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【地方創生 番外編⑧】600年前の名君が、豊見城の「笑顔のドミノ」に変わる日

これまで6つの班を紹介してきましたが、てぃーだ班(5班)を取り上げるのは、実は今回が初めてです。

満を持しての、登場です。

かつて琉球の歴史に輝いた一人の英雄を、今の地域の絆づくりへとどう活かしていくのか。

この班の挑戦には、以前から静かな期待を寄せていました。


◆ 3日で答えを出した、異色の9人

7月10日、講義を受けた、その日の午後。

てぃーだ班は、規格外野菜の廃棄問題を追い、豊見城市内の3つの現場へと二手に分かれて飛び込んでいった。

そのわずか3日後の7月13日。彼らは臨時のオンライン会議を開き、全員での本音の議論の末、進むべき道を完全にシフトさせた。

歴代の合格チームすら凌駕する、圧倒的な意思決定のスピード。てぃーだ班のドラマは、この3日間から動き出した。


◆ 「規格外野菜」という沼から、名君の物語へ

当初、彼らが見つめていたのは、豊見城市の主要農産物である「規格外野菜」の廃棄問題だった。

乾燥野菜の加工を手がける地元企業との連携、JAへのヒアリングを重ねる中で、彼らは厚い壁に直面する。

過去の類似加工品の失敗による、関係者の腰の重さ。農家側の熱量の見えにくさ。原料を安くすれば農家の利益にならず、高くすれば製品が売れないという、抜け出せないジレンマ。

「課題から入る」という沼に、チームは頭を抱えた。

そんな中、彼らが向かったのが、豊見城市民俗資料展示室だった。

そこで紹介されたのが、約600年前の三山時代、南山王国第3代国王として君臨した偉人「汪応祖(わんおうそ)」の物語だった。

中国からハーリー(爬竜船)競漕を伝え、豊見城グスクを築城し、地域の団結と笑顔を創り出した名君。

この壮大な歴史ロマンに、メンバー全員の心が「これだ」と震えた。資源の一本化は、その場で電撃的に決まった。

規格外野菜を完全に切り捨てたわけではない。最終プランの中で「汪応祖のPR物品(乾燥野菜スナック)」として掛け合わせるという、シナジーを狙う知恵も、この過程から生まれている。


◆ 8月から動き出す、先手必勝の仕込み

てぃーだ班の強さは、決断の速さだけではない。

10月17日に開催される「とみぐすく祭り」。地域最大級のこのイベントへの出展を、彼らは早くも8月の段階から画策していた。

「自分たちだけでゼロからイベントを作るのは、負担が大きすぎる。それならば、すでに集客力が担保されている祭りに便乗しよう」

市役所勤務のメンバーが持つ機動力とネットワークをフル活用し、市や観光協会が持つブースの一角を間借りする交渉を、超早期段階から進めている。

レポートの執筆と、イベントの仕込みを同時並行で走らせる。このチームビルディングは、すでに完成の域にある。


◆ 「であう・つくる・つなげる」笑顔の循環モデル

豊見城市は今、那覇市のベッドタウンとして人口が急増する一方、地域コミュニティの希薄化という課題を抱えている。

てぃーだ班は、この現代の課題に、汪応祖の史実「外の文化を取り入れて絆を築いたストーリー」を重ね合わせた。子供たちを主役に据えた、3つのステップだ。

STEP1:であう

生成AIを駆使し、堅苦しい歴史偉人のイメージを打破する「イケメン・ワイルド系 汪応祖」キャラクターを開発。規格外野菜を使った乾燥野菜スナックとともに、10月17日の祭りブースで、子供たちへの絵本・紙芝居の読み聞かせと試食PRを行う。

STEP2:つくる

マインクラフトやLEGOを使った「みんなで豊見城グスクを再建しよう」ワークショップを開催。歴史をただ聞くのではなく、子供たちが自らの手で城を造り上げる体験そのものが、強烈な地元愛を育てる。

STEP3:つなげる

祭りでの反応やアンケートをもとに、観光協会・教育委員会・市役所と連携した「体験型ハーリー&グスク歴史教育プログラム」を、小学校の総合学習に定例化する。

一過性のイベントで終わらせない。次年度以降も地域主導で自走できる、持続可能なバトンの継承を見据えている。


◆ 先輩プランを凌駕する、3つの理由

このプランには、指導者として唸らされる点が3つある。

課題解決と歴史ロマンの完璧な整合性:コミュニティ希薄化という現代の課題に対し、「ハーリーを伝えて地域の団結を創った」という史実が、完璧な処方箋として機能している。

余白の設計:完成品を与えるのではなく、マインクラフトやLEGOでの築城体験など、子供たちが自ら参加し、共創するプロセスそのものをエンタメ化している。

先手必勝の実効性:8月の段階で祭りへの間借り交渉を走らせ、レポート執筆とイベントの仕込みを並行させる体制が、すでに完成している。


規格外野菜の沼から、600年前の名君の物語へ。

てぃーだ班が3日間で辿り着いたこの道が、本当に豊見城の子供たちの笑顔に届くのか。

まだ、答えは出ていません。

10月17日の祭り本番に向けて、彼らがどんな一歩を重ねていくのか、私も楽しみに見届けたいと思います。

本日もお読みいただきありがとうございます。

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