高齢の父と、子どもと一緒に過ごす一日〜東京ドームで見つけた、かけがえのない時間〜【第一弾】
・突然の誘いに、父は目を輝かせた
何気ない一日、ではなかった。
けれど、特別なことをしたつもりもない。
ただ、たまたま手に入った三枚のチケットが、思いがけず大切な一日を連れてきてくれました。
それは、
東京ドームでの野球観戦。巨人とオリックスの交流戦でした。
試合の数日前、父に何気なく聞いて、
「東京ドームで野球、観に行く?」
正直、断られると思っていました。
少し距離もあるし、急な話でもありました。
けれど父は、少し驚いたような表情のあと、
目をキラキラさせて、
「行く」
一言に、こちらが驚きました。
そして、なんだか嬉しい。
「まさか」が、「楽しみ」に変わる瞬間でした。
チケットを一枚渡し、
「また連絡するね」とだけ伝えて
その日は別れました。
・父の中に残っていた記憶
翌日の夜、待ち合わせの連絡をすると、
父は嬉しそうに話し始め、
「野球、東京ドーム、数十年ぶりだなあ」
そんなに時間が経っていたのか、と少し驚き、
同時に、その一日にどれほどの意味があるのか、
少しだけ実感しました。
さらに父は、パソコンで交通機関や駅からの経路を調べていたらしい。
「たぶん分かると思うけどな」と言いながらも、
きちんと準備していることに、
また少し驚かされました。
・一緒に電車に乗るということ
当日、待ち合わせは馴染みのある最寄り駅。
時間の15分前には、もう父は来ている。
10年以上前まではよく電車に乗っていた父。
今は多くても週に一度程度。
最近は物忘れもだいぶ増えてきた印象があり、
それでも、乗り降りも、乗り換えもまったく問題ない。
やはり、長年の習慣というのは体に残るものなのだと感じました。
それ以上に、「予習してきた」という事実に
私は静かに驚いていました。
父はスマホで検索はできないので、
パソコンはなんとかサポートを受けながら使っている状態なのに。
・東京ドームで見た、意外な一面
無事に会場へ到着すると、
目の前に広がる東京ドームを見て、
父は声を上げ、
「おー、おー」
その姿は、どこか子どものよう。
むしろ、初めて来た子どもよりも、ずっと感動しているように見えました。
・予想外のラッキーと、小さな安心

はぐれた時のために、
「このショップの前で集合ね」と伝え、
父と子どもは携帯を握りしめながら自由席の列へ。
私はチケットの件で窓口へ向かいました。
会場はかなり混雑していて、窓口にたどり着くのも一苦労。
ようやく順番が来たと思ったら、思いがけない案内が、
「差額数百円から1200円ほどで指定席に変更できますよ」
迷わず変更しました。
これはラッキー
すぐに父へ連絡すると、自由席の列もかなり長く、
係員に聞きながら別の階まで移動していたらしい。
それでも、
事前に決めておいた待ち合わせ場所に、
きちんと戻ってきてくれていました。
席が確保できた安心感。
それだけで、この日の満足度が一段上がった気がしました。
・久しぶりの団らんは、ラーメンと一緒に
試合までまだ時間があったので、ラーメンを食べることにしました。
混雑していたので難しいかと思っていましたが、
「20〜30分待ち」と言われながらも、結果的には10分ほどで入ることができ、
運が良い~。
出てきたラーメンは、普通盛りとは思えないほど大きなどんぶり。
思わず三人で顔を見合わせて笑いました。
忙しい日々の中で、こうして食卓を囲む時間は意外と少ない。
それがラーメンでも、
場所がフードコートでも、
不思議と特別な時間に感じられました。
「とても美味しいね」
「どんぶり、大きいね」
そんな何気ない会話がやけに嬉しかったです。
そして、
ラーメン好きの父も、私も、
なぜかいつも以上においしく感じた一杯でした。
第2弾は、↓
試合と帰り道の話を書きます。
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