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銀河英雄伝説クラシック音楽一覧 │ (53)第44話「フェザーン占領」

OVA「銀河英雄伝説」で使われているクラシック曲をGoogleスプレッドシートにリスト化し、Webサイトで公開しています。
🔗 銀河英雄伝説クラシック音楽一覧 Musik und Szenen – ein Strauß gelber Rosen

このnoteではBGMを軸に、曲のことや物語のこと、ミッターマイヤーのこと、そのほか銀英伝に関するいろいろを書いていきたいと思います。
⚠️ネタバレを含みます。

今回は第44話「フェザーン占領」
かっこよすぎるミッターマイヤーがメインの回です。
Die Neue Theseも同じく「フェザーン占領」で第48話。こちらもミッターマイヤーがかっこいいので、ご覧になるとよいと思います。ふふふふ。
そして原作は4巻第9章「フェザーン占領」です。もちろんお読みになったほうがよいです。


あらすじ

ミッターマイヤー艦隊が向かったのは、イゼルローン回廊ではなくフェザーン回廊だった。誰もが予想しなかった襲撃にフェザーンは混乱。ケッセルリンクはルビンスキーを暗殺しようとするが、返り討ちにあう。ついにフェザーンは帝国に占領され、ラインハルトは「ジーク・カイザー」の歓声に迎えられる。彼は同盟領の航路図を手に入れ、亡き友へ、宇宙を手に入れると誓う。

曲について

00:00 オリジナル《「I AM WAITING FOR YOU」インストゥルメンタル》
――オープニングナレーション

イゼルローン回廊へ増援として向かう、ということになっているミッターマイヤー艦隊。
ちなみにノイエは艦隊の画像が立体的でリアルなので、このシーンは壮観です。何もない空間に、ワープしてきた戦艦がいきなり現れるところが好き。キルヒアイスが亡くなってラインハルトがへたれている間に、ミッターマイヤーたちが最速でオーディンにいったシーンなどは、ワープ中の様子もあってかっこよかったですよね(銀河英雄伝説 Die Neue These 第23話「さらば、遠き日」)。
本当にワープができるようになったらすごいですね……。
こちらはノイエの3D監督 森本シグマさんのインタビューです⇒ https://gineiden-anime.com/special-interview9.html


01:09 (曲続き)
――🐺吾が艦隊の赴くところはイゼルローン回廊にあらず

ミッターマイヤーから全艦隊への通告。
かっこよすぎます。

01:38 マーラー 《交響曲第1番「巨人」第1楽章》
――🐺ミッターマイヤーの通告 続き

G. Mahler – Symphonie Nr. 1 D-Dur „Der Titan“, I. Langsam, schleppend – Immer sehr gemächlich
ミッターマイヤーのかっこよすぎる通告が続きます(惚)
曲は、1番「巨人」1楽章の頭。弦楽器の静かな高い音が響く中、ピッコロの高い音が入り、次にフルート、オーボエ、と受け継がれます。はりつめた空気のような印象。
🎧曲を聴く

そして「全艦、ワープ航法用意!」と改めて真の目的地を告げるミッターマイヤー。かっこいいです。このセリフは原作にはなく、OVAオリジナルですね。
『こうして、ミッターマイヤー艦隊は、昂揚のうちにフェザーンヘと針路をとったのである。』(第4巻第9章Ⅰ)
兵士たちが盛り上がったのは、彼のカリスマ性もあるに違いありません。かっこよすぎて泣けてきます。


04:42 ブルックナー 《交響曲第8番 第1楽章》
――ケッセルリンクの死

A. Bruckner – Symphonie Nr. 8 c-Moll, WAB 108, I. Allegro moderato
ルビンスキーと向かい合って話しているケッセルリンクが、返り討ちにあうシーン。
1楽章の頭から。先程のマーラー「巨人」1楽章のように、緊張感のある低い音から始まりますが、突然、弦楽器の大きな音が鳴り不穏な雰囲気をかきたてます。
🎧曲を聴く
第42話「鎮魂曲への招待」のケッセルリンクとデグスビイ司教が話すシーンで流れていたのもこちらでした。そのときは頭からではなく、突然大きな音が鳴るところからでした。


07:35 マーラー 《交響曲第3番 第1楽章》
――🐺二言があると思うなよ

G. Mahler – Symphonie Nr. 3 d-Moll, I. Kräftig. Entschieden
第2話「アスターテ会戦」でワルキューレが発進するシーンで使われていたのと同じ曲。
1楽章の約30分間のうちの、20分ぐらいのところ。譜面に「Immer dasselbe Tempo. Marsch. Nicht eilen(常に同じテンポで、行進曲のように。決して急がずに)」と指示があるセクションです。
コントラバスのピチカートのような短く切られた音の前奏のあと、管楽器が「ソラシー、ソラシー、ソラシーラーソーファー」という拍を刻むようなメロディーを鳴らします。
🎧曲を聴く 21:10

というわけで、民間人殺害など3つの行為を禁じ、違反者は即決裁判ののちに銃殺、「ウォルフガング・ミッターマイヤーに二言があると思うなよ」とおっしゃるミッターマイヤー(かっこいいーー)。
彼は『部下たちにとって話のわかる上官であり、気前もよい、歓迎すべき上司だったが、非行にたいしては容赦というものを知らず、厳罰ぶりが彼らを戦慄させた。』(第4巻第9章Ⅲ)

そしてまた、森功至さんのお声が本当に似合うんですよね。私は森さんのウォルフガングの「ウォ」の言い方に耳がいってしまいます。よいですよねえ…。
ちなみに、ウォルフガングという名前の意味は
ウォルフ=狼、ガング=歩み・歩むこと・道のり・旅立ち・行軍
という意味なのだそうです。いかにもミッターマイヤーらしいし、何かと狼のモチーフが使われてたりします(で、私も狼の絵文字を使っています)。話がそれますが、ウォルフガングといえば、私が思いつくのはこんな方々。
ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト
ヨハン・ウォルフガング・フォン・ゲーテ
ウォルフガング・ワーグナー
ウォルフガング・サヴァリッシュ
ウォルフガング・ペーターゼン
あと、ヴァン・ヘイレンの息子さんがウォルフガングなんだそうです。今回調べて知りました。
いずれにしても今まで、Wolf=狼と考えたことはありませんでした。


10:00 ブルックナー 《交響曲第8番 第2楽章》
――自治領主府を占拠

A. Bruckner – Symphonie Nr. 8 c-Moll, WAB 108, II. Scherzo: Allegro moderato – Trio: Langsam
自治領主府を占拠しましたが、ルビンスキーは私邸の方にいたのでした。
2楽章は初登場。頭から。スケルツォ、つまり3拍子の速い曲で、弦楽器の音が何かが飛んでいるような、風を切っているような、そんなふうに聞こえます。
🎧曲を聴く 16:23

2楽章が使われるのはこちら。すべて今回と同様に頭からです。
▻第060話「魔術師捕らわる」2:35同盟軍兵士たちのメルカッツ隊への合流
▻第063話「聖地」1:30ハイネセンを離れるヤンたち
▻第094話「叛逆は英雄の特権」22:06洗面室にかけこむヒルダ
▻第101話「動乱への誘い」4:13ケスラーが調査
▻第106話「柊館炎上」8:55マリーカの呪文
▻「叛乱者」Kap.Ⅲ 2:06ハーメルンⅡ 絶体絶命の危機
▻「螺旋迷宮」第1話「エル・ファシルの英雄」2:08エルファシル


11:05 ブルックナー 《交響曲第1番 第4楽章》
――ルビンスキー邸を占拠

A. Bruckner – Symphonie Nr. 1 c-Moll, WAB 101, IV. Finale: Bewegt, feurig
というわけで私邸のほうへ。でもすでにもぬけの殻、そしてルパートくんの遺体だけが。
4楽章は初登場。頭から。金管楽器が鳴る、堂々とした曲です。
🎧曲を聴く 32:12

以降で同じく4楽章の頭から流れるのはこちら。
▻第096話「剣に生き…」1:33ロイエンタール陣営の作戦会議
▻第107話「深紅の星路」8:33帝国軍がシヴァ星域に布陣
▻「白銀の谷」Kap.Ⅳ 15:00ラインハルトとヘルダーの一騎打ち


11:30 ブルックナー 《交響曲第1番 第4楽章》
――同盟のフェザーン弁務官事務所

A. Bruckner – Symphonie Nr. 1 c-Moll, WAB 101, IV. Finale: Bewegt, feurig
ユリアンの機転で、同盟の弁務官事務所のデータは消去され、しかけておいた自動ライフルが発射されます。ちなみにこのとき指揮をとっていた大佐は、グレーザーという人。たぶんここでしか出てきません。

曲は先程の11:05のシーンとほぼ同じ。セリフや効果音と重なって聞き取りにくいのですが、頭から数十秒進んだあたりのメロディーが聞こえたので、恐らくこの動画の32:56あたりかと思います。
🎧曲を聴く 32:56


12:29 マーラー 《交響曲第10番 第5楽章》
――脱出を決意するユリアン

G. Mahler – Symphonie Nr. 10 (komplettiert von D. Cooke), V. Finale: Langsam, schwer
マーラー3番1楽章が銀英伝の「はじめの曲」だとしたら、「終わりの曲」はこれだと私が思っている、10番5楽章のコーダ。今回はその最後の1和音が流れます。
🎧曲を聴く 1:19:15

第38話「矢は放たれた」の記事で、コーダの流れにそってシーンを並べてみています。
ちなみに「はじめの曲」とはこちら。



12:53 マーラー 《交響曲第3番 第1楽章》
――フェザーン制圧

G. Mahler – Symphonie Nr. 3 d-Moll, I. Kräftig. Entschieden
1楽章頭から4分ほど進んで、トランペットソロ(黄色部分)がはじまるところから。

🎧曲を聴く 4:15
ミッターマイヤーはフェザーンを制圧、接収したホテル・ヴルタヴァに臨時指令室を置く(原作ではフェザーン中央宇宙港ビル内)。民間人に対しては日常レベルの経済は統制せず、一方で便乗値上げを戒める布告を発した。……さすがです。かっこよすぎる。


13:20 (曲続き)
――🐺二言はないとそう言ったはずだ

「ミッターマイヤーの司政官ぶりは満点にちかいものだったが」(第4巻第9章)民間人女性への暴行事件が発生。犯人たちの部隊の長が歎願を求めたが、ミッターマイヤーは拒否する、というシーン。歯を食いしばってものすごく嫌そうな顔をしていました。かっこいいです。
OVAではこの歎願についてミッターマイヤーの副官が伝えてきたのですが、その副官とはクーリヒ少佐。この人は事典によると、2年後の第二次ランテマリオ星域会戦(つまり、争覇戦ですか…)のときに大佐で出てくるようです。


15:52 (曲なし)
――🐺公開処刑に立ち会うミッターマイヤー

ミッターマイヤーに付き従って後ろに立っている部下の一人(ドロイゼンかジンツァー?)が、バイエルラインくんに、クロプシュトック事件でのことを話します。外伝1巻にある「軍規を正す」のあのエピソードですね。
ミッターマイヤーは少しも表情をかえず、処刑が終わるとさっさと移動します。かっこいい。


17:03 ブルックナー 《交響曲第8番 第4楽章》
――🐺ミュラーが合流

A. Bruckner – Symphonie Nr. 8 c-Moll, WAB 108, IV. Finale: Feierlich, nicht schnell
4楽章頭から6分ほど進んだ180小節目、ティンパニーがよくある「ド、ソ、ド、ソ」の形で鳴り、ファンファーレのように管楽器全体が長く響きわたって、壮大な雰囲気です。
🎧曲を聴く1:01:40

ノイエではミュラーの到着を、心細くて待ち望んでいた、と言っていました。ノイエオリジナルの台詞です。そして身長差がすごい…なのでちょっとかわいい感じになっているかも。
「戦わぬとは肩がこることさ」は、原作にもあり(第4巻第9章Ⅲ)。素敵です。


18:01 ヘンデル 《水上の音楽 第3組曲 第16曲 サラバンド》
――ドラクールでのウィロック船長

G. F. Händel – Water Music, Suite No. 3 in G major, HWV 350: XVI. Sarabande
酒場「ドラクール」に独立商人たちが集まっているシーン。
第3組曲は初登場。1曲目の頭から。明るく軽い曲です。
🎧曲を聴く

「水上の音楽」の曲目については、第1組曲は第9話「クロプシュトック事件」で、第2組曲は第42話「鎮魂曲への招待」でまとめていました。

第3組曲の構成はこちら。
第16曲 サラバンド
第17曲 リゴードン
第18曲 リゴードンII
第19曲 メヌエット
第20曲 メヌエットⅡ
第21曲 ジーグI
第22曲 ジーグII

※「水上の音楽」は、資料や解説によって曲名や番号の付け方が異なる場合があるようです。第16曲を「メヌエット」、第21曲を「カントリーダンス」等としている例もあります。
当記事ではIMSLPの楽譜にあわせました。リンクさせていただいているYouTube動画は楽譜つきで、それがIMSLPということもあります。
でも、OVAで使われているこの第16曲は軽い感じなので、サラバンドよりもメヌエットっぽいかもしれません。

第3組曲が使われているシーンはこちら。
第16曲 サラバンド
▻第055話「儀式から再び幕は上がり… 」2:20 戴冠記念パーティー
▻「螺旋迷宮」第4話「過去へのささやかな旅」 3:05 パーティー回想
第17曲 リゴードン
▻第055話「儀式から再び幕は上がり… 」4:00 戴冠記念パーティーでのヒルダとマリーンドルフ伯
……全部パーティーですね。


20:52 オリジナル《帝国軍軍楽曲 ~ワルキューレは汝の勇気を愛せり~》
――🐺ラインハルトがフェザーンに到着

黄昏の光の中にたたずむラインハルトの華麗さといったら、そりゃもう見た者は代々子孫に語り継ぐほどのものだったそうなのです。
そのラインハルトに向かって「彼らはあなたのことを皇帝と呼んでいるのです」と告げるミッターマイヤーも、陽があたり風に髪が揺れてきれいなのですよ…。


21:35 (曲なし)
――🐺車中でラインハルトに報告するミッターマイヤー

ここでルビンスキーを捕らえていたら…と思いますが、ラインハルトはミッターマイヤーを責めないですよね、いつも。卿にできなかったなら、他の誰にも不可能だろう、と。そうでしょう、そうでしょう(頷き)。


22:38 マーラー 《交響曲第6番「悲劇的」第1楽章》
――車中で話すラインハルト

G. Mahler – Symphonie Nr. 6 a-Moll "Tragische", I. Allegro energico, ma non troppo
憂国騎士団や薔薇の騎士団のシーンで流れる、いつもの怖い行進曲ですが、そのあと弦楽器の優しい流れるようなメロディーのセクションに変わる前に、木管楽器のコラール風の曲が少しはさまります。そこから。
🎧曲を聴く
2:27


22:59 オリジナル《「旅立ちの序曲 インストゥルメンタル」》
――🐺コンピュータールームに入るラインハルト

航路局のコンピュータールームに、ラインハルトはひとりで入ります。同盟領の航路図を手に入れたラインハルト。「おれとおまえの宇宙を手に入れるために」(第4巻第9章Ⅴ)行こう、とペンダントのキルヒアイスに語りかけます。
ノイエでの航路図は立体映像になっていて、ラインハルトがそれを見わたしながら進んでいくという感慨深い演出です。そして48話は今の時点で映像化されている最終話です。早く続きが見たいですね。


曲のまとめ

ミッターマイヤーの出番が多くて音楽のないシーンもまざったので、今回使われた曲だけをまとめます。
・マーラー
交響曲第1番「巨人」第一楽章
交響曲第3番第1楽章
交響曲第6番「悲劇的」第1楽章
交響曲第10番第5楽章
・ブルックナー
交響曲第8番第1楽章、第2楽章、第4楽章
交響曲第1番第4楽章
・ヘンデル
「水上の音楽」第3組曲 第16曲


BGMリストについて

BGM全曲をスプレッドシートでリスト化し、該当曲がアニメで流れる箇所からYouTubeで聴けるようにリンクを張っています。
今回ご紹介した第44話「フェザーン占領」のリストが見られるのは  こちらです。
各曲のどの部分がどこで流れるかは、スプレッドシートのリストをご確認ください。

このnoteをお読みになって曲に興味を持たれた方や、アニメを見て「聞き覚えはあるけれど曲名が思い出せない」「この曲をフルで聴いてみたい」と思ったとき、ぜひご活用ください。


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