 Musik und Szenen – ein Strauß gelber Rosen
このnoteではBGMを軸に、曲のことや物語のこと、ミッターマイヤーのこと、そのほか銀英伝に関するいろいろを書いていきたいと思います。
⚠️ネタバレを含みます。
今回は第84話「失意の凱旋」です。
あらすじ
ヤンの死は同盟軍のみならず帝国側にも衝撃を与え、ラインハルトは深い喪失感を抱く。イゼルローンの皆も失意に沈む。ポプランも自室にこもっていたが、ユリアンの司令官就任を機に前を向き直す。帝国からはミュラーが弔問に訪れる。一方、ロイエンタールは新領土総督としてハイネセンへ。時代は大きな節目を迎える。
曲について
00:00 オリジナル《「歓送の歌」インストゥルメンタル》
――自室にこもっていたポプラン
オープニングソングはなく、頭から物語が始まります。こもっていたポプランが復帰。
ポプランのあとのメルカッツさんのシーンもよいです。
03:03 ドヴォルザーク《序曲「オセロ」》
――ヤンの葬儀/ヤンの訃報を受けるラインハルト
A. Dvořák – Konzertouvertüre „Othello“, Op. 93, B. 174
3/4ぐらいのところ、520小節から。フルートの音が響く静かな音楽から、だんだん盛り上がってシンバルが鳴り全楽器が響きます。次のシーンの頭にかかるぐらいまで、この曲の最後まで流れます。
🎧曲を聴く12:00
ラインハルトの「フロイラインにはつねに予の傍にいてもらわねばこまる」発言はここ(原作8巻第7章Ⅰ)。
05:30 (曲なし)
――🐺帝国軍会議 ヤンについて
ユリアン・ミンツとは何者だという話になり、その場で検索。原作では、調べるのに1時間かかったと記述あり。
08:00 (曲なし)
――🐺ベイオウルフでの双璧
ベイオウルフで双璧が黒ビールを飲んでいるシーン。
帝国軍の大親征はもう10ヶ月になる。これで平和が訪れ、みんな会いたい人に会える。
「卿も愛する妻のもとへ帰れるか、ミッターマイヤー」
「ああ、ありがたいことさ」(原作8巻第7章Ⅱ)
てらいもなく答えるミッターマイヤー。
また、フェリックスが5月2日に生まれたと。このことでちょっといやな雰囲気になりますが、まあ、すぐに仲直りをして(次へ)
11:48 ブラームス《交響曲第3番 第2楽章》
――🐺双璧の最後の握手
J. Brahms – Sinfonie Nr. 3 F-Dur, op. 90: II. Andante
(続き)握手をして別れました。この日新帝国歴2年6月8日は、双璧が最後に一緒に飲んだ日、最後に握手した日となったのでした(原作8巻第7章Ⅲ)。
2楽章の最後の3小節。静かで美しい終わり方です。
🎧曲を聴く 20:12
前回は、第082話「魔術師、還らず」12:40フレデリカに別れを告げるヤン で終わりの16小節間が流れました。
2楽章が使われるのはこれでおしまい。
12:05 ショスタコーヴィチ《交響曲第5番 第3楽章》
――🐺カイザーから撤退命令
Д. Д. Шостакович – Симфония №5, ор. 47: III. Largo
3楽章頭から。弦楽器だけの、静かな、悲しいコラール。
🎧曲を聴く 23:28
悲痛な、と言ってもいいのかも。初演のときに、すすり泣きする聴衆がいたらしいです。
本伝で3楽章が流れるのは今回だけです。
あとは、外伝で2回。
▻「千億の星、千億の光」第7話「初夏、風強し」 5:42 リューネブルク夫妻がオフレッサーに挨拶
▻「千億の星、千億の光」第12話「千億の星、ひとつの野心」19:21 無秩序な追撃をする同盟
13:40 ドヴォルザーク《「自然と人生と愛」より序曲「自然の中で」》
――ミュラーの弔問
A. Dvořák – Příroda, život a láska: I. V přírodě, op. 91, B. 168
頭のほう、29小節目から。静かにはじまるのですが、ここは太陽が昇るようにだんだん盛り上がっていきます。明るい曲です。
🎧曲を聴く0:59
あら。このメロディーは「オセロ」↓↓ではないですか。このメロディーの長調版。
今、知ったのですが…
今回の曲名は『「自然と人生と愛」より序曲「自然の中で」』としていますが、この「自然と人生と愛」というのは演奏会用序曲3部作だそうで、3部作とは
「自然の中で」Op.91、「謝肉祭」Op.92、「オセロ」Op.93
とのこと。「オセロ」も仲間なのでした。
ドヴォルザークはこの3曲を一緒に演奏することを想定して作曲したようですが、単独のことのほうが多いようです。「謝肉祭」がいちばん演奏されるとか…でも銀英伝では使われていません。そしてこの「自然の中で」は今回のみです。
さて、流れているのは、ミュラーがパーツィバルに乗ってイゼルローンを訪れるところから。パーツィバルは、ミュラーが戦艦をいくつも乗り換えて「鉄壁」と呼ばれるようになった戦いのあとに、新しくもらった戦艦なのですよね。新型モデルだから他の戦艦と形が違うのですよね。なんだか虹色に光っています。
あれ?
パーツィバルって、パルジファルじゃないですか。白鳥の王子様。
さて、ユリアンに対して、英語の「Mr.」にあたるドイツ語の「ヘル(Herr)」をつけて、ヘル・ミンツと呼ぶシーンもこちらです。
ミュラーはヤンとラインハルトが会見したときに出迎えたから、面識があるのですよね。その前にこてんぱんにやられて、「大神オーディンもご照覧あれ」と復讐を誓っていたわけですが。
15:50 ショスタコーヴィチ《交響曲第15番 第4楽章》
――回想 どれほど立派な人間でも属している陣営が異なれば
Д. Д. Шостакович – Симфония №15, ор. 141: IV. Adagio – Allegretto
4楽章頭、ホルンの低い響きが少しだけ流れます。
🎧曲を聴く 29:03
頭を下げるミュラーの姿を見て、「…陣営が異なれば殺し合わなければいけないんだからなあ」というヤンの言葉を回想し、キルヒアイスやワーレンを思い起こすユリアン。
17:45 ショスタコーヴィチ《交響曲第5番 第1楽章》
――病床で仕事をするラインハルト
Д. Д. Шостакович – Симфония №5, ор. 47: I. Moderato
1/3ぐらいのところ、リハーサル番号9から。タンタタ、タンタタ、という伴奏にのって、静かに淡々と進むメロディー。繊細な雰囲気。
🎧曲を聴く04:50
19:55 ブラームス《交響曲第2番 第2楽章》
――シュタインメッツについて報告するシュトライト
J. Brahms – Sinfonie Nr. 2 D-Dur, op. 73: II. Adagio non troppo
穏やかで暖かな緩徐楽章、頭から。
🎧曲を聴く
こちらで流れます。本伝では今回が最後。
▻第075話「雷動」 23:10 エンディングナレーション
▻第082話「魔術師、還らず」2:05 キルヒアイスが諫めにきたのだ
▻螺旋迷宮 第7話 喪服と軍服の間10:30 葬儀
シュタインメッツが死の間際につぶやいた「グレーチェン」とは彼女の名前だったということを、このシーンで知ることができます。
そういえばシュタインメッツは原作で容姿と年齢についての記述がなく、OVA版では黒髪・黒ひげ、ノイエでは金髪ですね。ノイエの印象があまりなく…私はノイエ銀英伝のネコちゃん(銀ニャ英雄伝説)のLINEスタンプを使っていますが、これって誰だろう?というのが、シュタインメッツでした。まだ活躍の場がないからですよね、早く続きを作ってほしい。
21:45 ドヴォルザーク《序曲「わが故郷」》
――🐺帝国軍の撤退とロイエンタールがハイネセンへ赴任
A. Dvořák – Vlastenecká předehra (Domov můj), B. 125a Ouvertüre „Mein Heim“
華やかなコーダ部分、リハーサル番号M、TempoⅠAllegro Vivaceから。
🎧曲を聴く 10:00
ロイエンタールがむすむずしている……
22:25 (曲なし)
――🐺バイエルラインと話すミッターマイヤー
青二才くんに、恋人のひとりぐらいはいないのかと聞くミッターマイヤー。酷ですよ…。そして返事を聞いたときの表情ってば。原作では「……」となっています(8巻第7章Ⅲ)。
24:08 ブラームス《交響曲第3番 第3楽章》
――🐺手紙を書くミッターマイヤー
J. Brahms – Sinfonie Nr. 3 F-Dur, op. 90: III. Poco allegretto
再現部、頭と同じメロディーが始まるところから、終わりまで。
🎧曲を聴く 26:07
はい、エヴァンゼリンに手紙を書くミッターマイヤーです!
「わが征くは星の大海」の手紙のシーンはOVAオリジナルでしたが、こちらは原作にもちゃんと出てきます。彼はエヴァに仕事の話をしますよね…
曲の終わりと一緒に、今話の物語も締めくくられます。
⬜エンディング「光の橋を越えて」
歌・作詞・作曲 小椋佳 / 編曲 風戸慎介
第3期のエンディングソングは「歓送の歌」ですが、ここでは第1期の曲が流れます。映像も1期の。ここで一区切り、というところでしょうか。
BGMリストについて
BGM全曲をスプレッドシートでリスト化し、該当曲がアニメで流れる箇所からYouTubeで聴けるようにリンクを張っています。
今回ご紹介した第84話「失意の凱旋」のリストが見られるのは こちらです。
このnoteをお読みになって曲に興味を持たれた方や、アニメを見て「聞き覚えはあるけれど曲名が思い出せない」「この曲をフルで聴いてみたい」と思ったとき、ぜひご活用ください。

