野菜は食べているのに、食物繊維が足りない理由
こんにちは、パーソナルトレーナーのリクです。
「追い込む」のではなく「一緒に整える」を大切に、運動が苦手な方の体づくりに寄り添っています。
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この夏、お昼はどんなものを食べていましたか。
そうめん、冷やし中華、ざるそば、冷たいうどん。暑い日にちょうどよくて、作るのも簡単で、気がついたら何日も続いていた。そんな方は多いと思います。
そして、まじめな方ほど、こうも思われていたはずです。「これだけじゃいけないよね」と、サラダのパックを一緒に買ったり、トマトを切って添えたり。
今日お話ししたいのは、そこなんです。その努力の方向で足りるのかどうか、という話をさせてください。
まず、数字をひとつだけ
国の調査(令和元年・国民健康・栄養調査)を見ると、20代の食物繊維の摂取量は、ちょうどまん中あたりの人で1日15.1gでした。目標とされているのは20g以上なので、あと5gほど足りていません。
これは20代にかぎった話ではなくて、どの年代を見ても目標に届いていないという結果でした。
先日「お皿の数」の記事でも、この数字に1行だけふれました。今日はその続きで、「あと5g、どこから足すのか」を具体的にお話しします。
▶ 栄養の計算は、しなくて大丈夫です。そろえるのは、お皿の数だけ
先にお伝えしておくと、この数字は誰かを責めるためのものではありません。まん中の人が届いていないということは、届いていないほうが普通だということです。あなたの努力が足りない、という話ではまったくないんです。
サラダをがんばっても、なかなか追いつきません
「じゃあ野菜をもっと食べればいいですね」

そう思われたと思います。でも、ここがいちばん、多くの方がつまずくところです。
野菜のほとんどは、水分でできています。同じエネルギー量でくらべると、その差がよく分かります。
キャベツ … 250kcal分で1085g
にんじん … 250kcal分で674g
ほうれん草 … 250kcal分で1250g
トマト … 250kcal分で1315g
ほうれん草1250gというのは、スーパーの束で6〜7束くらいです。毎日それを食べる方は、まずいないですよね。
念のために書いておきますが、野菜が大事でないという話ではまったくありません。 カリウムもマグネシウムもビタミンも、植物にしかない栄養も、野菜からいただくものです。積極的に食べていただきたいものであることは変わりません。
ただ、「食物繊維の量」だけを野菜で埋めようとすると、両手でかかえるほどのボウルが必要になる、ということなんです。
サラダを増やしても手ごたえがなかったのは、続け方が悪かったからではありません。もともと、そこだけでは埋まりにくい引き算だったんですね。
減っていたのは、お皿の反対側でした
では、どこで減っていたのか。
じつはここが、わたしが栄養を学んだ中で、いちばん「そうだったのか」と思ったところです。
食物繊維は、炭水化物の一部なんです。
炭水化物という言葉は「糖質+食物繊維」のことを指しています。そして「糖質」というのは、炭水化物から食物繊維を取りのぞいたものの呼び名です。もとは同じ場所に一緒に入っていたんですね。
ところが、わたしたちがふだん食べている主食は、その繊維の部分をきれいに外したものが多いんです。白米、うどん、そうめん、白いパン、パスタ。精製というのは、外側のぬかの部分を取りのぞく作業のことなので、そのときに食物繊維も一緒に外れていきます。
どのくらい残っているかというと、白米はお茶碗3杯を食べても、食物繊維は1.5gほどでした。
3杯です。それでも1.5g。目標が20gですから、主食からはほとんど入ってきていないことになります。
そして、ここからが大事なところです。
炭水化物が食事全体の45%を下回ると、食物繊維が不足しやすくなると言われています。同じように、マグネシウムやカリウム、ビタミンCも足りなくなりやすいそうです。
つまり、「ごはんを減らして、そのぶんサラダを増やす」という組み立ては、食物繊維の面で見ると、差し引きでほとんど増えていないことがあるんです。ときにはマイナスになることさえあります。
夏に麺類が続いた期間というのは、主食がいちばん繊維の少ない形に寄っていた時期でもありました。しかも冷たいものが多くて、量も進みにくい。
がんばっていた方向が違ったのではなくて、減っていた場所が、思っていたのと反対側だったというだけなんです。
足すなら、主食のとなりがいちばん早いです
ここまで読んで、少し気が重くなった方もいるかもしれません。でも、ここからは軽い話です。

減っていた場所が分かったということは、足す場所も分かったということですから。
1. ごはんに、押し麦かオートミールを少し
押し麦やオートミールは、食物繊維が白米の15倍ほど含まれています。マグネシウムや鉄も多めです。
いきなり全部を置き換える必要はありません。お米を炊くときに大さじ1〜2杯だけ混ぜる。それだけでも、毎日3食の主食が少しずつ変わっていきます。
2. 芋やかぼちゃを、一品そえる
さつまいもやじゃがいもは、食物繊維が白米の10倍ほど。ビタミンCやカリウム、マグネシウムも入っています。
焼き芋、干し芋、かぼちゃの煮物、栗。買ってきてそのまま置けるものばかりです。ここは前回の記事で「主食を、もう一品」とお話ししたところと、同じ場所ですね。
3. 果物をひとつ
果物の目安は1日200gほどと言われていますが、いまは平均100gくらいで、若い方ほど少ない傾向だそうです。りんごなら1個で250g、みかんなら1個80g。半分でも足したぶんはちゃんと残ります。
4. 麺の日は、海藻ときのこにお願いする
そうめんにわかめ、そばにめかぶ、うどんにきのこ。麺をやめる必要はまったくありません。乗せるだけです。
夏に嬉しい話もひとつ。ごはんや芋は、冷めると一部のでんぷんが消化されにくい形に変わって、腸内細菌のごはんになりやすくなると言われています。冷やごはんのおにぎりや、冷たいポテトサラダですね。どのくらい変わるかは条件によってちがうので、おまけくらいに思っておいてください。
食物繊維は、お腹だけの話ではありません
食物繊維というと、どうしても「お通じのため」と思われがちです。もちろんそれもありますが、報告されている役目はもう少し広いです。
とくに大きいのが、この2つだと言われています。
1つめは、血糖の上がり方と、食欲のほうです。
食物繊維が入ってくると、消化管からいくつかのホルモンが出て、血糖の急な上がり方をおさえたり、「もう足りていますよ」という満腹の合図を出したりしてくれます。
夕方になると甘いものがどうしても食べたくなる。お昼のあとに強い眠気がくる。そういうときに、意志の力ではなく、お昼の主食の中身を見直すと変わることがあるのは、このあたりが関わっていると考えられています。
2つめは、腸内細菌のごはんになることです。
わたしたちの腸にいる菌たちは、食物繊維を食べて短鎖脂肪酸というものを作ります。これが大腸のエネルギー源になって、お通じの調子を整えることにつながっていく、と言われています。
腸が動くには、あたたかさとリズムと「材料」が必要だというお話を以前に書きましたが、その「材料」の中身がまさにこれです。
今日からできる、小さな一歩
ぜんぶやらなくて大丈夫です。ひとつだけ選んでみてくださいね。

1. お米を炊くとき、押し麦を大さじ1
いちばん手間が少なくて、いちばん毎日続くところです。味はほとんど変わりません。慣れたら大さじ2に。
2. 麺の日に、わかめかきのこを乗せる
そうめんを続けても大丈夫です。乾燥わかめをひとつまみ置くだけで、麺だけの一食ではなくなります。
3. 果物をひとつ、冷やしておく
夏の果物は水分もとれます。切る手間がしんどい日は、皮ごと食べられるものや、カットフルーツでかまいません。
ただ、増やし方には順番があります
最後に、これだけは書かせてください。
急に増やすのは、おすすめしません。
食物繊維は体にいいものですが、同時に消化に手間のかかるものでもあります。いまの消化する力を超えて入ってくると、お腹が張ったり、ガスが増えたり、かえって苦しくなることがあります。
わたしが学んだ中でも、もともと体調を崩している方ほど、繊維の多いものが逆に負担になることがあると、はっきり書かれていました。良いものだから多いほどいい、とはならない栄養素なんですね。
それから、「置き換え」には気をつけてください。
たとえばオートミールは、水を含むので同じ重さでもエネルギー量が少なくなります。白米150gで250kcalとれるところ、オートミールでは122kcalほど。半分以下です。
もともと食べる量が少なくて、疲れやすさがある方が「体にいいから」と全部を置き換えてしまうと、食物繊維は増えたのにエネルギーが減るという、いちばんしんどい形になってしまいます。
なので、置き換えるのではなく、足す。1週間にひとつずつくらいで、ちょうどいいです。
食べたあと、いつもお腹が張って苦しい
ガスやお腹の音が気になって、外出がつらい
便がゆるい日と出ない日を、長く繰り返している
こういうときは、食べ方の工夫だけでは追いつかないことがあります。内科や消化器内科で一度みてもらってくださいね。ここは遠慮しなくていいところです。
さいごに
「野菜が足りていない」と言われ続けてきた方は、たくさんいると思います。
でも今日見てきたとおり、足りていなかったのは意志でも野菜でもなくて、お皿の反対側でした。ごはんの側、主食の側です。
そして、そこは足すのがいちばん簡単な場所でもあります。大さじ1杯の押し麦、乗せるだけのわかめ、冷やしておいた果物ひとつ。どれも、今日の買いものに1つ足すだけでできることです。
夏のあいだ、簡単なもので毎日をまわしてきたのは、けっして手抜きではありません。暑い中で食事を止めなかったということです。それだけで十分にがんばっています。
そのうえで、秋に向けてひとつだけ。足せそうなものを選んでみてくださいね。
自分のペースで、一緒に整えていきましょうね🙂
今日お話しした「食物繊維の足し方」も、じつは人によって足せる量がちがいます。
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