ChatGPTが書いた日本語文章をGeminiでより自然に:Codex用スキルを公開
Gemini 3.8 Flashの日本語がよいと話題ですね。おそらく最初にこれをいっていたのはまつにぃさん(@yugen_matuni)ではないかと思います。
— まつにぃ (@yugen_matuni) September 2, 2026
この記事を読んで、Gemini 3.8 Flashの日本語がよいという話を知り、科研費の申請書のリライトに試してみました。
実際に使ってみると、確かに文章は自然になります。ただ、Gemini 3.8 Flashはあまり賢くないので元の文脈を読み違えてしまい、意図したニュアンスや意味まで変わってしまうケースがちらほらありました。研究計画が読みやすくなっても、内容が不正確になってしまうのでは困ります。
この悩みをXに投稿したところ、@sakaiyさんから、Geminiによる言い換えとGPTによる確認を組み合わせるヒントをいただきました。
Geminiに投げられるスキルにして、スキルの使い方に、送信前後の監査はGPT側、意味がズレたら不採択ではなく修正箇所を指示してもう一度投げる、という形にしたらいい感じになった。また、語彙が平易になりすぎる傾向があったので申請書・報告書向けの書き方になるようインストラクションも入れている https://t.co/xpumK2LSi1
— 酒井 雄介 / SAKAI Yusuke 💙💛 (@sakaiy) September 12, 2026
試行錯誤してみたところ、まずまず使える形になったので、Codexのスキルとして公開します。
細かく縛るより、自由に言い換えてから確認する
最初は、Geminiに細かなルールや制約を指示して校正させ、その結果をGPTにレビューさせていました。
しかし、指示を細かくすればするほど原文に引っ張られて変化が乏しくなり、肝心の「AIっぽさ」が抜けきりません。そこで、Geminiへの指示を「自然な日本語にしてください」程度まで緩めてみることにしました。
今の流れは、次のとおりです。
まずGPTで、内容や論理構成を重視した原稿を作成する。
CodexからAntigravity CLIを呼び出し、Gemini 3.8 Flash(High)に自然な日本語へリライトしてもらう。
Codex(GPT)が原文と照合して意味やニュアンス、主張の強さが変わった箇所を指摘し、Geminiに再修正してもらう。
なおGPTのレビューに当たっては以下の資料を参考にさせていただきまし
SmartHR Design System「伝わる文章」
読み手の負担を減らすという考え方や、主語・助詞・重複表現などの推敲観点を参考にしました。coji「natural-japanese」
用途別に参照資料を分ける構成や、表現の検出を機械的な置換に直結させず、文脈に応じて判断する設計を参考にしました。k16shikano「日本語技術文書の文章規範」
段落の役割、論理のつながり、空疎な言い回しや抽象的な比喩を点検する観点を参考にしました。tqkqt0「humanizer-jp」
日本語の文体パターンの整理や、書き手の文章に合わせて調整する設計、元の情報を保持する方針を参考にしました。
生成方法を伏せた状態で、3通りの文章を読み比べてみた
このやり方が本当に自分の好みに合っているのかを確かめるために、実際に文章を読み比べてみました。比較したのは、以下の3パターンです。
Geminiに自由な表現でリライトしてもらい、GPTで原文と照合したあと、必要な箇所をGeminiに再修正してもらう
公開されている「日本語のAIっぽさをなくすスキル」をGeminiに適用してリライトし、その後は①と同様に照合・修正を行う
同じ公開スキルを使い、GPTにリライトしてもらう
検証には、このnote記事の原稿と、医学研究の計画を説明する文章の2種類を用意しました。それぞれについて3つのリライト案を作成し、どの方法で作られたか分からないよう順番をシャッフルしたうえで、私自身がブラインドで読み比べを行いました。
「AI特有の不自然さが薄く、自分の言葉として使いたいと思えるか」という観点で順位をつけたところ、結果は次のようになりました。

どちらの文章でも、1位に選んだのは自由なGemini+照合・修正でした。一方で、②と③の順位は文章の種類によって入れ替わっています。
もちろん、これは私ひとりが2つの原稿で試した個人的な検証結果にすぎません。取り上げたスキルの優劣や、各モデルの日本語能力全体を示すものではなく、用途や文体の好みによって選ぶ文章も変わると思います。また、①と②は生成後に照合・修正の工程を挟んでいるため、スキル単体の効果を厳密に比べた実験でもありません。
ただ、少なくとも私自身が使う文章に関しては、最初にあれこれと細かいルールを指定するよりも、「まずはGeminiに伸び伸びと言い換えてもらってから、意味のズレを後から整える」という進め方のほうがしっくりきそうです。今回公開するスキルも、この流れにしています。
GPTにも、最初から制約を詰め込みすぎない
以前はGPTに対しても、「AIらしさ」を消そうとして、避けるべき表現や文体を事細かに指示していました。ただ、あまり文体を縛りすぎると、モデルが本来持っている能力まで抑えてしまうのではないか、と感じています。
盛り込むべき要点や条件はしっかり伝えた上で、まずはGPTにある程度自由に考えて書いてもらい、細かな言い回しは後から整える方のほうが良さそうです。
個人的には、ClaudeのFable 5.1やOpus 5が書く日本語のほうがGPT-5.6やGPT-6よりも好みですが、Claudeの日本語はコーディング能力の向上と関係があるのかはわかりませんが、最近はAIぽい感じは結構あるので、Claudeで書いた原稿に対しても、Geminiによるリライトを試してみる価値はあると思います。
今回公開するスキルについて
今回作成したスキルは、CodexがAntigravity CLI経由でGemini 3.8 Flash(High)を呼び出し、言い換え後の文章をCodex(GPT)が原文と照合して意味などのずれを指摘し、必要箇所をGeminiに再修正させる構成です。毎回それぞれの画面に文章をコピーするのではなく、Codexから一連の作業を進めます。
ローカル環境でCodexを利用している方向けに、導入手順をまとめました。
Antigravity CLIの導入方法
1.インストールする
Codexから呼び出せるよう、同一の環境にAntigravity CLIをインストールします。公式のインストールコマンドは以下のとおりです。(Google Antigravity)
Codexに「Antigravity CLIをインストールして」とお願いしてもOKです。
macOS/Linuxの場合は、ターミナルで以下を実行します。
curl -fsSL https://antigravity.google/cli/install.sh | bashWindowsの場合は、PowerShellで以下を実行します。
irm https://antigravity.google/cli/install.ps1 | iexインストール完了後、以下のコマンドでバージョン情報が表示されるか確認してください。もし `agy` コマンドが見つからない場合は、画面の案内に沿って環境変数PATHを通してください。(Google Codelabs)
agy --version2.Googleアカウントでログインする
ターミナルで以下を実行して起動します。
agy初回起動時は画面の案内に従い、ブラウザ経由でGoogleアカウントの認証を行います。一度ログインを済ませておけば、後からスクリプト等(非対話モード)で呼び出す際にも保存された認証情報が引き継がれます。(Google Antigravity)
ログイン後、動作確認としてプロンプトに `/model` と入力し、Gemini 3.8 Flash(High)を選択してみることもできます(スキル側でもモデルを指定するため、事前の選択は必須ではありません)。確認が済んだら `/quit` でCLIを終了できます。(Google Antigravity)
※ 利用可能な利用枠はご自身の契約プランによって異なります。無料枠も用意されていますが、無制限ではない点にご注意ください。(Google Antigravity)
3.スキルをCodexに追加する
公開したスキルのフォルダごと、ホームディレクトリの `.agents/skills/` に配置します。`SKILL.md` のみならず、同梱されているスクリプトや参照資料も含めてフォルダ全体をコピーしてください。
Codex CLIを立ち上げ、`/skills` または `$` から該当のスキルを選択します(もし一覧に現れない場合は、Codexを再起動してみてください)。(OpenAI Developers)
スキルを選択したら、たとえば以下のようにプロンプトを入力します。
このスキルを使って、Geminiで原稿を自然な日本語にブラッシュアップしてください。
最後は自分でも確認する
GPTによるレビューを挟んだとしても、意味の微妙な変化を100%検知できるとは限りません。また、たとえ原文の意味が正確に保たれていたとしても、そもそも原文の内容自体に誤りがある可能性もあります。外部AIに送ってよい原稿だけを扱い、科研費や論文の最終稿は自分でも確認してください。
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